覚悟の火
その後に亡骸となったアルトリアを発見したエリクは、精神の
それと並行するように、
しかしそれを阻んだのは、今まで信用していた
『マナの樹』に捧げるはずだった『魂』と『器』は逆に合わさりながら、不完全にも
復活した
同じ
その途中、
そして新たに現れた未来のユグナリスに魂内部に介在する負の感情が刺激されると、今度はそちらを襲い始めた。
復活しながらもアルトリアの抱く負の感情に思考を染めている
手に負えない巨大な力を持つ二人が暴走している状況を知ったマギルスは、
そして自身の魔力で展開する
「――……お兄さん! アレ、
「
「よく分かんないけど、復活しちゃったみたい! お兄さんだけで、
「君はっ!?」
「僕は、ちょっとおじさんのところに行って来る――……うわっ!?」
「ッ!!」
『器』となっていたリエスティアが既に
それを伝えたマギルスは暴走し始めているエリクの場所まで向かおうとした瞬間、二人の周囲に大多数の属性魔力を宿した球体が出現した。
それは
すると様々な属性が交じり合う光が
転移魔法を使えない二人は、その爆発を上回る速力で
そして密集した状況を防ぐ為に違う方向へ別れると、マギルスは
それを逃さぬように
すると今まで逃げ続けていた状況から転じるように、未来のユグナリスは『生命の火』を纏いながら逆に接近しようと試みていた。
「!」
急旋回して迫る未来のユグナリスに赤い瞳を向けた
それは未来のユグナリスに命中したが、その身に纏う『生命の火』によって魔力で形成された水を瞬く間に蒸発して見せた。
そして
「ッ!!」
「――……リエスティアッ!! ……いや、そこに
障壁すらも突破し
するとその声を聞いた
しかし持ち手を素早く変えながら両拳を抑え込んだ未来のユグナリスは、『生命の火』を全開にしながら
「攻撃して来るのは、俺を嫌いだからだろう! アルトリアッ!!」
「……ッ!!」
「俺も、お前の事なんか嫌いだけど……でも、これだけは言わせてくれっ!! ――……ありがとう!」
「!」
「この
過酷な
それに対して僅かな動揺を示す
「だから俺は、そこに
「……ッ!!」
「俺の『
『――……』
表情を強張らせながら動揺する
するとその赤い光が『生命の火』に溶け込み混ざり、勢いを増した炎が
そうして『生命の火』を伝いながら、聖紋から放たれる赤い光が
逆に未来のユグナリスが扱うケイルの肉体から、『赤』の
そして『生命の火』が
それからしばらくすると、土埃の中から一つの影が動き始める。
それは
「――……なんだ、ここ……。……アタシに、いったい……何が……?」
土埃で視界が悪く、更に見覚えの無い森の中で目覚めたケイルは、
そして右足を動かしながら後退ろうとすると、何かに踵を取られて姿勢を崩しながら尻を地面に着く形で転んだ。
「うおっ! ……クッソ、なんだよ……!?」
自身の足を引っ掛けた何かが分からず、ケイルは右手を這わせながら土埃の中を探る。
すると人肌のような触感を右手に感じ取り、ケイルは土埃の中を凝視しながらそこに倒れている
「これは、人間の足……? ……おい、この顔……もしかしてクロエか……!?」
「……」
「いや、でも髪の色が違う。それに、耳が尖がってるし……。……息はしてる。気絶してるだけか?」
「……」
「エリクやマギルスは……えっ、なんだよあれ……!? ……アタシ、何処にいるんだよっ!?」
ケイルはここまで起きた状況が分からず、また目の前に居る
更に目の前に見える巨大な大樹が『マナの樹』である事も理解できぬまま、周囲にエリクとマギルスがいないかを目で探し始めた。
こうしてケイルを依り代としていた未来のユグナリスは、
それを知らされぬまま意識を戻したケイルは、自身の右手から『
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