第119話 ホロロ(雪)さんとの約束 (プディ視点)

 幸太郎の家に入りリビングの床に比奈ちゃんが私が入っているカゴバッグを置いた。


 カゴバッグ。この中に入るのは狭くて牢獄に入っている様で嫌だけど、この星では移動に鉄の塊、車というモノを使っている。


 だから比奈ちゃんも、私が自由に行き来する事を危ないと思っているんだと思う。



 現に一緒にこの星に降りた数人の仲間も、始めは苦労したと聞いた。

 

 私はすぐに比奈ちゃんに目をつけ、上手く拾ってもらえたから、そんなに苦労していないのだけど......。



 比奈ちゃんがゆっくりとカゴバッグの鍵を開けてくれた。

 私は比奈ちゃんのカゴバッグから出て、ゆっくり大きく息を吸い込んだ。


 広い所に出るとやはり解放された気分になるものね。


 あの日から、比奈ちゃんは頻繁に幸太郎の家にお邪魔する様になり、私も一緒に連れられて来ているのだけど、ホロの様子が少し変なのよね。


 あの日から久しぶりに幸太郎の家に来た初日は、なんだか、何かを聞きたそうに何度も私を見ていたし。

 

 と言って何か聞いてくる訳でもない。




 

 ......。


 ホロロ(雪)さんが父の使いのモノではないと分かって(正確には今は違うという事だけど)あれからも、ホロロさんと数回、連絡を取り合っている。


 色々と情報が交換できる様になったからかなり便利になった。


 始めはお互い敵同士だと思っていたから探り探りで中々前に進めなかったけど......。



 ホロロさんの目的は連れ去られてしまった弟さんを探す事、そして、ホロの安全を守る事らしい。



 私の詳しい目的はまだ言っていないけど、お互いに妥協しながら、私とホロロ(雪)さんは協力し合う事にしたのだ。



 まあ、ホロを巻き込まない事が条件と言われたんだけどね......。




 ホロ、あの時、ホロロ(雪)さんが抑制剤を飲ませたのよね?





 それにしてはなんだか、パワーが増している様な気がするのは気のせいかしら?


 お腹はぺちゃんこになったけど......。

 


 私は中でウトウトしているホロのケージに近づいた。


 ホロからはホワホワと柔らかい光のオーラが出てしまっている。

 



 ホロロ(雪)さん、ホロの事を詳しく教えてくれなかったけど結局、ホロはナニモノなのかしら?


 私達と同族でないのなら......。


 ホロロ(雪)さんは現在、人間の姿だし、もしかして......。


 


 ケージの中のホロは眠そうに目を擦った後、その右前足をペロペロと舐めていた。


 気怠そうな感じがちょっと妖しく色っぽくも見える。


 パワーが増すと私達の星では魅力も増すのだ。




 そんなホロのケージの前ではデンちゃんが相変わらず居座っている。


 デンちゃんももしかして、ホロの魅力に惹かれて夢中になっているのかしら?


 そうじゃなくても元々、デンちゃんはホロが大好きだったしね。


 まあ、デンちゃんは何も考えてなさそうだけど......。




 私と目が合うと嬉しそうにデンちゃんが飛び起きてブンブンに尻尾を振っている。


『ニャンナーオ(眠たそうね)』


 私はデンちゃんは放っておいて、ホロにそう声をかけた。


 私に気づいたホロは大きく欠伸をした後、身体を伸ばしてこちらに近づいてきた。



 巻き込まない様にか......。



 今更よね......。



 ホロから出ているオーラを見た後、私はデンちゃんの呑気にはしゃぐ姿を見て現実逃避をした。

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