第48話 起きない、ホロ(幸太郎視点)

 チュン チュン チュン



 雀の鳴く声とカーテンから漏れる光で目が覚めた。

 今日もココで寝てしまった。



 痛い。




 自分の頬を触ると縦に一本、跡がついていると感じた。


 ケージの前から起き上がった俺はスヤスヤと眠っているホロを優しく撫でた。




 いつもは今ぐらいの時間には目を覚ます。




 だけど、今日はまだ眠り続けている。




 昨夜は少し寝言を言っていたが大きくうなされてはいなかったから、もうちょっとしたら起きるだろう。



 俺は、いつもと変わらない日常だろうと思い洗面所に顔を洗いに行った。



 顔を洗いながら目の前の鏡を見る。



 しっかり跡がついてしまったな……。


 消えるのに時間がかかりそうなくらいくっきりだ。




 それにしても昨日は驚いたな……。



『別にいいですよ』



 なんて素っ気なく返信してしまったが、


 雪さんに嫌な男と思われただろうか?





 雪さん……。




 俺の事、覚えててくれたんだな……。


 雪さんも動物好きなのかな?





 だけど俺は女子二人を家に向かい入れられるほどコミュニケーション能力は高くない。




 よし、雪さんたちが来る時には高志も呼ぼう。



 俺は高志にメールを送った。


 高志からは二つ返事で返信が届いた。



 まあ、高志は女の子大好きだもんな。


 高志が居れば間は持つだろう。





 俺はそんなことを考えながら寝癖を整えた後、再びケージの前に立った。





 いつもならホロはこの時間には起きているのにまだ寝ている。



 プディが心配そうにホロの側により匂いを嗅いでいる。





 まあ猫だし、眠たい時もあるのかな?




 そう思い、仕事部屋に向かった。









 数時間後再び、一休みする為、リビングの扉を開けた。



 仕事部屋に入る前にホロ達が動き回れるようにケージは開けておいたのだが、




 ホロの居場所が、先程とほとんど変わっていない。



 プディ―も心配そうに見ているし、狭いケージの中にデンまで入り込んで心配そうにホロを見ている。




 置いていたご飯は無くなってはいるが……。




 デンが食べたかもしれない。




 俺は心配でスマホで検索をした。




【寝てばかりいる猫】



 猫は子猫の場合通常、13時間から20時間寝ていたりする。



 と書いてあった。






 少しほっとした俺はいつものようにソファーに座り本を読み始めた。





 デンとプディはホロの側から離れない。





 数分後やはり、俺はホロの前に座りホロの顔を覗き込んでいた。






 ホロ、ただ寝ているだけかもしれないけどホロ……。




 起きて、素っ気なくても良いから起きて鳴いてくれよ。




 ホロ?




 いつも通り暢気に寝ているだけだよな?



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