デルギ・ハンの大叛乱―皇孫アリンの復讐―

作者 辰井圭斗

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★★★ Excellent!!!

既にたくさんのレビューがついている本作ですが、それでもレビューを書かずにはいられないという作品はあるものでして、本作は私にとってまさにそんな作品です。

中国清朝をモデルにしたという架空の歴史物語である本作は、そこに登場する人物は主役をはじめとしてそのいずれもが濃い!生き生きとしてる!簡潔過ぎるようにも思える筆致によって、各々の人生が余すところなく描き出されています。見慣れない単語のオンパレードだとしても、そんなこと全く気にならない。その過不足ない筆運びのお陰で読者は十万字超を読み終えるのもあっという間でしょうし、物書きを志す者にも大いに参考になるでしょう。

私自身が史実架空を問わず、こういう歴史を描くことに憧れてきた身としては、かなり打ちのめされました。壮大さと疾走感の両方を併せ持った作品とはそうそうお目にかかれるものではないと思います。

年の瀬にこの作品を読むことが出来たのは幸運でした。この幸運を是非皆様にお裾分けせずにはいられず、レビューを書きました。このレビューを目にされた方には、是非一度でも本作を読むことを強くおススメします。

★★★ Excellent!!!

非常にスケールの大きな戦記でありながら、文庫本一冊分に相当する10万文字に収めた本作は群像劇の傑作と呼ぶに値するものである。
1話読んで数ヶ月放置してしまったが、続きを読みはじめたら、たった一日で読みきるほど引き込まれてしまった。

この歴史絵巻を書き記した作者の優れた筆致に驚嘆する。
何人もの人物が登場しては退場していく。しかも、誰一人無駄な人物はいない。
彼ら、彼女らは多かれ少なかれ『デルギ・ハン』アリンの生き様に影響を与えているからである。
非常に密度の濃い、しかし、奇をてらわずつくろわず丹念に記された伝記である。

『デルギ・ハン』アリンの覇道は何を残したのか。ここでは触れない。
最終話を読み終えた読者一人ひとりのなかに、彼の生き様に「立ち会った」感慨が残ることは疑いないであろう。

★★★ Excellent!!!

大河とは文字通り、大きな、長い河です。小説において大河を成すには、およそ膨大な情報が必要になるでしょう。
本作はそれを10万字という、ともすれば文庫本一冊にも満たない(こともある)量で、流れゆく人の様と、一つの国の趨勢を描き切りました。
この物語は異世界ファンタジーとしてカテゴライズされていますが、ジャンルとしては歴史系統に近いと思います。そしてまずもって私は、時代考証だとか、歴史学だとかそういった物についての知識はあまり持ち合わせてはおりません。しかしそれでも、伝わるものは、たとえ情報を端的に絞っても伝わってくるものです。
私は、それこそ小説の可能性であると思います。

一点申し上げる部分があるとすれば、慣れ親しむには少々難しい熟語が並ぶ時がある、ということくらいでしょうか。ただ、そこがわからなかったとしても、本作を読むにあたって障害となる部分は感じませんでした。
また、タグにもあるとおりこの物語はダークファンタジーです。一時、明るみを見せる場面もありますが、基本的には重く暗いです。それゆえに人を選ぶ。これは間違いない部分でしょう。
それでもなお、一見の価値ありと感じたのです。

拙いレビュー、失礼いたしました。

★★★ Excellent!!!

かつて、これ程までに更新を待ち望んだ作品はなかった。
著者の辰井先生がTwitterで更新通知を配信されるたび、すぐさま本文へ向かう。そんな日々が続いている。
異様なまでの吸人力を持つこの作品。

「アリン」に出会い、第一話を読んだあの日。
冒頭の処刑台の場面から圧倒された。
振るわれる斧、跳ねるからだ、血飛沫。
読むだけで目の前に光景が広がる。
「冒頭から」だ。こんな作品は今までに読んだことがない。

貪るように公開分を一気に読み進めた。
そして、日々、更新を待つようになった。「アリン」を読むことは生活の一部になった。

単なる物語の主人公の成長譚ではない。ひとりの男の生き様が、現実のようにそこにある。恋焦がれるように、彼を追っているのだ。

間もなく物語は結末を迎えるそうだ。
彼を追うなら今しかない。

レビューなどとは恐れ多いが、結末の公開を共に迎える読者がより増えることを願って、感情のまま、ここに記す。

★★★ Excellent!!!

遊牧民族と原住民。二つの民族がせめぎ合いながらも一つの形を成している帝国。
この作品はその帝国を舞台に、帝王の血を持ちながらも政争により親族の悉くを殺された少年が紡ぐ、血塗られた復讐劇である。

親族の処刑を命じた仇を前にして平然と臣下の礼をとるこの少年は、胆力のみならず智に富み、武をも兼ね備える。

そんな人物が復讐を決意するとどうなるのか──本作はそれを鋭く端的に、しかし豊かな情動をもって描き出す。

無垢で幼くありながら真っ直ぐに育つ少年の従弟に、清濁併せ呑み帝国のために尽くさんとする少年の従姉、仕える帝王が嫌いだと言って憚らない守護将軍。
登場する人物たちは皆魅力にあふれ、読む者の心を鷲掴みにして物語の中へと引きずり込む。

このカクヨムで灰色の世界を目で見て肌で感じたいならば、本作は間違いなく必読であろう。

★★★ Excellent!!!


 混ざり合った文化と猛々しい戦の匂いに、広大な版図でもって世界に名を轟かせた中国王朝を彷彿とさせる世界観。
 歴史好きなら堪らないような魅力溢れる社会を下敷きとし、物語は皇孫アリンが父や兄ら大切なものを奪われた悲劇を開幕の狼煙として動きだす。
 武力知力、そして精神力の全てにおいて英雄の器を持った少年は、命を狙われながらも一つの想いを決意した。




 まだまだ序章っぽいですが…面白い作品の要素をきっちり備えた、名作の予感燻るお話です。
 アリンが末恐ろしい。この先が楽しみでなりません。

★★ Very Good!!

アニメなり、西洋が舞台…というかベースになる事が多いように思う今、単純に自分がそう言うモノばかり見ているという事もあるが、アジア圏がベースになっているのか、この作品は新鮮に感じられて良い。

先代が偉大だと、その後継の問題は付き物。
そんなお家騒動のような権力争いが終わった後のような状態から始まるこの作品。
色々と闇を抱えていそうな感じを受ける中、敵になる現皇の叔父もなかなかに見る所は見ている…、まぁ当然と言えば当然、主人公の中々な立ち振る舞いに、年齢不相応のソレが何故なのか気になる所。
慎重さも感じさせる叔父さん、正直自分は嫌いじゃない。

まぁ表の部分を見た叔父さんへ好意だが、作品を読み進め、その腹に抱えているモノに興味がある所だ。

★★★ Excellent!!!

普段、読解力を意識することは少ないですが、作品を読みながらクオリティの高さに自身の読解力が追いついていないことを実感しました。

読み始めた当初、西洋風のファンタジーに慣れていて場面想起が上手く出来なかったので、漫画キングダム風の世界をイメージしたところ、場面が思い浮かべやすくなりました(個人的な主観です)。

読み手なら充実した読書タイム、書き手なら執筆の参考になると思います。
カクヨムでは見かけることの少ない本格派の小説だと感じました。

★★★ Excellent!!!

この作品は注目されるべきでしょう。

ネット上には数少ない、本物の『小説』ですもの。

語彙が豊富で、情感も豊か。

まだまだ、冒頭も冒頭ですが、明らかに名作の予感がします。
この時点でも、様々な情動に心が揺さぶられました。

可能ならば最低でも、星5つ付けたい作品です。

★★★ Excellent!!!

まだ第1話ですが、それでも本作の魅力はガツンと伝わってくる。
暗く、重く、まるで救いがないような。
そんな中でヒシヒシと伝わってくるのが、主人公アリンの、ある種の“異常さ”――。
絶望的とも言える状況の中、果たして、ここからどのような復讐劇が始まるのか。
目が離せない作品です!