第11話 スキルレベル2

「ここか」



 俺は次の階層へつながる階段を見つけた。金山さんの言う通り、不自然な窪みがあったのですぐに分かった。

 階段を降りる。思っていたよりも長い。三十路にこの階段は中々にキツイ。降りる方が筋肉を使うというのは本当なんだな。



「着いた! 扉?」



 階段を降りるとかなり狭いスペースに扉が一つだけ。他にそれらしいものもないので俺はその扉を戸惑うことなく開いた。

 そこには、1階層と同じ草原が広がっていた。階段を降りたっていうのに空が見える。どういう仕組みなんだ。



「岩とかも結構あるな……」



 1階層との違いは大きな岩があちこちにあること、段差が多いことの2つだろう。モンスターが前よりも隠れやすくなっている。奇襲を仕掛けられてもおかしくはない。



「まずは様子見だな……」



 俺は近くの岩に背中をぴったりとくっつけ、自分の体を隠しながら、前方を確認する。まるでドラマの銃撃戦のような行動だが、ふざけてるわけじゃない。



「いた……。呑気に何か食ってるな」



 俺は少し離れたところに1階層よりも大きめのスライムを見つけた。今度のスライムは口もしっかりあり、何かを食べているという事さえも分かった。

 ポケットから割りばし鉄砲2号を取り出し弾を装填する。



「ゆっくり、ゆっくり……」



 地面に体を這わせながらゆっくりとスライムに近づく。割りばし鉄砲の射程距離は短い。ある程度近づかなければ、ダメージを与えるどころか届きさえもしない。

 スライムを射程距離に入れることが出来た。俺は照準を合わせ、引き金に手をかける。毎回思うが本格的なスコープがあればどれだけ、仕留めやすいことか……。



「当たれ……」



 小さい声で呟き引き金を引いた。青い弾道はスライムの脳天に真っ直ぐ向かい。確実に捉えた。



「うそだろ!」



 スライムの体はいつもの様に爆散しない。少し吹っ飛ばされた程度である。俺は慌てて2発目を放つ。スライムはどこから攻撃されているのか戸惑っていたようで、難なく2発目も当たった。しかし、まだスライムは倒れない。



「ヤバい!」



 スライムと目が合った。段々と近づいてくる。こうなったらもうやけくそだ。

 俺は、再び弾を装填してスライム目掛けて引き金を引いた。スライムは流石に何度もその手は食わない。とでも言いたげに軽々と避ける。そして、体を自ら引っ張り、収縮する反動を使って体当たりを仕掛けてきた。この攻撃は1階層でも何度も見ている。



「その技は急には止められないだろ? なら恰好の的だ!」



 向かてくるスライムに向けてカウンターの要領で弾を撃ち込んだ。スライムの体当たりに勢いがなくなり、俺の目の前で落ちていった。

 今までのスライムは絶命すると形を残さなかったが、どうやらこいつはそうではないらしい。取り敢えずこいつも弾に変えよう。



『スキルレベルが上昇しました。作成できる銃の種類と扱える素材が増えました』



「なんだ? 今の……。スキルレベル?」



 スライムの体から弾を作成したら、いきなり頭の中に声が響いた。無機質な声、まるで機械で合成されているような……。



「まずは、確認か……」



 ポケットからカードを取り出す。久々に見ると少しだがレベルが上がっているようだった。それに……。



「ガンスミスレベル2……」



 俺の唯一のスキルのレベルが確かに上がっていた。俺は、スキルを確認する為、青色の輪ゴム? 割りばし鉄砲を手に持つ。実は1階層の時、試したがうんともすんとも言わなかったので断念していた事があったのだ。



「この2つで銃器作成クリエイトガン」



 俺は一般的な拳銃ハンドガンをイメージしながらスキルを発動するのだった。

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