13.村の衛兵ロードさん
僕たち一行は、遂にコルト村の門までやってきた。
僕にとっては、異世界にやってきて初めての村だけあって、ワクワクしている。
そんな僕たち一行を見付けて駆け寄ってきたのが、村の門で衛兵をしている、ロードという青年だった。
どうやら、ハシュードさんとは顔見知りのようだ。
そんなロード青年が僕に話しかけてきた。
「おっ、君は見ない顔だね。 ハシュードの隠し子か何かかい??」
「おいロード、やめてくれよ。 この子はそんなんじゃないって。 だいいち俺はまだ22だぞー。 この子はこれでも、もう18なんだぞ。 俺が4歳の時にどうやって隠し子を作れるって言うんだよ。」
「わりーわりー、冗談だよ冗談。 で、実際のところはどうなんだ?」
「んだよその何か含みがある言い方は。 この子は俺らの新しい仲間の、ハルトくんだ。 これでも魔法が使えるんだぞ! どうよ、凄いだろう!」
「ほーう、凄いなー! って、何でハシュードが自慢してんだよ? まあ、元気そうで何よりだよ。」
「お前こそ、元気にやっているようで安心したよ。」
うんうん、この二人結構仲が良いようだね。
再び僕に視線が移る。
あ、そうだ挨拶も何もしてないもんな。
「あ、ロードさん、初めまして。 僕はハルトって言います。 先日、ハシュードさんたちの仲間になったばかりですが、よろしくお願いします!!」
「よろしくな! 俺はこの村の門で衛兵をやっているから何かあったら言ってくれよな。 それと、冒険者ギルドの職員でもあるんだ。 まあ、本職はそっちで、その仕事の一つとして衛兵もやっているってわけだ。」
どうやら、僕のこの村での目的の、冒険者ギルドの職員だったようだ。
「実は僕、冒険者ギルドで冒険者登録をしたくて。」
「そうなのか。 そうだ、俺の紹介って事にしてくれないか? 案内してあげるからさ。 な?いいだろ?」
「ま、まあそのくらいなら・・・。」
「ロード、お前ってやつは、ったく。 まあ、こいつに手柄立ててやってくれ、案内してくれるみたいだし。 その間に俺らは、この村に久々に来たから、村の人たちに挨拶回りに行って来るから。 そのかし、ロード、ハルトくんを頼んだぞ。」
「分かりました!」
「おう、任せとき!」
こうして僕とロードさん、ハシュードさんとカイトというペアになって、一旦分かれる事になった。
「あ、そういえばロードさん。 門番は大丈夫なんですか?」
「お、いっけね、すっかり忘れてたな。 ちょっと待っときー、もう一人のやつに訳言って任せて来るから。」
おいおい、一番忘れちゃダメな事忘れてたよこの人。
それから少しして、ロードさんが戻って来た。
何とか、もう一人の衛兵との話が付いたようだ。
こうしてようやく、僕とロードさんは村の中に入って行った。
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