九情承太郎の「この映画を勧めるぜ」

２分の１の魔法 後編 全力で少年

　本作品を観賞し終えてから、後編に来ましたか？

　本当に？

　誰かに脅されて、無理矢理後編に進んでいなかい？　家族を人質に取られたとか？　高校時代に出した同人誌をネットで公表すると脅されたとか？

　本当に、観賞しました？

　本当に？

　しつこい？

　では、どうぞ。

　あんなに熱い展開になるとは思わなかった！

　魔法使いが単独で、ドラゴン・ゴーレムとラストバトルですよ！

　どれだけ規格外の無謀な戦いか、分かりますか？

　『ファンタジア』へのオマージュも含まれた、珠玉の戦闘シーンですよ。

　てっきりマンティコアのコーリーが大活躍して決めてくれると思い込んでいたのに、ラストバトルの序盤で退場するなんて（スピンオフが出来たら、頑張ってね）。

　R P G経験者なら、この興奮を分かってくれると思う。前衛がいない状態で、ドラゴン・ゴーレムと戦って勝つ訳ですよ。それも納得の勝ち筋で。

　観る前は「家族の絆、万歳」な内容になると警戒していたのですが、「冒険を経た主人公の成長」からテーマをぶらさずに、大団円に持って行きました、流石ピクサー、褒めるしかないわあ。

　この主人公イアンの成長の仕方も、好きですわ。

　魔法の使い方以上に、兄が自分に普段から何をしてくれていたかに気付くという成長の仕方に。それに気付いた瞬間、初めてイアンが、兄に対して愛のある恩返しをする訳ですよ、ドラゴン・ゴーレムと戦ってでも！

　もう、泣くわ、あそこ。

　で、父の方も、イアンがどんな犠牲を払ったかを承知しているからこそ、最後のハグをバーリーに託すという。

　泣くわ、もう。

　最後に。

　エンディングで流れるスキマスイッチの「全力少年」が、絶品。

　買ったわ、もう。