透明人間(2020年版)
透明人間(2020年版) 前編 全裸じゃないよ
よもやピンク・レディーの『透明人間』が、米国で映画化されようとは。
違うよ!
香取慎吾のテレビドラマ版とも、一切関係ありません。
今度の透明人間は、全裸になりません!
包帯も巻かない!
ギャグ抜き!
ノーコメディ!
シリアスなサスペンスホラーです。
劇場で広告を見た時は「うわあ、マミーで懲りずに、今度は透明人間かよ」とか舐めていましたが、製作がブラムハウス・プロダクションと聞いて目の色が変わりました。
『ゲット・アウト』を製作した会社の作品ですよ!
更に調べたら、監督・脚本が『ソウ』シリーズのリー・ワネルだし。
これは行かないとツイッターで速攻のネタバレを目撃して悔しい思いをするパターンだなと、公開日翌日には鑑賞しました。
主人公セシリア(エリザベス・モス)がD V恋人の家から脱出するシーンから始まりますが、この最中にD V恋人が「光学研究の第一人者」という情報を明かされた段階で、『攻殻機動隊』を見た事がある人は「ああ、光学迷彩で透明になるのか」と察してしまうのですが(笑)、そこは決め付けずに、素直に観賞。
『ソウ』みたいに、すんごいドンデン返しがあるかもしれないし。
悪魔と契約して透明化の能力を得たとか、プレデターを倒して装備を勝ち取ったとか、色々可能性があるし。
全部、セシリアの妄想かもしれないし。
その線を物語の中盤まで捨て切れない程に、エリザベス・モスの演技が、半端無いです。
この作品の透明人間は、完全に「姿が全く何も見えない存在」として演出されていますので、他作品のように透明化した人間の輪郭が少し滲んでいたり、目だけチラリと見えたりとか、一切無いです。透明人間の主観映像も無いので、前半は「ひょっとすると、狂ったセシリアの妄想」という可能性も含んだサスペンスとして進行します。
まあ題名通りに、犯人は透明人間ですけどね。
カメラワークと、エリザベス・モスの演技力で、透明人間の存在感を観客に思い知らせてくれます。究極のパントマイムというか、俳優の演技力でここまで物理的圧力を感じるなんて。どえらい役者に成長してしまった。この作品でアカデミー賞主演女優賞受賞も有り得ます。
透明人間から、とにかく迷惑をかけられまくりますから。しかも周囲は、「犯人は透明人間」という話を信じてくれない。その心労を、余す事なく演技で表現する訳で、製作費を全てエリザベス・モスに払っても良いくらいのグッジョブですよ。
後編はネタバレを含みますので、作品を観賞してから、お願いします。
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