ミッドサマー 後編 ファイナル・アンサー?

 まさかのハッピーエンドですよ。

 主人公ダニーに慇懃無礼な態度を取っていた連中が全員死亡して、ダニーの満面の笑顔で映画のフィニッシュですから、ハッピーエンドです。

 あの祭に二次会があったら別ですけど。

 ありそうだなあ、二次会。

 ウィキペディアを調べたら、ディレクターズ・カット版もあるし。

 たぶん、熊さん以外の解体シーンも、ディレクターズ・カット版では盛り込んでいるかも。

 やたらと身軽になっている供物も多かったし。


 前作『へレディタリー 継承』でも、壊れた遺体をモロに大画面で見せる作風でしたが、今回も強烈。

 崖から飛び降りて顔面が砕けた老婆や、ハンマーでトドメを刺されたイケメン爺さんのドアップなんて、並の監督なら避けていますよ。映しても一瞬だけ。

 それでも公開可能なのは、他にもショッキングな映像が有り過ぎて、審査する方が麻痺するんだよ、きっと(笑)

 初期マスター版は公開版より一時間半以上あるとか。削らなきゃ公開出来ないようなシーンが、それだけ存在する訳で。

 公開しても良いと思うけどなあ、ハッピーエンドだし。

 やはり二次会があるのかも(笑)



 先祖を祀る大木に立ち小便したマークの殺され方が強烈過ぎて、ここは逆に怖がれなかったというか。

 くり抜かれた目に花がアレンジされていた姿に、「ぱにぽに」のオープニングを思い出しちゃった人は氷川へきる先生だけではあるまい。

 行方不明者が出た直後のミートパイの方が怖いよね、この作風だと。



 ジョシュの足が一本だけ、地面から伸びているシーン。

 アリ監督は「ここで両足にすれば『犬神家かよ!?』のツッコミが狙えるぜ。…いや、やり過ぎか。片足だけにしよう」と悩んだのか悩まなかったのか、知りたい。

 つーか、あの段階でもう、村人が殺人を隠さなくなったのは絶対的優位を確信したからなのか、手を下した犯人が雑だったせいか。

 隠さないか、もう二人しか部外者が残っていないし。どちらもスティーブン・セガールではないし。

 

 供物に外部からの自殺志願者が二人もいるって筋書、凄いな。

 カルトな風習の根強い村でも、世界の多様化に順応しているという設定。

 まだまだ引出し多そうだな、アリ・アスター監督。


 あのハッピーエンドを見ると、女性客が多かったのも納得。リピーターかも。

 失恋を克服する話だからね。意外とスカッとしますよ。倦怠期のカップルにはオススメしないけど(笑)



 この作品で唯一残念なのは、パンフレットが売り切れていた事! 二日で売り切れるなんて、「アイズワイドシャット」以来だよ!

 アマゾンでは数倍の値段が付いているし。

 再販希望。

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