第83話 聖水
「活躍できると思ったのだけど・・・ゴーストじゃマシンガンも役立たずか。
これからは霊体との戦いも考えないとな・・・・何かいい方法ないかな」
「聖水なら霊体やアンデットに対しても効き目があるんじゃないか? そうですよね。アレックスさん」
智弘が尋ねる
「そうですね。聖水なら確実にダメージを与えられると思います」
「教会に寄るべきだったな。一本いくらぐらいするものですか?」
アレックスさんに尋ねると。
「教会で売っている聖水より・・・・・・」
「教会で売っている聖水より? 続きは?」
とアレックスさんに聞くがどうも歯切れが悪い。
「教会のモノよりも・・・・・・」
とアレックスさんが言うと手招きをして俺の耳元で
「聖女様のお○×■△・・・・・」
声が段々小さくなってしまった。
「聞こえないですよ。もっとはっきり言って下さい」
「聖女様のお小水のほうが効き目があります」
「エッ!? ションベン? 将太の?」
というと赤い顔をしながらコクッと頷く。
アレックスさん、可愛いです。
将太のほうを振り向くと
エッ! という顔をしている。
「教会で売っている安い聖水はあまり効き目が無いのです。
高いモノは聖女様の・・・・・を薄めて使っているという話を聞きました。
原液ならリッチにも効くという話を聞いたことがあります」
「えっ!アレックスさん、本当ですか?」
「
遺跡調査のときお清めのために使うのですが安いヤツはあまり効果が無く、高いモノは一度撒くとゾンビやゴーストなどしばらく寄って来なくなりました」
「そうか~ よし!将太、ツレションだ! 行くぞ!」
「え、え~~~ 何言っているの!! 嫌だよ。僕!! 恥ずかしいじゃない!」
「恥ずかしがっている場合じゃないだろ!」
「だって僕、今、女の子の体なんだよ。昔みたいに連れ立ってトイレなんていけないよ」
「じゃ~すまん、七海一緒に行ってやってくれ」
「えっ、わ、わ、私!? 緑山君の・・・・・・私は危ないでしょ、だって緑山君の・・・・・」
「・・・・・・ってなぁに? 声が小さくて聞えなかったよ」
「もう、白田君、意地悪すぎる!」
と少しむくれながらプイっと顔をそむけた。
「そうだよ!アオ君、ハルフェルナに来て性格悪くなった!前はこんな意地悪しなかったもん!」
「美少女になった将太を苛めるのが唯一の楽しみなんだから」
「もう。ホント、ドS!!」
「ホント、白田君ってSなのね」
「碧さん、聖女様に対しても情け容赦ないのですね」
ヤ、ヤ、ヤバイ。俺、非難轟々!ここは上手く誤魔化さなくては!
「マジな話、将太の聖水はこれから必要になると思うんだ」
と智弘の顔を伺いながら話を振っておこう。
「確かにそうだな。碧の言うことは正しいと思う。
俺、碧、七海はゴースト系に対抗できる手段持ってないからな。
将太のションベンが有効なら活用するべきだな」
「ええええええーーーー」
智弘にまで言われて将太は諦めた顔をした。
マジカルランドセルから洗面器を取り出し将太に手渡すと洗面器を片手に聖水を溜めるためにしぶしぶ一人離れたのだった。
「薄めるのは水で良いのですか?」
「たぶん綺麗な水なら良いと思うですけど」
シュピーーーン!?
俺は閃いた!
「ちょっと思ったんだけどさぁ~
薄める水って将太の入った風呂の残り湯で薄めれば効果が上がるんじゃないか?」
ブッ!
ブーー
智弘と則之が吹き出した。
へっ!
えっ!?
という顔で七海とアレックスさんは俺の顔を見るのだった。
えっ? ちょ、ちょ、ちょっとその変な物を見る目で見ないでください。
変な性癖に目覚めそうです。
そこへ将太が戻ってきた。
恥ずかしそうに洗面器を差し出し。
「取ってきたよ。これでいい?」
と真っ赤な顔をしながら少し怒った様に。
智弘が将太に耳打ちをした。
多分、風呂の残り湯のことだろう。
将太は洗面器を両手で持ちながら
「もう。お嫁にいけない!! アオ君、責任とってね!! 絶対だからね!!!」
女の子座りをしながら泣き声で言った。
身も心も女体化してしまったようだ。
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