第64話 女神様3点グッズ・・・・これはいい物だ!


昼食後、ガルメニアの斥候部隊が偵察&ちょっかいを出しにやって来た。

それをヘルムートさんたち騎士団が撃退したようだった。

また、昨日のような規模の侵攻があるのだろうか?

それとも大部隊を率いた侵攻。


俺たちが一番恐れているのはクラスメイトたちを使った侵攻作戦だ。

山中たちのように率先してガルメニアに与する者が他にもいないとは限らないし、西原のような呪いのアイテムで狂人化した物が襲ってくるかもしれない。

そうなったらクラスメイト達を殺すのは俺の役目なのだろう。

いや、役目と言うより則之や智弘たちにクラスメイトを殺すような役目を負わせたくない。

俺はもうクラスメイトを一人殺めてしまっている。


こんな不愉快な事をするのは俺一人で充分なのだ・・・・・


こんな事を考え続けているわけにもいかない。

俺の仕事をしなくては。




重労働のはずの夕飯の支度が楽しい。

女神様が贈ってくれた魔道コンロ、タナニウムのプレート、特大中華鍋を早く使ってみたくてウズウズしている自分がいる。

今までに無い大量の贈り物だウズウズしないほうがおかしいだろう。


まずは『伸縮自在・調理時間半分以下・この世界に1台しか無い3口魔道コンロ×4』を紹介しよう!!

魔道コンロは我々の世界で言うガスコンロ部だけではなくキッチンにある収納庫として利用できる下の部分も付いているのでわざわざ足になる部分を用意しなくても済む。

我々の世界と同じでスイッチを捻るだけで着火する。

1台に3のコンロ部分があり、すべてのコンロの火力が大でスイッチの下に細かい火力を調節できるレバーが付いている。

もちろん魚を焼くときに使うグリル部分もある。

なんとこの魔道コンロの優れた点はコンロの一つずつ外すことができる。

燃料となる魔石を一度セットすれば1年以上は交換しなくて良い


凄いぜ!女神様!!



次は『超特大・焼きたいときだけ素早く焼けて普通は熱を通さない頑丈なタナニウム・プレート』だ!!

なんか良く分からない日本語なのですが・・・・・

透き通った紺色をしているのだが・・・・・調理器具に紺色ってどうなの?食欲が減退するような気がするのだが。

ツッコミどころ満載なのですが・・・・ツッコンだら負けなのだろう。


この透き通った紺色って、女神の間に合ったタナ様の大剣と同じモノが使われているんじゃないか?

だとしたら強度も半端ないくらいありそう。

神剣と同じ素材のモノで調理器具ってどうなのでしょうか?


あぁ~ツッコミを入れたら負けだ。



これこそ楯になるんじゃないか?

サイズも縦1.5m横50cmという超巨大サイズ。これなら体のすべてを隠すことができる。

しかも重さは1kgあるかないかという軽さ。

理想的ではないか。


さすが!女神様!!



最後は『投げれば戻ってくる超特大中華鍋取って付き』を。

そもそも、なぜ中華鍋を投げなくてはいけないかは微妙なところだが先の俺の戦いを見ていたからだと思う。

直径1mほどもある特大サイズなのだが重さはこれも1kgもない。

試しに軽く投げてみた。


ブンッ!ブンッ!ブン!


という音を発しながら100mほど飛んで行きしっかり戻ってくるではないか。

中華鍋のブーメラン!

俺は武芸などのスキルは無いが力、体力、HPは無駄に高い。

素の攻撃力が高い! すなわち力も常人を遥かに凌駕するレベルである。

だから軽く投げて100mの飛距離がでたのだろう。

まぐろ君で鎧を貫通させたのも、この無駄な馬鹿力のおかげだろう。

なぜ、中華鍋を投げなくてはいけないのかというツッコミは野暮ってもんだ。


試しに近くにあった木に投げてみた。


ブンッ!ブンッ!ブン!


ドゴン!


木に命中したら下に落ちるのかと思ったら木をなぎ倒し戻ってくる。

さすが色々な意味でファンタジーな武器だが、これはこれで良いものではないか。

先の戦いで中華鍋をぶん投げたのを見て武芸スキルも魔法もない俺のために女神様はこの特大中華鍋を贈ってくれたに違いない。


最高だぜ!女神様!!


調理器具を武器代わりに使うのは罰当たりという気もしないでもないが神様が贈ってくれたのだから問題無いということでスルーしておこう。

この鍋は『中華君』と名づけることにした。


夜のメニューはカレー、八宝菜、焼き肉、サラダにした。

ネーナさんに魚の仕入れをお願いしたが予想通り、ナミラーは内陸にあるため戦時下になれば入荷は難しいとのことだ。




さて、コンロに火をいれ調理を始める。

コンロに寸胴を並べ洗った米を入れ炊く。

沸騰する時間が明らかに早い。

米を炊くとき早く沸騰すれば良いと言うものでは無いので時間を調節する。

炊き上がり、ネーナさんにお願いしておいたお櫃にご飯を移し変える。

速攻で寸胴を洗いカレーのルーの製作に取り掛かる。

寸胴に100Lの水を入れ野菜も一緒に入れて沸騰させるのだが5分も掛からずに沸騰する。

驚異的な早さだ。これなら調理時間の短縮になる。

タナニウム・プレートも熱の伝導率が高く素早く焼ける。

神剣と同じ物質で焼肉を焼く俺って・・・・・凄くシュールなんですけど。


そして中華君も良い働きをしてくれる。

以前使っていた中華鍋は10人前しか作れなかったが中華君はなんと一度に50人前を作ることができる。

素晴らしい。これで負担がグッと減る。

が10回は作らないといけない・・・・・・・


さすがに500人前を作るのは骨が折れる。

配膳は騎士団とお手伝いの人にお願いして休む事にした。

女神様のおかげで調理時間は半分以下に短縮された。

でも、これがまだ後数日続くのだ・・・・・・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る