第2章 第35話 仲間たち

 ドラゴンvs4人の結果、中々いい所までいったねぇ。

 4人はかなりの怪我をして、ドラゴンもかなりのダメージを食らった。

 これ以上やるとタダじゃ済みそうに無いから止めた。

 これでドラゴン対策をしたら、次は勝つだろうねぇ。


「リア、魔法を連発するのは良いが、意地になり過ぎだ。もう少し仲間に目を向けな」


「は、はい」


 地面にへたり込んでいるが、目は死んでいない。

 次は勝つって目だよ、これは。


「アズベル、お前は逆にリアとエバンスを気にし過ぎだ。お前という戦力が活かされていないよ」


「お、おう」


 大の字で寝転がっている。一番動き回っていたからねぇ、いくら体力があっても相手はドラゴン、消耗も半端ないさね。


「ベネット、常にドラゴンの死角を狙うのは良いが、魔法の射線を意識しろ。何回か邪魔をしていたよ」


「え、ええ」


 足を伸ばして地面に座り、後ろに手をついて空を仰いでいる。

 

「エバンス、攻撃一辺倒なリアのフォローお疲れ。しかしフォローし過ぎると成長しなくなる。もう少し放置しな」


「う、う~」


 うつ伏せで倒れている。何度かMP切れをしていたようだね、一番苦しいのはこいつだ。


「チャコ、お疲れ様。どうだい? こいつらは。うんうん、ほっほ~、そうかいそうかい」


 こいつらの成長が早いのは知っていたが、ここまで来たか。

 暢気のんきに構えてたら追い越されちまうかもしれないねぇ。


「おいアニタ! 見ていたね、いずれお前も戦うんだ、しっかり復習しときな!」


「りょ、了解であります!」


 離れたところでビクビクしながら見てたよ、あの子は。


「お、おい、ドラゴンは何て言ったんだ?」


「私も知りたいです」


 4人が目を輝かせて見ているねぇ……どうするかな。


「秘密だよ」


 えーっという声が響き渡る。

 言えるわけないだろ? 実はバテバテであと数回攻撃を食らったら倒れてた、なんて。

 この分だと次は間違いなく4人で倒しちまうね。

 次はナイトメアと飛龍も追加して戦わせようかねぇ……ん?


「おいお前ら! なに集まってんだい、見世物じゃないんだ、とっとと散りな!!」


 見物客が沢山いたねぇ。

 遠巻きに見ているのは良いが、冒険者や兵士は随分近くにいたようだ。

 戦いに巻き込まれて死にたいのかね。


「さ、そろそろ腹が減ったからメシにするよ」


 太陽が1番高い所にある時間だ。

 何を食べようかね。


「すみませんルリ子さん。私、このまま外周を走ってきます!」


「なに? メシも食わずに走るのかい?」


「はい。多分1日かからずに走り切れると思いますので、夕食までには帰ります!」


 そう言って走ってい行ったよ。

 まだそんな体力が残っていたのか、王都の外周をまわるのも随分と楽になったようだね。


「それじゃあお前たちはメシ……まったく」


 3人はリアの後を付いて走って行った。


「アニタ、4人に付いて行きな。フル装備でいけ」


「そう来ると思ってました! じゃあ行ってくるネ!」


 すでに装備を装着していたアニタが走っていく。

 やる気があるねぇ。

 アタシはのんびりとメシを食っているよ。




 メシを食いながら、次の事を考えている。

 ドラゴンをタイマンで倒せるようになったら、いよいよアタシらの出番だね。

 戦闘系ならドラゴンはタイマンでも楽勝、3匹でもアタシ、ユグドラ、番長は楽勝、メイアは厳しいかな。

 しずかとディータは戦闘向きじゃないが、ドラゴン1匹なら何とかなるだろう。


 そうだねぇ……あまりノンビリとはしてられないからねぇ……少し早いが作っておくか。


 キャラクターチェンジ

  ユグドラ

  ルリ子

 ⇒しずか

  番長

  ディータ

  メイア

 ◆ ルリ子 ⇒ しずか ◆


 体が薄く光り、自分の姿がゆっくりと変わっていく。


 黒いショートパンツと黒いストッキング、白い長そでシャツに茶色のチョッキ。前髪は切りそろえられ、首の後ろで髪を雑にまとめています。


 では鍛冶屋へ参りましょう。

 材料は手持ちが少なくなったので、生地を補充しておきます。

 鎧は作れますが、マントなり上着なりを作って魔法効果を付与すれば、多少でも底上げになります。


 3人の鎧を作り、マントや上着、靴はどうしましょうか。

 色々デザインを考えていると、久しぶりに見知った顔が現れました。


「こんにちわぁ~、しずかおひさしぶりぃ~」


「いよっ、元気にやってっか?」


「お久しぶりです。私は相変わらず元気ですが、あなた方も元気そうですね」


「ええ、元気にしているわ」

 

「元気過ぎて武器の調子が悪いんだ、お手入れよっろしくう!」


 が武器や防具を渡してきました。

 なるほど見れば分かります、かなりの修羅場をくぐり抜けたようですね。

 以前武器は魔法効果付きの物を渡しましたが、そろそろ追加でアイテムを渡してもいいでしょう。


「しずかさーん! しずかさーん! ここ! ここの意味がわからないんですー!」


 次は魔法ですか、忙しいですね。


「ここにしずかさんが居るのかのぅ?」


「冒険者ギルドで聞いたのじゃ、間違いないわい」


「ジジー共ウルサイぞ。いい加減隠居しろ」


 懐かしい人たちがたくさん訪れる日ですね。

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