第100話 お出迎え?
魔獣にやられてもその場で生き返るってのは多分死に戻りだろ。ただ、普通は復活拠点に死に戻るはずなのにその場で生き返るってのがなぁ。
ああ、でもレハパパの防衛戦でも簡易スポットみたいなのがあったな。となると何らかのアイテムの効果か?
「それでどうするんだい、大将」
うーん、どうしようかね。
「ラクィーサ様のお話ですと、それほど脅威は無さそうとのことですが」
「ああ、大将よりもはるかに弱っちいし、そもそもこの街を目指してる感じでもないからね」
ラクィーサさん、さっきから連呼してる弱っちいの言葉が地味心に突き刺さるんですが。
「ですが目的が不明というのはいささか不気味ですね。本当に漂流ならば目的も何もないのでしょうが……」
セリスさんの心配はもっともだ。漂流に見せかけて、何らかの悪事を企んでる奴だったてのは勘弁してほしいところだが。
「どうだろうね。上がってくる報告を聞く限りだと、ただの大将とはまた違った馬鹿みたいだけど」
「My Lordとはまた違った馬鹿……それはまた面倒な奴ね」
痛い、なんか今日は住民からの評価が痛い!弱っちいとか馬鹿とか面倒とか、上司本人の前で酷すぎる!
「馬鹿ね、本気で馬鹿にするのなら目の前でなんか言わないわよ」
「そうですね、本物の方にそれは流石に失礼かと」
…………。
いや、お二人ともそんな優しさもってないでしょ? 容赦なく言うで、ぼうやっ!
「あら、今度はしっかりとかわしたわね」
「大将、安心しな。あんたは部下から愛されてるよ!」
あい、これは愛なのか?
というかこんなバイオレンスな愛に安心なんかこれっぽっちもないよ。できればもう少し穏やかなのでお願いします。
「御屋形様!」
ああ……穏やかとは真逆の方がいらっしゃってしまった。
「ソフィアさん、そんなに慌ててどうしたのですか?」
「敵が来たと」
「敵ですか?」
たぶんラクィーサさんが言ってるやつかな?
「うむ、ムジィーカ殿が。な、そうであろうムジィーカ殿」
ああ、あのよれよれの物体はムジィーカさんだったのか。
「敵どうこうの前にムジィーカさんがすでに瀕死のようですが……」
「ぞいゐゐゐゐ」
「ムジィーカ殿おおおお」
「はぁ。大将を通さずによりにもよってソフィアに話すなんて阿呆な爺だね。それでどうするんだい?」
「どちらにしてもまだまだ距離もあるようですし、しばらくは監視のみでよろしいと思いますよ」
この大陸の端っこの方にいるだけじゃ、まだまだ距離もあるし驚異も何もないしな。
「市長がそうおっしゃるのであれば」
「たしかに。警戒を怠らなければ今のところは問題ないわね」
「わかったよ、何かあればまた報告する」
「よろしくお願いしましす」
とりあえず監視体制があるなら問題ないだろ。
「ぬ?ぬ? 戦は敵はどこでござるか?」
「面倒だから後はお願いねMy Lord」
「あたしはこのヨレヨレを介抱するから、あとのことは頼んだよ大将」
「ソフィア様は少々気が立っておいでですので……よろしくお願いします、市長」
いや、ちょっとこんな殺る気満々のソフィアさんをお願いしますって。
「御屋形様?」
はぁあああ。
とりあえず一回くらいで正気になってくれるかな?
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「おかえりなさいませ、市長」
「ただいま戻りました、セリスさん」
ふう、やっぱり気が立ってるソフィアさんはヤバい。ジャーメレナさんの虚をつく不意打ちもヤバいが、ソフィアさんのあれは理屈とか理論とかを超越してくるからな。
というか何十回も念を押して鍛錬て言ったのに、初撃から普通に本気で殺りにくるとか。あれだよなジャーメレナさんもその辺をソフィアさんに勉強させてくれると嬉しんだけどね。
…………。
無理だな。斬撃と拳の飛び交う色々と危険な絵面しか浮かんでこない。
「大将!」
ラクィーサさん?
「動きがあったよ」
「もうですか?」
「まあ動きがあったというか、現状動き続けているというか」
?
「どうやら海からこの湖に戻る方の川に落ちたみたいんだよ。それでこの街に向かってどんどんと流されてるらしい」
「なるほど。確かにあの川の流れに乗ればここまでたどりついてしまいますね」
「どうにか排除しようにもあたしの配下たちじゃあの水には入れないし、とりあえず目視で確認しながら追うようにはしているが」
さて、どうするか。
「ガッツォ様に船を出していただきましょうか?」
そうだな、せっかく作ったし、日々船員の訓練もしてるみたいだし。俺も乗ってみたいし!
「そうですね」
あとは……
「ジラーテさんは近くにいらっしゃいますか?」
「ええ、たしか鳳仙様とご一緒のはずです」
「ではジラーテさんにもご協力いただきましょう」
対空防御は大切だからな。
「わかりました。それではガッツォ様、ジラーテ様にお声をおかけしますね」
「よろしくお願いします」
さて、ある意味初遭遇のプレイヤー?さんはどんな人なのかね?
願わくばセリスさん達を怒らせるような人では無いことを。なにせうちの住民はマジ怒りしたら、多分世界が滅びますから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます