第48話 海中大決戦!
帰ってきましたメルシュナード。
あのワニ野郎は……いた!
早速、突っ込んでくるか。今回も殺る気満々みたいだな。
だが、前回の俺とは違うぜワニ野郎。男子三日会わざればってやつだ!
ってあれ?
なんか動きが遅い? もしかして見た目が似てるだけで、前回の奴とは違うのか?
まあいいや、わざわざ突撃を食らってやる必要もないしな。かわしざまに右ストレートだ、この野郎!
あれ? ドロップアイテム?
えらくあっさりと。やっぱり見た目が似てるだけの別のやつなのかもしれないな。
ま、もらえるものもらっておいて、探索だ探索。
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
うーん、疑似無重力な感じでジャンプしながら歩くのは楽しいんだが、やっぱり単純に泳ぐのが一番早く動けるみたいだな。今度、移動用に足ヒレもお願いしてみようかね。
しかし、右も左も海海海。たまに魚とかイカとかヒトデみたいな魔獣。街も人も陸地も見当たらないんだが、このエリアやる気あるのか?
ん? 海の色が黒くなった? なんだこれ?
うぉぉっ、海底からなんかでてきた!? ってまた骸骨かよ。
どんどん増えていくな、おい。もしかしてまたレイドバトルみたいなのが始まるのか?
ってことはこの奥になにか、もしくは誰かがいる可能性があるってことだな。
どうする? 一旦引き返すか?
いや、違うな。俺は未知の世界を冒険してるんだ。となればここは前進あるのみ!
指揮官なのかレイドボスなのか知らないが、奥になにがいるのか確かめてやる。それに、どうせ帰り道もわかんないしな!
しかし、まあ、次から次へと。人型に魚型、なんか人魚みたいなのまで、えらい数の骸骨だな。
これを個別に相手は……めんどくさいな。前みたい走り回ってって訳にもいかないし、少し数を減らせないか試してみるか。
んー、こんだけの範囲なら詰め込む練気はこんなもんか?
あとはこのボールを放り投げてっと。ジャンピングボレーで骸骨どもの中心に撃ち込んでみる!
おおおおお!?
これは思ったより威力が……。少し数を減らすつもりだったんだが、骸骨がいなくなってしまった。
んんん?
あれって魔獣の核だよな。吹き飛ばした連中の中に普通の魔獣がいたようには見えなかったし。ここの骸骨達はアイテムをドロップするのか?
なんにしても、こいつは嬉しい誤算だ。回収、回収!
魔獣の骨系素材になんで木材? あとは宝飾品に多種多様な武具か。なんかドロップ品に統一性がない感じがするんだが、そもそもこのエリアの骸骨に詳しいわけでもないしな、こんなもんなのかね。
ん? なんかさらに暗くなった?
おいおいおい、こいつはまたえらいでかいやつが出てきたな。クジラ……いや、クジラみたいなでかさのタコか。取り巻きもこれまたデカい骨の魚。ありゃもしかしてワニ野郎の骨か?
この大きさとなんとなく大物っぽい雰囲気、このタコが親玉かね。
触手を持ち上げて、なにするつもりだ? いくら体がでかくてもこの距離じゃ、流石にとどかないだろ?
ぬおお、触手の先からなんか撃ち込んできやがった!
だが当たらなければどうということもなっ、弾道が変わっうぼおおぁぁぁぁぁ!
ふう、ひどい目にあった。洗濯機の中の洗濯物の気持ちがわかった気がするよ。
他の着弾した場所に捻れるように深そうな穴ぼこが空いてるし、あの弾はドリルみたいな弾頭のミサイル、いや水中だから魚雷ってところか?
さっきの弾道の感じだとある程度の誘導もされてるみたいだし、連射も可能。こりゃ、とりつくだけでも一苦労だろうな。
だが、一発の威力はたいしたことない。それにおあつらえ向きに弾だしな。速度も問題なし、俺に向かって弾道が変わるのも好都合だ。
ナイスパスだタコすけ! ダイレクトでお返しだ!
うーん、一発くらいじゃあんまり効果なしか。だが、動きが止まったし、驚かせるくらいはできた感じかな。
っとむこうから距離をつめてきた。魚雷は諦めたのか?
いや、違う。至近距離からの魚雷連射か。四方八方を弾幕で囲こまれた!?
だがしかし! 甘い、甘いぜタコすけ!
いくぜ竜巻旋◯脚! オラオラオラ、蹴り返しまくってやるぜぇぇぇぇ!
あはははははははははは! はぁ、はぁ、はぁ、ヤバイな酔ってきた、だがここで怯むわけには!
……。
…………。
………………。
おぶぇぇぇぇ。
ダメだな、敵に与えるダメージ以上に自尊心が傷ついた気がする。この技は封印だな。
だが、自尊心が傷ついたかいあって、ワニ骨野郎もタコすけもぼごぼこだ。
?
口が開いた。今度はなにするつもりっ、づおおお!体が吹き飛ばされるうううぅぅぅぅうう。
結構な距離を吹き飛ばされたな。今度は口から衝撃波か。
離れてるときは特に問題ないが……一定以上の距離を近付くと、むおおおお。
問答無用で吹き飛ばされるな。
そして、距離をとって体を修復してるのか? 折角ぼごぼこにして吹き飛ばした触手が、再生するとか一体どんな体の構造なんだよ!
近づけば衝撃波で吹き飛ばされるし、黙って見てれば再生されるか。
だがタコすけ、お前が回復に専念してくれるおかげで、こっちもボール作りに専念できる。
練気を集めてっ
……………1つ。
……………2つ。
……………3つ。
……………4つ。
よし、四つもあれば十分かな。
遠距離攻撃がお前の専売特許だと思うなよ。いくぞ、タコすけ!
上下左右からの変化球をくらいやがれ!
ドライブシュート!
右バナナシュート!
左バナナシュート!
ライジングシュート!
あの衝撃波、結構小回りが利くんだな。右バナナとライジングが迎撃された。だが、それでも残り2発は直撃だ。
さあ、どうだタコすけ。
……………。
あれ? タコすけがいない!? 逃げられたか!?
くそ、何処いった、タコすけめ。
……ん? あそこに落っこってるデカい石は魔獣の核。ということは、もしかしてタコすけを倒したのか?
そういや、暗くなった海の色も元にもどってるな。
ということはやっぱり、タコすけの討伐成功ってことか!
やった、やったぞおおおおお! なんか、初めてまともに冒険した気がするぜ!
おっと、喜びに浸ってばかりもいられないな。何があるかもわからんし、さっさっと戦利品を回収してっと。
ん?
今なんかピキッていったような……。
な、咥えるやつから出る風が強くっ、ぁぼぼぼぼぼ、ごっ、がぼぼぼぼぼぼおおおお!
…………。
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