機械仕掛けの心臓

作者 小鷹 りく

命に終わりがある哀しみ。永い生を得る哀しみ。

  • ★★★ Excellent!!!

普通の人生よりもずっと永い生を、もしも手にしたら——私たちは、一体何を感じ、どう生きるだろう?
そんなことを考えずにはいられない物語です。

戦いの中で身を挺して主の身を守り、命を落としかけた朔弥。
朔弥に守られ、自分の身代わりにその命が消えることに耐えられなかった葵。
葵は、臓器の役割を果たす精密機器「ロボー」を、朔弥の身体に埋め込むことを決意します。
朔弥の身体に葵の血を分け与えることで、朔弥は生き続けますが——。

命に終わりがある哀しみ。機械を利用することで永い生を得る哀しみ。
そして、その哀しみの先にほのかに見える明るさ。
そういう明暗を、作者は短い作品の中に、静かに丁寧に描き出しています。

大切な人を機械で生かし続けた男性と、機械に動かされて生きる男性。静かに互いを想う二人の感情の波が繊細に描き出された、印象深い短編です。

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