海街マリアは春を待つ 〜雪の花冠が散り逝く前に月夜の風に願うのは〜

作者 御子柴 流歌

30

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★★★ Excellent!!!

高校生たちのお話になるわけですが、作者、タグにて曰く「すこし・ふしぎ(SF)」系作品。のっけからすこしふしぎ。いや、すごくふしぎ。

突き詰めて考えると「すこし・ふしぎ」どころか「すごく・ふしぎ」どころでもなく難しい話なんですが、一人称・主人公も状況をよくわかっていないおかげで、読者の思考力とほどよくシンクロします。よくわかってないからこその焦りのようなものもジリジリと伝わってきます。引っ張られるとわかっていても続きが気になって次々読まされてしまう感、うまいなぁと感じます。結果的に最新のところまで一気読みです。

ちなみにコレを書いている時点で5-9.まで読んでいるわけですが、ここからどう展開していくのか、予感はあれど確証は持てないというジリジリした状態でお預けを食らっています(笑) うまいなぁ。

登場人物たちもわらわらーと出てくるんですが、それぞれ個性があって生き生き動いています。主人公の視界の外でも生きてる感があって、その辺りにもリアリズムを感じました。作品カテゴリはSFですが、こういうリアリズムがあってこそ引き立つ「不思議(Fiction的な)」なのだろうなと思います。

また、個人的には北国が舞台になっているのがポイント高いです。肌感覚みたいなものがすごく伝わってくる。北国の冬を文字化するとたしかにこうなるわ、と思いました。なまらしばれる……という表現は出てきませんが、その感覚がぴしっと伝わってくる表現力があります。

続きが、そして結末が、気になります!

★★★ Excellent!!!

あらすじを読み、これから彼らに訪れるであろう出来事に震える。

今はまだ、物語は動き出したばかり。

花絵と出逢い、雪絵の名を知る。
そして雪絵は思わせぶりだけれど判然としない発言を繰り返し、夏月は不可思議な現象に巻き込まれた。

透き通るような文体で綴られる描写が美しい。
これからどんどんと物語は加速していくのだろう。

今のうちに世界に飛び込み、更新を心待ちにするのも連載小説の醍醐味ではないだろうか。

★★★ Excellent!!!

丁寧でいながら、端的でいて爽やかな文体で描かれる高校生たちのきらきらした青春が眩しい作品です。

一話目の雪絵が、主人公とどう繋がっていくのか。
推理小説のように罪はないけれども、小さな謎に興味ひかれる展開からも目が離せません。


素敵な作家さんを発掘できてよかったなと思いました。