144話 実用性≧浪漫
なんか新しい事をやるたびに毎回言っている気がするけど、ガンナーって何なのよって思うわ。
畑耕して、爆破して、怪しい取引して、草原燃やして何やってんだろうか、職業的に言えばファーマーでボマーでマーチャントで放火魔。よくわからんくなってきたな。
商売に迷走して色んなものに手を出して結果店が潰れて駐車場になるとかそういう感じがひしひしと伝わってくる。
まあゲームなので無くなるとしたら取引先のプレイヤーとか経験値、金、時間って所か。アカウントに関してはよっぽど悪質な事だったりチートに手を出さなきゃやられないだろ。
「イベントの為にレベル上げる必要も無いってのがなあ……まあイベント始まったら嫌でも戦うし」
いつものクソまずMREで満腹度を回復しつつ、今後の予定を組み立てる。
レベリングは必要ないのでイベント重視でいくならイベント用のスキルを取得可能だけにしておいて、後は内政だな。
あと考えておかないのはステータスとスキルの振り方、これもどうやって振るかを考えなきゃならない。
基本Lv職業Lv30までの基本Lvでのステ計算なら初期値30に+29Pのステを振れて、最低でも各ステに1は振らないといけない。これも最初のステガチャの時に説明したな。
なので総ステ59Pでの振りをしなければならないが、SADの3ステをどう振るかってだけなのでこの辺は特に問題無しだな。多分これも下手に極化すると持ち込み装備が装備出来ないって話になるが、イベント用の極装備とか出てきそうだな。
で、職業Lv30の方もスキルが多いのなら選択幅は増えるが、スキル最大まで振っていくとなると6種しか振り切れない。職業外のボマーってどうなるかは分からんが、スキルに振れるのが29回分ってのを考えれば多分含まれる計算になるんだろうな。
私の場合はガンスミスとカスタマイズの分が浮くのでその分を攻撃系のスキルに振る事が出来るし、大体使うのが決まっているので、あまり考える必要はなさそうだ。
『例の取引ってやってますか?』
『北エリア1で黒煙が上がってる所で待ち合わせ』
『分かりました』
それにしたってそろそろ私も二次職とかサブ職とかを手に入れるべきなんだろうな。確かサブ職が基本で二次が職業のほうで判定だっけか。どっちとも30って言ってたけど、私ってSP10分だけイベントで稼いでるからレベルのわりに到達速度は高い方なのよね。
なんだったらボマー取得してる分はLv外なので、それが含まれているのであればとっくに取れている。案外強いんだな、私って。
そんな事を考えてしばらくしていると、さっき連絡のあったプレイヤーが私の方へとやってくる。
それにしても何でこうも出会う奴が私の事見て驚くかな。大体変なプレイヤー何て結構いるって言うのに……って考えたけどそりゃそうだよな。
辺り一面燃やして焦がしまくった所にスーツ着て、煙草咥えながら待ち構えているって完全に死体燃やした後のマフィアじゃねえか。
「いらっしゃい」
「えーっと……硝石と火薬を交換してくれるって聞いて」
「そうね、じゃあ、まずは……」
いつものように交換レートを言い、さくっと交換完了。今回も硝石1個で火薬10gの交換のみ、やっぱしけてんな。
こんなにブームになってるんだから硝石丘とか作っている奴もいると思うんだけど、何で手を出さないんだ?いや、手を出しているけど秘匿してるだけか。
そもそも私の様に化学を駆使して戦うような職、それ以外は錬金で必要になるくらいしか使い道がないのも起因しているんだろう。
大体ロックラックを倒す事でドロップするのは確定の情報ではあるが、あのバットの群生地にいるロックラックが中確率でドロップするって所までは判明してないのは確実だろ。
まあ、私としてはもうロックラックを狩りに行く必要がないから、あそこでいくらロックラック狩りを争おうが、狩り尽くしても痛手ではない。
なんだったらこれでガンナー人口増えてくれたらもうちょっと楽しめる。
そういえばこの間出会った配信プレイヤー、名前聞いておけばよかったな。
「さて、と……また交換待ちしながら露店の位置ずらして、アルコール量産って所だな。全体的に味がイマイチだから試行錯誤くらいは自分でするだろうから……ショップでインベントリ整理するか」
そんなわけで露店位置を変え、ショップで不必要品の処分とジャガイモの売却。ついでに次のジャガイモ苗を購入して……こういうのを人を使ってやりたいわ、せめて自宅周りで何でもかんでも済ませたいわ。
って事でさくっと売却と購入が完了し、手持ち28万Z也。やっぱりジャガイモ2500個売っぱらったらいい額にはなるわ。と言うか、ファーマーってすげえ儲かるじゃん。金策するならファーマー一択じゃね?
金の力で相手をぶん殴るって言うゲーム内でのP2W方式になるけど、生産系の特権ならいいのか。多分戦闘するのとか大変だから、その分は生産回りの融通を聞かせてるって事なんだろう。
「とりあえず次はどうするかな」
ショップから出て煙草を吹かしつつ、さっき考えていた事を指折りしながら数えて考えてどうするかを決める。とりあえず露店を移したのと妨害行動をしていたのはSS撮って保存済み。
不用品の売却と消耗品の補充も完了したし、取引に関しては客がいないから特に進展も無し。やっぱりイベントに使えるスキルを確認して取得可能状態にしておくってのがベターだな。
って言うか、こういう時はやっぱりフレンドリスト活用しまくろう。
あのおしゃべり忍者は話し出すと止まらなさそうだが、投擲覚えているし、聞いてみるのもいいだろうよ。
『いるけ?』
『お、なんすか?』
『あんた確か投擲スキル持ってたと思うけど、あれってどうやって取得するん?』
『あー……投擲は盗賊だと初期取得なんすよね』
『マジかよ、何か覚える方法ないわけ?』
『とにかく投げて当ててスキル解禁っぽいっすよ』
『ま、試してみるわ』
『ういー』
やっぱ投げてぶつけてダメージ累積解除らしい。これは果てしないな。
後はもう一人連絡を付けたい奴を。
『いるかー』
『何だかんだで連絡多くないですか?』
『ちょっと連絡とりたい奴があんたの所にいるんだけど、いるかな』
『誰ですか?』
『今教えるから』
そうしてしばらく話、連絡を取りたい相手へと私へフレンドを飛ばす事をさせつつ、連絡を待つこと数分。
フレンド申請が飛んでくるのでそれを許可して、リストに名前が出た所で、先に向こうの方から連絡が付く。
『なーにー!』
『出たなバトルジャンキー』
相変わらず元気な奴だな。
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