すけろく ~狐憑きのJK~

作者 三宅 蘭二朗

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★★★ Excellent!!!

すけろく、日本人なら誰しも一度は食べたことがありますよね。おいなりさんと海苔巻きが一緒になったあれです。
このお話は、妖狐・マロがJK三則まきび(みのり・まきび/通称のりまき)の身体の中に封印されて一緒になってしまったところから始まります。

まきびを上手く利用したいマロ。
マロを早く追い出したいまきび。

物語はマロの一人称で綴られますが、多くの読者はまきびに感情移入するでしょう。
「まきびの中にいるからこそ分かる心情の揺れ」の描写が巧く活かされています。

まきび自身のキャラクターも魅力的です。
私生活ではバンギャをしつつも、学校ではそれを隠して地味に過ごそうとしていること。
思考が常識的で、度胸と行動力があり、機転が利く。
そして妖狐の能力である「変化の術」を使いこなす適応力と判断力。
それらが等身大のJKらしいリアリティで描かれています。

また、現代社会に紛れ込んだ妖怪たちの設定が秀逸です。
SNSを駆使して事業展開する「小豆洗い」に、スリーピング・デザイナーという肩書きで寝具開発などに携わる「枕返し」、オールドビートルに扮した「朧車」(ええ声で喋る)。
端役に至るまで「いかにもありそう」と思えるキャラ造形が見事です。

さて、妖怪(わるいおとな)たちに良いように利用されてしまっている感のあるまきびは、はたしてマロの封印を解くことができるのか?
続きも楽しみです!