第21話

「およよっ!達磨とてっちゃんと僕同じクラスだよぉ〜!」

高盛は嬉しそうに言った。

「つっても、魔法科は三クラスしかないし、その内の一クラスは魔法補助要員のクラスだからな」

「実質二分の一ってことか」

鉄真は俺の言葉にうなずいた。

「あーもう!なんでそんなにつまんないこと言うかなぁ……って、ウゲェ〜」

高盛はべー、と舌を出した。

「氷室孔雀もいる〜」

「そりゃ、達磨が同じクラスなら、相棒の孔雀も同じクラスだからな」

鉄真を慰めるように言う。

「なに、高盛って孔雀くんと仲悪いの?」

高盛はバツの悪そうな顔をした。

「そゆわけじゃないけど……」

高盛が少しうつむいたので、俺は不思議に思って顔をのぞきこんだ。

「お、もう始まるみたいだぞ。並ぶか」

鉄真がぽつりとつぶやいた。

「あー、もうそんな時間か」

俺は体育館の舞台の上に飾られた豪華な花が気になった。

「なんかあの花、変じゃないか?」

「あれか?あれは冥界の花だ」

鉄真はさらりと、なんてことないように答えた。

「えっ!?冥界の花!?」

「おう。一番最初の魔法使いが、冥界から持ってきた花って言い伝えだ。世界各地にある魔法使い養成学校には、この花があるらしいぞ」

鉄真はどうでもよさそうに言った。

だが、氷のような透明な花びらに、ダイヤのような茎と葉は、明らかにこの世界のものではなかった。

俺はこれに、これから非現実の世界に身を置くことを、痛感させられた。


入学式はつつがなく進行した。

ただ一つ奇妙だったのは、魔法科の学科長のあいさつが代理だったことだった。

もし体調を崩したとかだったら、今日の呼び出しはなしにはるのか。

そんなことを考えていると、担任が発表され、各教室へ各々移動となった。

「はいっ、とゆーわけで」

黒板にチョークで書く音が教室に響いた。

「今日からこのクラスの担任をする、胡蝶皐月です。よろしくね!」

あの売れないバンドマンみたいに長い前髪の教師だった。

「強欲の三型です。どうぞよろしく」

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