第128話


「神竜様が全て解決してくださいます。」


「へ?プーちゃん?」


呪われた大地を復活させることを決意した私だったが、少女の言葉により出鼻をおもいっきり挫いた。


しかし、なぜにプーちゃんが………?


というか、プーちゃんなぜ神竜なんて呼ばれてるんだろう。今頃、疑問に感じた。


少女はキラキラと輝く瞳をプーちゃんに向ける。その瞳は必ずやプーちゃんが、この呪われた大地を復活させてくれると期待をしているようだ。


『わ、我にそのような力はないと何度も言っておるだろう。我は帰るのだ。マーニャ様たちに会いたいのだ。トマトが食べたいのだ。』


少女はすでに何度もプーちゃんに、呪われた大地を復活させてもらうようにお願いしていたようだ。


だが、プーちゃんは、出来ないと断っているということがわかった。


だから、プーちゃんは早くここから去りたかったのか。そうだよね。こんなに期待をされた目で見詰められたらねぇ。


「そんなっ!神竜様!私たちを見捨てないでくださいっ!」


少女は必死にプーちゃんに食らいつく。


いったい何でそんなにプーちゃんに期待をしているのだろうか。


「ねぇ。その話を詳しく教えてくれないかしら?そうしたら、プーちゃんのこと説得するよ。」


『なっ!?マユ殿!?我は出来ぬと………。』


「本当ですか!?神竜様はなかなか私たちを許してくださらず………。説得していただけるのであれば、嬉しいです。詳しい話は私も大人たちの会話を聞いただけだから………。あの、私についてきていただけますか?」


プーちゃんが反論しかけたが、それを少女が遮る。


なにはともあれ、詳しい話が聞けそうだ。


「もちろん。」


私たちは、少女の後に続き歩き始めた。


歩き始めた当初は、僅かな植物の芽が生えていたが、5分ほど歩くともう何の植物の芽も生えていない。草さえもない。


やはり、あの場所だけプーちゃんの涙の影響で植物が成育できるようだ。


これは、あっちこっちでプーちゃんに泣いてもらうしかないのだろうか。


てくてくてくてく。


果てしない大地を踏みしめ私たちは、歩いていく。


てくてくてくてくてくてくてくてく。


歩いても歩いても周りに変化はない。


どこまで歩いても乾いた大地が広がっており、木すらない。


てくてくてくてくてくてくてくてくてくてく。


もうどのくらい歩いただろうか。


何もない大地なので、周りの景色が変わることもなく、まるでずっと同じところを歩いているような感じがする。


そのためか、もう何時間も歩いているような気がしてくる。


「あの………あとどのくらいで着くのかしら?」


「あと一時間くらい歩けば着きます。疲れましたか?」


思わず少女に聞いてしまって後悔をした。


どうやら、まだまだ歩くようです。どうりでマコトさんの魔道具に生命反応が引っ掛からなかったはずだ。


まさか、そんなにも離れた場所に集落があるだなんて思ってもみなかった。

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