第66話
いったい何がきて、卵を交換していったのか。
なんの目的があったのか、鶏からでは情報を得ることはできなかった。
ただ、動物ではないことは確定らしい。
マリアが確認した鶏の話だと、人の形をしたなにかだったらしい。
ちなみに、男性なのか女性なのかもわからなかったとのことだ。
そりゃそうだよね。
私は人間だから人間の性別はすぐに判別できるけど、動物の性別は見ただけじゃ判別しかねることもある。
鶏が人の形をした何かの性別を判別できなくったって不思議ではない。
・・・あれ?
そういえばプーちゃんの性別って?
プーちゃんの性別そう言えば聞いてなかった。今度来たら聞いてみよう。きっと明日の朝には水やりに来るだろうし。
とりあえずは目の前の金色の卵に集中することにした。
この卵どうしよう・・・。
「マリア、この卵、孵化機にいれちゃだめかな?」
「マユ、なんの卵だかわからないのだからやめておいた方がいいわ。気になるけど。自然に孵るのを待った方がいいと思うわ。それにこの孵化機、鶏の卵専用だし」
「そっか、これ鶏の卵専用なんだ」
残念。
孵化したらなんの卵だかわかるかと思ったのに。
気になるなぁ。
「マユ、ここにいても仕方ないから、部屋に戻らない?」
マリアに言われて未だに鶏小屋にいることを思い出した。
私は金色の卵をしっかりと持って、家に向かう。もちろん、マリアとマーニャたちも一緒だ。
「ねえ、マユ。村長から教えてもらったと思うけど、転送ボックスって使ったことある?」
「・・・転送ボックス?そう言えば村長が言ってたけど、すっかり忘れていたわ」
そうだそうだ。
最初に村長が転送ボックスについて教えてくれたんだっけ。
転送ボックスの中にアイテムを入れたら自動的に資金が増えるって。
「マユったら。転送ボックスの中にアイテムを入れると王都の鑑定士が鑑定してそれに見あった金額を送付してくれるの」
「へえええ。鑑定士が鑑定してるんだ」
「そう。でね、マユ。その金色の卵、転送ボックスにいれたらどうなるかな?」
「あ!マリア頭いい!そうよね。王都の鑑定士ならきっとこの卵鑑定できるよね」
王都の鑑定士ならレベルだって高いしきっと鑑定できるだろう。
でも、転送ボックスにいれてしまったらもう、この金色の卵は戻ってこないのだろうか?
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