第61話

 


ドアから外を眺めてみると、私の家だけ黒い雲が立ち込め雨が降っていた。


 


これは・・・プーちゃんの仕業?


 


庭の真ん中ではプーちゃんがトグロを巻いている。


そして、マーニャたちがこちらに向かって全速力で駆けてくるのが見えた。


 


私はマーニャたちを中に入れるために、ドアを大きく開いた。


それからずぶ濡れのマーニャたちを拭くために、タオルを3枚用意したところで、マーニャたちが無事に家に入ってきた。


 


「にゃー!」


「うにゃぁん!」


「にゃぁ・・・」


 


マーニャとクーニャは庭を見つめながら抗議しているような鳴き声をあげている。


ボーニャは濡れたのが嫌だったのか落ち込んでいるようだ。


私はマリアにお願いしてボーニャの身体をタオルで拭いてもらった。


マーニャとクーニャは怒りが収まらないのか、ときおり「シャーっ」と威嚇をしている。


そんな二匹をなんとかなだめ、身体をタオルで拭く。


 


わしゃわしゃわしゃとマーニャの身体を拭いてやると、マーニャが態度を一転させて喉をゴロゴロ鳴らし始めた。


どうやらわしゃわしゃされるのが好きなようだ。


自分からタオルに身体を擦り付けてくるから水分をふき取りやすい。


 


対してクーニャはあまり身体を拭かれるのが好きではないようで、タオルでわしゃわしゃすると嫌がるように身体をくねらせる。


 


ああ、拭き辛い・・・。


 


マーニャはほとんど毛が乾いたが、クーニャはタオルを嫌がって逃げ惑うのでなかなか乾かない。


自分で毛づくろいして乾かそうとしているがびしょ濡れなのでなかなか乾かないようだ。


ボーニャはマリアの腕の中で大人しくタオルに包まっている。


よっぽど水に濡れたのが嫌だったみたいで、半ば放心状態だ。

マリアにもたれ掛かって「うにゃん・・・」と沈んだ鳴き声をもらしている。


「水やりの手間が省けたわね・・・」


水やり大変だから助かったけど、でもどうしていきなりここだけ大雨が降るのか・・・。

元凶ではないかと思われるプーちゃんを思わず見つめてしまう。


未だにプーちゃんは畑にトグロを巻いて座っている。

どこかその顔は誇らしげだ。


次第に雨脚が弱まり完全に雨がやむとプーちゃんがこちらに戻って来る。

が、その前にマーニャとクーニャがプーちゃんに向かって駆け寄っていった。


 


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