第34話


いい方法ないかなぁって、だから魔道具があるのか。

自動で畑を耕せる魔道具なんて売ってたな、そう言えば。

あれ、欲しいなぁ。


畑仕事がこんなにも大変だと思っていなかった私は軽く考えすぎていた。

変化する農具をただでもらえてラッキーくらいに思っていたけれど、

耕す面積が少しならいいけど、広いと大変だということを認識した。

でも、自動で畑を耕せる農具は今の資金じゃ足りないし・・・。

畑はほどほどにして、マリアと一緒に山に行って化粧水でも作ってみようかな。

山では他にもいろいろ採集できるみたいだし、それでお金稼いで自動の農具を買お

う。


私はそう決めて、とりあえず小麦を植える場所を耕し始めた。

今日なんとかキリのいいところまで進めたい。

せめて、小麦を植える場所だけでも耕したい。

そう思い一心不乱に鍬を振るった。





「疲れたぁ~~」


一時間ほど鍬を振るっていたがやっぱり疲れと腰の痛みには耐えられない。

それに、腕も痛くなってしまい鍬を持つ手がプルプルしている。

今日中に耕したかったが、根を詰めても身体がついていかないことにはしょうがな

い。

しかし、疲れてしまってどうにも身体が思うように動けない。

というか、あちこち痛い。

畑仕事なんて慣れないことをやったからか、身体が悲鳴を上げている。

明日に響かなきゃいいけど。

肉体労働なんて生まれてから経験したことがなかったから余計に身体が辛い。


時計をみたらもう5時を過ぎていた。

「今日は止めにしよう」

急いで小麦を蒔かなきゃいけないわけでもないし。


私は立ち上がると、家に向かって歩いていった。


「今日は早めにご飯にしようかなぁ。あっ、食材買い忘れた・・・」


今日もまた食材を買い忘れてしまい、保管庫の中はからっぽ。

食べられそうなのは、ほんのり色づいてきた庭のトマトだけ。


「疲れたし、今日は食堂でご飯食べようかな。

 一人じゃ寂しいし、マリアでも誘おうっと」


私はそう思い、マリアに念話することにした。


『マリア、今いい?』


『なに?』


『食材また買い忘れちゃったから、食堂に食べに行かない?』


『いいよー。今からマユの家に行くね』


『あ、30分後でいい?畑耕してたから汚れてるの。先にシャワー浴びちゃう』


『わかった。30分後に行くね』


無事に念話できた。しかし、念話って便利だなぁ。

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