贅沢な悩みと、盲目的な恋と。

 始まりは、後輩マネージャーからの突然の告白だった。主人公はこれに、あろうことか、「保留」という答えを出す。何故なら主人公には好きすぎてたまらない、クラスメイトがいたからだ。しかし後輩は主人公を諦めなかった。この日からかわいい後輩の、猛烈なアタックを受けることになる。一方、主人公が思いを寄せているとは露とも思っていないクラスメイトは、楚々として過ごしている。
 主人公には暴君的な生徒会長の姉と、ギャル語使いが激しい癒し系の妹がいた。実は妹と後輩は友人で、妹は後輩と主人公の関係を応援する。
 そんな中、高校の球技大会が行われることになった。主人公は本来、こうした行事ごとには無関心だったが、意中のクラスメイトの気を引くために奔走する。そして、他の男子の面々も、女子にカッコいい所を見せたくて、奮起するのだった。後輩は、主人公のカッコいいところが見たいがために、主人公を活躍させるが、それが他の女子の目も引いてしまい、墓穴を掘る。
 球技大会後の食事会で、主人公はやっとクラスメイトと話すきっかけを得るが、何故か集まって来るのは男子だけで……⁉
 そして主人公は、部長から部長職の引継ぎと、主人公の姉への紹介を頼まれる。
 果たして、主人公は、後輩とクラスメイトのどちらを選ぶのか?
 そして、部長を「義兄さん」と呼ぶ日は来るのか?

 コメディタッチで描かれる、恋愛青春もの。
 ああ、男子って単純なんだよなとか、女子の会話って怖いとか。
 そんな高校生あるあるが詰まっています。

 是非、御一読下さい。

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