森の中 三国 沙也香

 三国は沙也香を抱えたまま、闇雲に走っていた。息が切れてくる。沙也香を抱く腕も疲れから痺れへと変わっていった。


 一際太く巨大な樹があったので、その元へ辿り着き、沙也香を下ろす。


 ちょうどいい暗さだ。月明かりが巨木の枝葉で遮られ、しかし真っ暗にはなっていない。


 「僕らにふさわしい場所だと思わない? 沙也香ちゃん」


 ぐいと沙也香の目の前に顔を持っていく三国。


 沙也香は叫びだそうとした。だが、すぐにその口をふさがれる。


 「駄目だよ、大声を出しちゃあ。もうすぐ、みんな死んじゃうんだ。せっかくその前にいいことをしようと思っているんだから」


 沙也香の震えが掌をつたって感じられる。目の前に、涙を湛えた小さな瞳がある。


 これだ――。なんて可愛いんだ、この子は……。


 身体の奥から心地良い感覚が呼び起こされてくる。命の危険があるからか、それは、これまでより何倍もの快感を伴っていた。下半身が熱くなり、躍動し始める。


 「ね、沙也香ちゃん。もうすぐ、君のパパとママも死んじゃうんだ。みんなだよ。さっきいた人達はみんなだ。もちろん、君も、そして僕もだ。だから、その前に、僕が、とってもいいことを教えてあげる。とっても気持ちいいことだよ。ね、優しいだろ?」


 沙也香が激しく首を振った。






 「声をあげたら、その前にお兄ちゃんが沙也香ちゃんを殺しちゃうよ。いいね。だから、絶対声を出しちゃ駄目だ」


 思い切り怖い目をして言いつける三国。手を放すが、沙也香は声を出せなくなっていた。


 「いいことが終わったら、お兄ちゃんが、優しく死なせてあげる。変な人達や、怪物に殺されるのは怖いでしょ。心配しなくていいよ。お兄ちゃんが、とっても優しく死なせてあげるから。だから、その前に、ね」


 三国の手が、沙也香の首筋を撫でた。そして、上着のボタンを外し始める。


 「いい子だ」


 沙也香は硬直してしまい、動けなかった。されるがままだった。


 上着が脱がされ、スカートも脱がされ、下着だけになった。


 すると、三国は、沙也香の首、肩、腕、と素肌の出ている部分に舌を這わせ始める。


 沙也香の瞳からは、幾筋もの涙が流れ始めた。


 助けて、ママ――。


 胸の奥で叫んだ。口を開こうと思っても、開けなかった。小さな歯がぶつかり合い、ガチガチと鳴っていた。


 三国の舌が、小さな太股へと進む。そして、下着にも手をかけた。


 たすけて――。

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