道の駅前の路上  武装集団

 黒崎達が攻撃を中断したのには訳があった。田沼との連絡が途絶えていたのだ。すでにあれから15分以上経っていたが、一向に攻撃を始める気配がない。


 部下を選び、道の駅の裏へと偵察に向かわせたところだった。


 「私は最初から、嫌な予感がしていました。どうにも流れが悪い。ここまで手こずるとは思わなかった。こちらの被害を考えると、今からでも中止にすべきかと思いますが」


 宇野が言った。嫌な感じなど、黒崎も最初から抱いている。だが、決まった以上は最後までやり通すのが任務だ。黒崎は厳しい目で宇野を見る。


 「今更言っても仕方のないことだ。今は、連中を一人でも生かして帰すわけにはいかない。本部から中止命令でも出ないかぎりやめることは許されない」


 宇野は口を噤んだ。


 「道の駅にはすでに誰もいません」偵察の部下からの連絡だ。


 「田沼達はどうした?」


 「わかりません。森方面からは戦闘やそれに類する動きは見てとれませんでした」


 黒崎は、全員に集合するように伝えた。


 「これから森へ入る。全員だ。田沼達6人が先行しているが、通信不能だ。充分用心していく。敵の数は減ったが、まだ沢崎と東谷は健在だ。この2人を倒すまでは、けして油断は許されない」


 部下達は、皆、神妙な表情で聞いていた。


 「どこへ向かいます?」と宇野が訊いてきた。


 先ほど衛星地図によって、森の中に昔博物館だった建物が確認されていた。また、別の場所に小さな個人用らしい小屋も認められた。それらは全員に確認させている。


 「博物館の跡地だ。連中はそこへ向かったと考えられる。そこまで行っても見つけられない場合は小屋の確認。それでもいない時は、山越えを決行したと考えて新たに体勢を立て直す。行くぞ」


 残っている者は、黒崎と宇野を含めて13名。


 絶対に仕留める――。黒崎の目が、妖しく輝いていた。

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