第5話 花子さんの謎

 「ちょっと閻魔!」

 

 「うわぁ!どうしたんだよ!」


 あたしはリクにおふだを借りて、地獄に来ていた。

 聞きたいことはただ一つ!


 「どうして学校にいるの!」

 

 「様子見ようと思って。」


 「仕事は?」

 

 「仕事しに来てるんだってば。」

 

 「どういうことさ」


 「お前の学校に、怨霊がいるって聞いたからだ!」


 怨霊?道真みちざね公の怨霊とかそういう?そんなのいるの?


 「でも、それであっても来る必要ないでしょ?だいたい、契約ではあたしの仕事何だけど。」


 「地獄も働き方改革なんだよ。田中とかが、『現世でも働き方改革というのをやってるから、やってみたらどうか』っていうから、議会で決定になって、オレもちょっとだけ休めるようになったんだよ。」


 「じゃあ、遊んでりゃいいのに。」


 「そうする訳には行かないんだ!」


 このままだと、話が進まない・・・・・。

 あ!例の怨霊の事!


 「ねえ、さっきの怨霊って何なの?」


 「ああ、多分お前も名前くらいなら聞いたことあるぜ。」


 ?お岩さんとかってこと?


 「トイレの花子さん」


 「え。あの花子さん?」


 「あの花子さんだ。」

 

 「いや、もっと怖いというか、恐ろしい奴かと・・・・・・。」

 

 「この花子さんの何がやばいって、能力がやばいんだよ。」


 「能力って何?」


 「前に説明してないか?」


 説明・・・・・。あ!リクの『視覚を操る』とかのことか!

 

 「思い出した。」


 「で、花子さんの持っている能力は、『時空を操る』だ。」


 は?!時空?!

 視覚とスケール違いすぎる!

 マジで?!


 「それってヤバくない?」


 「だから言ってんだろ。花子さんは、能力を使って一般の人間を地獄や別時空に飛ばしちまうわけ。そうすると、妖怪なんかの存在がばれるだろ?」


 そうだね。人間って大きな力を持つと、乱用しはじめるから。

 そんな人間が妖怪を知ったら大量虐殺なんかも・・・・・・。

 怖っ。

 そもそも同等に扱ってもらえるかすら怪しいし。


 「人間って恐ろしいもんね。で、どうやって退治すんの。」


 「お前が女子トイレ入って召喚するんだよ。」


 「そりゃそうか。

 え、待って。どうやって召喚するのさ。」


 「今の子供ってそんなことも知らねーのかよ。」


 お前も子供・・・・・いや違うのかも。本当は300歳とかなのかな?


 「どするの?」


 「学校の3階の女子トイレの個室を手前から三つまで、『花子さん、いらっしゃいますか?』ってノックして聞く。で、花子さんが出てきて、トイレに引きずり込む。まあ、実際は別次元に飛ばしてるんだけどな。」


 「で、それをあたしがやればいいわけ?」


 「そうだ。」


 「でもさ、花子さんって幽霊なんだよね?何で能力を持ってるの?魂だけの存在が能力を持てるはずじゃん。」


 「そこも調査のうち!じゃあ、よろしくな。」


 「分かったよ。じゃ、また明日。お休み。」


 「お休みー。」


 あたしは家に戻ってきた。

 パパもママも、まだ帰ってきていないみたいだ。


 「お帰り。閻魔はなんて?」


 リクが聞いてきた。


 「花子さんの調査だってさ。明日、一緒に学校来てくれる?」


 「うん。中学行ってみたかったし。」


 リクはそういうと、自分のランドセルに目を移した。


 「卒業までに戻れると思う?」


 そんなの・・・・・・。

 でも、余計な希望を持たせちゃ・・・・・。

 

 「さあ?体に頑張ってもらうしかないよ。」


 あたしには、そう答えることしか出来なかった。




 

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