第4話 円間くん

 閻魔・・・・・。何でここにいるんけ・・・・・。

 

 「円間くんは、中国の中学校との交換留学で来ました。みんな仲良くねー。」


 こいつ、地獄の仕事はどうなってんのさ。仕事あんだから戻れや!

 閻魔は出席番号30になり、あたしの後ろの席に座った。よりによって。  


 「よろしく。」


 こいつ!よく初対面見たいな顔して言えるな! 


 「よろしく。」


 あたしはわざと素っ気なく対応した。


 「まだ、この学校の事よくわからないから、教えてくれよ。」

 

 「はいよ。」

 

 「ねえ、名前は?」

 

 「狐ヶ浦紅華。」

 

 知ってるだろ!


 「オレは円間焔。つぶらに間にほむらっていう字。」

 

 そのうち、円間の周りには人が集まってきた。留学生が珍しいからだろう。そこにいるのはだけどね!

 ちょっと待った!

 リクも生きてて、閻魔も実在。

 って事は、まさか・・・・・。

 あーーー。あんな契約何でしたんだろ!

 1時限目のチャイムが、新しい生活を象徴するように鳴り響いた。

 



 閻魔はちゃんとここでの生活に馴染んでいた。

 休み時間は、いつものバカ男子に混じって遊んでいた。

 上から目線は封印気味のようだ。

 本当に普通の男子に見える。

 さっすが。

 4時限目のチャイムが鳴り、日直の森島が「起立!」と言った。

 「「「よろしくお願いしまーす」」」

 あたしはノートを取る合間に、閻魔をチラ見していた。

 得に変わった様子もなく、授業を聞いている。


 「・・・・・!狐ヶ浦!」

 

 「はい!」


 「問2の(1)。」


 「え?」

 

 「独立語入ってるのどれって奴。ほら、ここ。」

 前の席の福風がフォローを入れてくれた。

 

 「ああ、えっと、3と5です。」


 「はい、丸です。どうしたんだ狐ヶ浦?いつもはちゃんと答えるのに。」


 「すいません・・・・・」

 

 あたしは下を向きながら席に着いた。


 「ありがと、福風。」


 「どういたしまして。」

 

 後ろから笑い声がクスクス聞こえる。閻魔の奴笑いやがって・・・・・。

 


 お昼休みには、閻魔の周りに人だかりが出来た。


 女子は「ねえ、円間くんイケメンだよね!」


    「同じクラスだから、私いけるかも!」


    「「キャーーーー!」」


 イケメン転校生だもん。こうなるよねぇ。


 「凄いね円間。」


 「あ、うん。実奈ちゃんは興味ないの?」


 「私にはピオーネちゃんがいるから。」


 「そうだった。」


 親友の実奈ちゃんは、『キラキラ戦隊エモエール!』という少女アニメにはまっている。その中の、紫キャラ『エモエ・ピオーネ』を推しているみたいで、文具は基本紫一色だ。

 

 「ねえ、狐ヶ浦。」


 「どうしたのリンちゃん?」

 

 この子は魚邊うおなべ麟太朗りんたろう。通称リンちゃん。みんなの弟みたいな感じ。

  

 「円間から、何か感じない?」


 「え?」


 「いや、何でもないや。」

 

 「どうしたのさ?」

 

 「いいよ別に。」


 リンちゃん、どうしたんだろ・・・・・。

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