現実×SF×ファンタジーのノスタルジーな異色戦記物

兵器として運用される子供たちと、それに疑問を持ちながらファーストオーダーに従事する青年兵士。
登場人物たちの息遣いを丁寧な描写で紡ぎながら、その糸が戦いによって否応なく激しく絡まる様は切ないとしか言いようがない。

実在する場所(現実)で繰り広げられる、人型兵器(SF)と竜(ファンタジー)の戦いは必見。
ヨーロッパ、特にフランスの地理に詳しくない方はグーグルマップを見ながら読む事をオススメします。
部隊の移動なども非常に現実的で、驚かされました。

砂埃が舞い、血と硝煙とオイルの臭いが漂う戦記物でありながら、全体を通して流れるノスタルジックな雰囲気が心地いい作品。
戦記物を読んで、こんなに優しい気持ちになったのも初めてです。

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