16

胡桃さんが私に向かって微笑んでくれるのがどうにもくすぐったくて、胸がドキドキしてしまう。


「あ、そうだ。えっと、これ、ほんのお礼です。」


私はカバンに忍ばせていた小さな包みを胡桃さんに手渡す。

傘のお礼にと、迷惑にならない程度のものを買っておいたのだ。


「えっ。なんか逆に気を遣わせてすみません。…ありがたくいただきます。」


胡桃さんは少しの躊躇いの後、素直に受け取ってくれた。

それを見て、なぜだか私はほっとする。


「あ、そうだ。」


胡桃さんは思い立ったかのように、コンビニの袋をガサガサし始めた。


何だろう?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る