第14話
「探したんだぞ、さくら」
凌太もりっちゃんの後ろから、駆け寄って来た。
「二人共、どうしてここに?」
私が聞くと、二人は呆れたように目を見合わせた。
「『ノスタルジア』に行ったらさくらが出かけたって聞いて、神社を探しに来たんだよ!」
クラスで一番小柄女子で、ショートボブの髪がよく似合うりっちゃんは、いきなりがばっと私を抱きしめた。
「やっと会えたあ!!」
「り、りっちゃん…?」
黒いジャージの腕をまくり上げ、凌太は突然私の頭をチョップした。
「なにラブシーンやってんだ!こっちは心配して探してたってのに」
「大地だ!夏祭りでもないのに、どうしてここににいるの?!」
「祭りじゃなきゃ、いて悪いのか?…てか、さくらに触んなリョータ」
大地は凌太の帽子の先をつまみ、イライラした様子で睨みつけた。
「うわ!なんかめっちゃ睨まれてる、俺」
大地の迫力に怯えて体を離す凌太を見て、りっちゃんと私は笑った。
「どうして会いに来てくれたの?二人で」
私が聞くと、りっちゃんが私の両手を取って話し出した。
「変な誤解させてたかな、と思って。私達、内緒でさくらの誕生日をみんなで祝おうと思って、計画してたんだよ」
「……え?」
誕生日?
「明後日だろ?結月もその次の日引っ越しちゃうし。みんなで集まって、一緒に驚かせてやろうと思ってたんだよ」
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