そういう人だ

どうしてどうして


人は人を求めていた


人からの眼差し

人からの言葉


見てほしくて気にしてほしくて


人はどこまでも、端末の向こうの人を求めていた


こんなにも飢えるのは、寄る辺ない世の中を感じるから


けっして世界の主人が貴方ではないと気づいているから


だれもかれも


どうしてどうして、


求めずにはいられない


言葉を綴り、

自らを彩り、

知らぬ場所へ赴き、


私は人を求めていた


人の温もり

人の暖かさ


まるで赤子のように


その他大勢の一人としての世界における


自らの立ち位置を知ってしまった


私は、あの街灯だ。


人知れず、誰にも見られず、

輝き続けるあの街灯だ。


君も私も、


言葉を綴り、

自らを彩り、

知らぬ場所へ赴き、


赤子のように、本当は人を求めている


でも、


蔑むなかれ、恥じることなかれ


君はいつか、街灯のように人を人知れず照らす

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