九章 英雄に憧れて
一節 ネストダイバー連合結成
「ウチの団長に会って話を聞いてやってくれ」
先ほどまで管理省天幕前で暴れていたツクシは、ベリーニ三兄弟から懇願された。
「話があるなら、
ツクシが唸って返した。ツクシがいった「俺の宿」は酒場宿ヤマサンのことだ。そんな経緯で、ツクシ、ゴロウ、ヤマダ、ヴァンキッシュ冒険者団のアレス団長、その副団長のボゥイ、フィージャ、シャオシン、リュウ、ゲッコが同じ丸テーブル席に座っている。ヴァンキッシュ冒険者団の他の団員たちもいた。酒場宿ヤマサンは冒険者崩れどもだらけになっている。そのなかにニックやリッキーやハーヴェイの顔も交じっていた。
ツクシはヴァンキッシュ冒険者団と会談中なのである。
「下り階段の探索データを持って帰ったのは、ヴァンキッシュ
ツクシが唸った。
「そうだ、ツクシさん。アマデウス冒険者団だ。団長はシルヴァ・ファン・アマデウス。目立つネスト探索者団なかで奴らだけは俺たちの
アレス団長がゆったり頷いた。
ボゥイ副団長が猫耳と顔を横に向けたまま、
「団長のシルヴァは紫檀色の軽装鎧をいつも着ているキザな若造でな。ネスト探索者としては新顔だぜ。陸の中央でそこそこ名を売っていた連中らしいが――とにかく、あいつらは、あとからのこのこやってきて連合を主導させろとそんなことをいってきやがった。俺たちは当然、無視してやった。それで結果はこのザマだ」
「
本日のツクシは普段の倍増しで機嫌が悪い。
ずっと唸りっぱなしだ。
「俺たちの連合がエイシェント・オークの襲撃を受けたとき、俺たちの後ろからついてきてたのは、そのアマデウス冒険者団の連中と、ツクシさんたちの班――ネストダイバー九班だけだった」
アレス団長がツクシをまっすぐ見つめた。アレス団長は大柄な身体を硬革鎧で覆って、その上に大きな禿頭を乗せ、その顔は目、鼻、口とそれぞれ作りが大きく、全体に大きな印象を受ける男だ。
「ツクシ、探索ポイント・ランキングだ。ランキング一位は、アマデウス冒険者団になってる。つい二、三日前までランク外だった奴らが今は一位さ。下り階段発見で稼いだポイントが反映されたんだ」
ボゥイ副団長はツクシと目を合わせようとしない。
猫人の男性はたいていがこんな態度らしい。
ツクシだって似たようなものだ。
「ツクシ兄さん、俺たちはみんな、ハラワタが煮えくり返ってる!」
ニックがツクシの右耳の真横で叫んだ。
「ツクシ兄貴、俺たちの団だけで百人近くが死んだんだ!」
リッキーがツクシの左耳の真横で怒鳴った。ツクシの不機嫌な顔がニックとリッキーの顔に挟まれている形だ。ベリーニ三兄弟は顔を寄せて喋る癖がある。顔が近い。声がでかい。唾がかかる。ニックもリッキーも男性だ。ツクシは不機嫌の具合が極限まで高まっている。その表情でわかる。
「旦那、あのときヴァンキッシュ
ハーヴェイがツクシの真後ろでがっくりうなだれた。ツクシの後頭部にかろうじて頭がぶつからない距離だった。
「ツクシさん。あの日、ヴァンキッシュ連合が野営に入った隙をついて、北西区に先行したアマデウス冒険者団が下り階段の探索データを奪取したらしい」
アレス団長がいった。
「だが、探索データを奪取したあと、アマデウス冒険者団は戦わずに逃げた。北西区から隊列を組んで出現したあのエイシェント・オークどもは、アマデウス冒険者団を追撃してきたんだぜ。野営中の俺たちは、アマデウス冒険者団の無謀な計画に巻き込まれたってわけさ。もしかすると、やつらは追っ手を意図的に俺たちの連合へぶつけたのかも知れん。自分たちが逃げ切る目的で――」
ボゥイ副団長が歯を食いしばった。
ツクシは視線を斜め下に落として沈黙している。以前、似たような作戦を考えていたから気まずい。神妙な面持ちのゴロウ、ヤマダ、フィージャ、シャオシン、リュウも似たような心境だ。
「たった一日で
アレス団長が呻いた。
「――半数も死んだのか。アレス団長、このままお前たちの
リュウが強張った顔を上げた。
「いや、解散寸前ってところかな」
ボゥイ副団長が猫耳と顔を横に向けたままいった。
「そのアマデなんとかって冒険者団は王座の街にまだいるのか?」
ツクシが空になった自分のタンブラーを覗き込んだ。
「そうだ、ツクシさん――」
アレス団長が頷いた。
「奴らはいつも『酒場宿メルロース』にいるんだろ?」
ボゥイ副団長が周囲にいた団員たちへ目を向けた。
「ツクシ兄さん、あいつら大酒を浴びて毎日どんちゃん騒ぎしてるんだ!」
ニックがツクシの左から叫んだ。
「ツクシ兄貴、あの派手な遊びっぷりは、下り階段発見の報奨金だよ。白金貨四十枚だからな、間違いねーよ!」
リッキーがツクシの右から怒鳴った。
「メッ、メルロースゥ!」
ヤマダが顔を上に向けて絶叫した。
「メルロース? ああ、あの派手な色合いの天幕の酒場宿か。お高そうな娼婦が周辺でうろついているよな。ん? ヤマさんまで喚いてどうした?」
ツクシが超不機嫌になった顔をヤマダへ向けた。
「ツクシさん、
ヤマダは硬く握った両拳を卓上で震わせている。
「へ、へえ、メルロースの経営者はなかなかやり手なんだな。ま、まあ、ヤマさんほどじゃないと思うぜ、うん」
起爆寸前の気配を感じたツクシは適当に話を流そうとしたが、
「やり手じゃないっすよ、政商っすよ、ツクシさん!」
ヤマダがズダンと右拳で卓を叩いた。
「お、おう、落ち着けよ、ヤマさん。政商ってなんのことだ――?」
顔を引きつらせてツクシが訊いた。
金目の話になるとヤマダは怖い。
「酒場宿メルロースには、タラリオンの上層部と関わり合いが深い、ウェルザー海運商会が出資してるっす。それに、あそこの実質の経営者はバルテルミっていう名前の貴族っすからね。メルロースはネスト管理省と癒着してやりたい放題なんすよ。王座の街中央区の一等地で堂々と娼婦を飼って客引きしてるの、あの店だけっすからね。くっそ、くっそおーッ!」
ヤマダはズダンズダンッと両拳で卓を激しく叩きながら咆哮した。酒場宿ヤマサンのオーナーであるヤマダは王座の街の商売情勢や法令に詳しい。王座の街で娼館を営むのは表面上禁止になっている。もっとも、個人として身をひさぐのは暗黙のうちに見逃されているようであったが――。
「――ウェルザーだと?」
ツクシが怪訝な顔になった。下がり眉で常に困っているような態度であっても、ふてぶてしい思考と横紙破りが信条の若い騎士の顔が脳裏をよぎる。
三ツ首鷲の騎士ジークリット・ウェルザーである。
「あの大海運商会がネストの娼館の経営に絡んでるのか。随分とまァこすっ辛い真似をするよなァ――」
ゴロウが髭面に苦笑いを浮かべた。
「ゴロウさん、こっちは大迷惑っすよ!」
ヤマダがゴロウに吼えかかった。
「ま、まァ、落ち着けよ、ヤマ、な?」
ゴロウがヤマダの肩に手を置いた。
ヤマダは身体をガクガク震わせながら歯ぎしりの音を撒き散らしている。
「――なあ、そのメルロースって娼館に、アマデウス冒険者団の連中がまだ滞在しているのか?」
ツクシがアレス団長を見やった。
「ああ、そうだ、ツクシさん――」
アレス団長が重く頷くと周囲でざわざわとしていた団員たちが一斉に押し黙った。
「ヴァンキッシュ連合を出し抜いて下り階段の探索データを持って帰った連中がか?」
リュウが呟いた。
「エイシェント・オークを引きつれてきて連合を轢き殺した連中が、まだのん気に
フィージャが無い眉根を寄せて訊いた。
「揉め事が起こりそうなものじゃがの。ヴァンキッシュ連合の人数はアマデウス冒険者団よりも、ずっと多いのじゃろ?」
シャオシンが小首を傾げると、
「ゲロゲロ」
ゲッコが喉の奥で鳴いた。
この鳴き声に特別な意味はないようだ。
「奴らの居場所がわかっているなら、お前らでお礼参りをすればいいじゃねェか。そういう話なら乗らないぜ。俺は雇われの鉄砲玉じゃねえからな」
ツクシが口角をぐにゃりと歪めた。
天幕の酒場がしばらく沈黙したあと、
「殴り込みか。ツクシさん、俺たちだって心情的には――」
アレス団長がのっぺりとした口調でいった。
「何だよ、ここの警備隊がお前らは怖いのか、あ?」
ツクシが煽りを入れる。
「腰抜ケ腰抜ケ。ゲッゲッ!」
ゲッコがゲコゲコ笑った。
「ツクシさん――」
アレス団長がゆっくり立ち上がった。そのままツクシを黙って見ろしたアレス団長はなかなか迫力がある。周囲にいる五十名余のヴァンキッシュ団員たちは見るからに殺気立っていた。その殺気はすべて椅子の上で口角を歪めるツクシへ向かっている。
頭と灰色の猫耳を小さく振って、ボゥイ副団長が椅子から腰を浮かせた。その右手は革ベルトから吊られた導式ウィップへ伸びている。これは細長い金属の柄から導式で生成した鞭を射出する導式具だ。猫人族の導式の担い手は珍しい。
アレス団長の大きな右手が立ち上がろうとしたボゥイ副団長の肩にかかって止めた。ボゥイ副団長がアレス団をまっすぐ見つめた。その視線に頷いて返したアレス団長は後ろへ下がった。背後に控えていた団員たちは団長のために場所を空けた。
そうして、アレス団長は片膝をつき、両膝をつき、両手をつき額を石床へつけ――。
「――ゲゲッ、ソレハ!」
ゲッコが身を固めた。
その姿勢はリザードマン族にとって特別な覚悟を示すものだった。
アレス団長は床で土下座である。
「あのなあ、オッサン――」
ツクシは顔を歪めた。
「ああよォ――」
ゴロウは困り顔だ。
「うーん――」
ヤマダがうつむいた。
「アレス団長、頭を下げればなんでも通るわけではないのだぞ?」
リュウは困惑している顔つきだ。
「これは困りましたね――」
無い眉を寄せたフィージャが、ツクシへ視線を送ったが、そのツクシも困っている様子だった。
「
シャオシンはアレス団長の土下座を見つめている。
「ツクシさん、この通りだ。ヴァンキッシュ連合に手を貸してくれ――」
顔を上げずに、アレス団長がいった。
「親父――」
ボゥイ副団長が内面の痛みで歪んだ顔を逸らした。
「ツクシ兄さん!」
ツクシの耳元でニックが叫んだ。右である。
「ツクシの兄貴、助けてくれよ!」
ツクシの耳元でリッキーが怒鳴った。左である。
「ツクシの旦那、団長をここで男にしてやってくれよ。な、な、な、頼むよ!」
ハーヴェイが後ろからツクシに抱き着いた。
「暑苦しい! 俺に近寄るんじゃねェ! さっきもいっただろう。どれだけ金を出されても雇われの鉄砲玉は断固としてお断りだ。そもそも、俺が知ったことか、お前らの都合なんかよ!」
ツクシは暴れてハーヴェイ三兄弟を追い払った。
「ツクシさん。俺たちはあんたに
アレス団長は顔だけ上げていった。
「ああ、そっちの話なのか――」
ツクシは視線を落とした。
「なァ、ツクシ」
ゴロウが声をかけた。
「おう――?」
ツクシが返事と一緒にゴロウへ視線を送った。
「何はともあれだぜ。北西区に固まってるエイシェント・オークの群れを何とかしねえと、地下十階層にはいけねえよなァ?」
ゴロウはツクシだけに意見を求めている感じではない。
「今のところ、ネスト制圧軍団は静観しているだけっすからねえ――」
ヤマダが頷いた。
「王国軍、腰抜ケ揃イ。ゲッゲッ!」
ゲッコは笑っている。
「確かに下り階段周辺からエイシェント・オークの残党が動かないとなると、それらと戦わずには通れんな」
リュウが椅子の背もたれに体重を預けて腕組みした。
「ツクシさん、各探索者団が別行動をして混乱が起こったら、また逃げ帰ることになりますよね」
フィージャがツクシへ狼の顔を向ける。
「ひとが多いほうが、安心といえば安心じゃがの――」
うつむいたシャオシンはあまり気乗りしない様子である。
「こいつら、戦力になると思うか?」
ツクシがいった。荒っぽい冒険者崩れの前での発言だが、今のツクシの声に彼らを煽るような調子は含まれていなかった。ボゥイ副団長も丸テーブル席を囲む団員たちも目を伏せた。
不意打ちだったとはいえ、ヴァンキッシュ連合は何もできずに半壊したのだ――。
「頼む、この通りだ、ツクシさん――」
アレス団長がハゲ頭を床へ擦りつけた。
「――地形探索データの分の賃金は折半で構わん。だが、異形種討伐金の折半は御免被るぜ。命を張るのは俺たちだ。俺たちの荷物もお前らの荷物も手前らの団からひと手を出して全部運べ。俺の班はでかい荷を運べるほどの人数がない。ヤバイと判断したら俺たちは勝手に
ツクシが条件を提示した。
「それでいい。それでかまわん」
アレス団長がのっぺりとした声を床へ流した。
彼の周囲からは反対の声は出なかった。
「――なら、まあ、好きにしろ」
ツクシは投げやりにいった。
こちらの周囲からも反対の声は上がらない。
「――や、やった!」
ニックが声を上げた。
「サムライ・ナイトにリザードマンが連合の仲間だぞ!」
リッキーが周囲を見回しながらいった。
「こうしちゃいられねえ、兄弟、連合に参加している団長連中へ伝えてこい!」
ハーヴェイがいうと、
「ニック、行くぜ!」
「うん、リッキー兄さん!」
返事をしたニックとリッキーが酒場宿ヤマサンから飛び出ていった。彼らの様子を見ると、どうやらエイシェント・オーク・スパルタンを一刀の元に葬ったツクシを見たベリーニ三兄弟がアレス団長へ入れ知恵をしたようである。
「団長、よかったなあ。あれ、どうしたよ、団長?」
ハーヴェイが呼びかけたが、まだアレス団長は土下座だった。
鋲を打った革鎧で覆われたその大きな肩が震えている。
「何だよ、オッサン、泣いてるのか。面倒くせェな。土下座はもういいから椅子に座れよ――」
ツクシが不機嫌な顔を横に向けた。
「――ツクシさん!」
アレス団長が顔を上げた。
「何だよ、いきなり大声で――」
ツクシが面倒そうに応えた。
「新しい連合の立ち上げ祝いだ。俺の杯を受けてくれ。おい、そこの坊ちゃん、最初はシャンペンだ。あとは適当に、ここにいる人数分、じゃんじゃん酒を持って来い」
アレス団長が団員の人垣にシレッと紛れ込んで情報収集していたテトへ声をかけた。
「だ、だから、坊ちゃんって違うからね。テトは女の子、女の子――」
うつむいて肩を震わせたテトは自分自身に呼びかけて自分を納得させたあと、
「はぁい、お客様、今すぐ持ってまいりマス!」
「おい、オッサンの奢りでいいのか?」
姿勢を正したツクシがアレス団長へまっすぐ視線を送った。
「もちろんだ。ツクシさん、好きなだけやってくれ」
アレス団長が大きな笑顔を見せた。
これでツクシのアレス団長に対する好感度が天井近くまでハネ上がった。
実に単純な男である。
「――たいへん、お待たせしまシタ!」
テトの乱暴な挨拶と一緒にお盆がガシャンと丸テーブル席へ届いた。盆の上にあるのは多くの杯とスパークリング・ワインの瓶が何本かである。
「話はこれで決まりだな。他のみんなも杯をとれ。サムライ・ナイトの腕がどんなものか、期待をしてるぜ、ツクシ」
歩み寄ったボゥイ副団長が運ばれてきたボトルの栓を抜くと、スポンと飛んだコルクが天幕の天井へ当たる。
ツクシは空の杯を突き出して、
「俺たちの足を引っ張るなよ、猫耳野郎。ああ、あとな、俺はそのサムライ・ナイトってやつじゃ――」
「――では、ヴァンキッシュ――いや、ネストダイバー
アレス団長の発した乾杯の音頭と、それに応じる男たちの声で、ツクシの発言は掻き消された。すぐ連絡を受けた
「九階層の北西区へ足を向ける探索者団はないぜ。探索者団ごとなくったといったほうが正しいのか?」
ボゥイ副隊長が皮肉っぽく笑った。地下九階層の下り階段周辺に集結しているエイシェント・オークの残党軍はまだ頑強な組織を誇っているようで、そこへ足を踏み入れた探索者はほとんどが生きて戻ってこれないようだ。実際、まだ地下十階層の地図はネスト管理省天幕前の立体掲示板に表示されていない。
色々と細かい話をしている最中である。
「ん、シャオシンが見当たらんな?」
リュウが気づいた。
「リュウ、シャオシンならさっきテトと一緒に出かけたよ。何か用事があるってさ」
付近で給仕をしていた中年の女が応えた。この彼女はネストで死んだラモン・パルミロの嫁で名をアマンダという。アマンダは最近になって酒場宿ヤマサンの仕事を手伝うようになった女性だ。同じくネストで死んだペーターの嫁も酒場宿ヤマサンで働いている。双方ともメンドゥーサ一家の口利きだ。
「――そうか。ありがとう、アマンダ」
リュウが酒の杯を卓に置いた。
「ご主人さまとテトは、どこへ行ったのでしょうか?」
フィージャも水のグラスを卓に置いた。
「黙って出かけるのは感心せんな」
リュウが呟いた。
「
フィージャは無い眉をひそめた。
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