素直に応援しよう

「フォートナイト」というオンラインゲームがある。

これは世界的に有名なゲームで、ジャンルはガンシューティングということになるだろうが、100名が参加し最後の一人(ペア対戦なら最後のひとペア)が優勝、という生き残りバトルロイヤルゲームである。先日、星野源がゲーム内のイベントに登場したことも話題になった。

 筆者は、最近長くやっていたオンラインゲームに飽きたので、何か別のはないかと思っていたところこのゲームを思い出した。私の好きなのはRPG系なため、シューティングは畑違いではあるのだが、やってみると面白いかも? と挑戦してみた。

 確かに面白いは面白い。でもこのゲーム、努力とか勉強とかそういうものも必要ではあるが、ある一定以上のレベルになると「センス」の問題だろうと思った。言い換えると、タレント(才能)ね。それは努力では埋めようのないものである。



 ちょっと前、このフォートナイトというゲームは大人だけでなく小学生にも人気だというニュースがあった。なので、ウチの二人の子ども(小5と小2)にも勧めてみた。最初はえ~という感じだったのだが、一度やってみると楽しさが分かったらしい。それまではマインクラフト一本槍だったのだが、このゲームも合間にたしなむようになった。

 勧めた私のほうは、相変わらず弾を他プレイヤーになかなか当てられず、気付かないうちに撃たれ死にまくるというのに、子どもたちのほうはメキメキ腕を上げていった。ついにある日、二人の子どもは最後まで生き残り優勝を手にした。

 子どものほうも結果が出せることで意欲が増し、私が褒めるものだからさらにやる気が出た。二人の子どもは、一人一台のモニターで協力プレイがしたいというので、フォートナイトが出来る環境(ゲーム機とモニター)を二つ用意した。今二人の子どもはデュオを組み、ヘッドセットで作戦を会話しながらプレイしている。

 今では、3~4回のプレイで一度は優勝、そうでなくとも10位以内には当たり前に入るまでになった。



 そこまでになると、私は自分ではフォートナイトをプレイしなくなった。

 何も子どもに負けてめげて、とかどうせ子どもよりはうまくならない、とかいう卑屈さからあきらめたのではない。ただ、応援している方が楽しい、と分かっただけだ。子どもたちのプレイは「なんでそんなふうに当てれるの?」というくらい遠くの敵に攻撃を命中させる。

 たいていの人は、TVや映画で役者の演技を見て楽しむでしょう。なぜか? 自分が演じるより、そういうのに才能があり実際にうまい人のものを見る方が楽しいからでしょう。それで、見るだけの視聴者は何も問題に感じない。自分が演じられない、というところに特に残念さなど感じないでしょう?



●あなたに夢がある場合。

 ちゃんとどこかで自分を「見極め」ましょう。

 で、自分がそれに向いてないと分かったら、向いてる人を応援する側に回りましょう。そのほうが、あきらめることをよくないこととして意地で頑張り続けることの百倍幸せです!



 皆さんが洗脳されている言葉の一つに、「あきらめなければ夢はかなう」というのがありますが、あれは真っ赤なウソです。

 この言葉が有効なのは、せっかく見込みのある者が辛さや色々な問題のゆえに夢をあきらめてしまうという、非常に「もったいない」ケースでのみ。去られるには惜しい人材にこそかける言葉であり、これ以上やってもその人にとっては「他のことに時間を費やした方が有意義」という人にこの言葉を言うのは意地悪です。

 筆者は、やっぱりこういうメッセージを発信することが一番向いているし、人に誇れる使命であり才能なんですな。ただ、他はビミョーである。フォートナイトは、やっぱり私には向いていない。

 だからこそ、今は素直に我が子を応援しサポートする側に回っている。しかもそこに喜びがある。自身ではもうボクシングはしないものの、矢吹ジョーという素晴らしい才能を見つけて教え伸ばすことに喜びを感じる丹下段平の気持ちが分かる。

 ちゃんと学校で勉強することももちろん大事だが、こういう方面でも伸ばしていけば、どこでどううまく飯のタネに繋がっていくか分からないから面白い。

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