Q&Aのコーナー第八十七回「スピリチュアル業界のセッション料が割高な理由」
Q.
なぜ、スピリチュアルの世界のセッション料というのは全体的に割高なのですか?
A.
知りません。(笑)
勝手な想像をゆるしてもらえるなら、単純にお金が欲しいだけではないですか? それも、多く得られるならそれに越したことはない。
あと、装備している剣や鎧兜が立派なら、強い武将に見えるでしょう。高額なセッション料にはそんな意味合いもあるのではないでしょうか。
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今からする話は、間違っても正解などではない。
筆者も、多くのセッション依頼を受けた過去があり、現在でも細々とではあるが続けている。だから私が答えられるのは自分のケースに関してだけだ。
他でのセッション料が高いのは、本人に聞けるわけでもないから勝手な想像でしかないが、聞いてもおそらくホンネは言わないだろう。当たり障りのない、きれいごとに類する説明しか得られないだろう。
私の場合は、「テキトー」である。とりあえず、これだけあったら光熱費払ってしばらく生きれるな、というのが値段付けの動機になっている。
値段設定に、根拠などない。いや、ちゃんとあるという先生がいたら逆に教えてくれ。そしてお客にも伝えてほしい。
お店で買う製品は、原料や工場での製造コスト、広告費など様々なお金が計上された上で利益が出るよう設定されている。こういうものなら、数字で誰の眼にも明らかなので、これこれこういうお値段になりますと言われても納得しやすい。
一番困るのが「美術品」である。あと、なんでも鑑定団という番組が世にはやらせた『お宝』というものである。
美術品の中には、素人の眼からも「これは見事だ」と思える、分かりやすくうまい絵もあれば、おかしな線がのたくってるだけで「なんじゃこりゃ?」としか思えないような絵画でも、どこぞの巨匠や美術評論家が「これイイ!」と言ってしまえば億の値が付いたりする。
そういうったものには、ある特徴がある。
●それが欲しい、ないし興味があるという人間以外には何の価値もない。
パンやお米とかだったら、ほとんどの人にとってそう変わらない同じような価値がある。しかし、美術品や趣味に関わるものなら話が変わる。
昔だったらビックリマンチョコのレアシール、遊戯王とかのレアカードなど、高額で取引されている。でも、興味がない人間にしたらただの紙屑である。(ただし、好きな人には価値があることを知って売ってカネにしたいと思えば誰にとっても価値が出るが、その話までしたら長くなりすぎるのでナシ!)
そんなもの、原価にしたら数円もないんじゃないか。それが場合によっちゃ百万円以上よ? 絵だって、かかる労力は別として絵具代とキャンバス代くらいなものだろう。それがものすごいオカネに化けるのだから、一度成功してしまったら味を占めてやめられない世界だろう。
つまりは、こういうものの宿命として「万民が納得できるような価値の根拠を示すことは無理」だということだ。それに好意的な感情を持つものにしか通用しない値段である、ということだ。それは裏を返せば「普通の人ならそんな金額を払わないが、払いたいという人ならいかに高額でも払う」ということだ。
そして、値段がすごいだけに大勢の人が「これ高いわ~」と敬遠しても、たった数人でも食いついてくれたら、それで儲かってしまうのだ。そこが、狙い目なのだ。
●その先生がする一回のセッションにいくらほどの価値があるのかという、神の視点からの絶対値は誰にも分からない。
分からないから、皆自己イメージや自信、これだけ稼げたらいいなぁという願望などが下地となった値段設定になる。
あと、値段が高い=よいもの・確かなものという勘違いが世の人にはあるため、それを利用する形となっている。
筆者でも、その感覚は抜けてない。
お店に行ったら、同じ商品でも値段の安いものよりも高いもののほうが「質の良い」商品だろうと思うもの。
この問題の難しい点は、「95%くらいはその考え方で正しい」という点。問題は、値段が高いのに実のところ価値はそれほどでもない、というものが5%程度存在するという点。
たとえば、一般的に広く売られる商品なら大勢が使うため、ダメな部分があればすぐに巷に情報が広まる。で、早晩メーカーはその評判の悪い商品を引っ込めることになる。
しかし。スピリチュアルのセッションなどそうはいかない。占いの先生などというものも同じようなものだろう。大勢の眼に触れるわけではないし、そもそもそういう人のもとへお金を払ってでも会いに行こうという人は、好意的な感情を抱いている場合がほとんどである。つまり、財布のひもはゆるいのだ。
先生の側も、話した感触で思うことがあるはずだ。「この人だったら、今1万円って言ってるけど5万円って言っても出してくれそうだな」と。
で、一般向けの商品のように大勢の眼にもさらされず、好意的な人ばかりが客となるその世界では、摩訶不思議な料金設定がまかり通り続けることになる。
もちろん、そこに色々な言い訳があることも知っている。
霊界とか持ち出して、このセッションの価値は霊的にこんなにあるから、もし私が厚意で値段を下げたりして「正しいその価値に見合わない」ものしか客が出さなかったら、それは天に負債を負うこととなり、災いが襲いかねない。だから私は、お客さんを守るためにも本当に見合った価格を提示しているのだ、という理屈。それで十万円以上とかね!
あとは、心理ブロックとかいう話を持ち出すこともある。「それ高っ!」って思ってしまうのがそもそも体に染みついた考え方のクセであり、それがあなたが豊かになるのを妨害している、と。だから豊かさマインド(私は豊かである。これだって払える私である)を持つことで、よい展開を起こせるのだ。
いわば、それが払えるということが「最初の試験」になっているというわけですな。豊かさに招き入れられるための資格というか。で、払った人は払ったそのなにかに価値があることよりも「自分が払えた!というところに満足の大きな軸足がある」ので、セッションの中身がどうでもそう苦情は出ないのだ。
あと、冒頭のQ&Aのところで書いたが、料金を高くすることで見る側が「堂々とそういう値段をつけてくるということは、それだけすごいのかな」と思わせることに成功することがあるからだ。大勢には顔をしかめられてもいい、もとよりその覚悟である。1000人がその広告を眺め997人が顔をしかめても、たった3人が一人十万でもくれてみなさい。最低限暮らしていけますぜ?
色々書いたが、まぁ言えるのは先生が色々理由を言ってくるだろうが、この世に「スピリチュアルなセッションの正味のお値段」なんて言える確固たるものは存在しないということ。美術品やコレクター商品と一緒で、好きな人にしか価値はないのだから、ある程度割り切ることも必要。
好きなら、本人が本望なら、別に好きなだけ払ってもいいんではない? ただし、後になって後悔したり「金返せ!」なんて恥ずかしいことは言わないように。
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