全米は泣かない
映画の宣伝のあるある。
『全米が泣いた』
『~を超えて、興行収入1位!』
当たり前だが、全米が泣くわけがない。でも、「みんなは泣かないぞ! 調べたんか!」といちいち突っ込む人はいない。
これは「それだけ泣ける映画ですよ」ということが言いたいんだな……
そのように好意的かつ寛容に理解できるから、映画製作側もそのような「誇張された言葉」を宣伝のために言えてしまうのだ。
その昔、『E.T.』を抜いて1位と宣伝されたあるSF映画があった。
『もののけ姫』を抜いて1位! と宣伝されたあるアニメ映画があった。
でもそれは、純粋に引き合いに出したすごい映画を抜いて1位なんではないらしい。どこかが勝っていれば、細かいことを言わずに1位と言ってしまうものらしい。
例えば、上映期間の全部のトータルでは勝っていなくても、ある一部の期間(例えば、公開後一週間とか)何かの名作を上回っていたら、大げさに「これこれのすごい名作を抜いて」とか言ってしまうものらしい。まったくのウソではないので、ちと確信犯的に「言葉を省く」だけなので、言う方もそれほど良心は痛まない。だって、食っていくためだから。
つまり、何かしらの勝てる「長所」を必死に探し、アピールするようなのだ。
よく、~を抜いて1位とかいう言い方をする場合には、まったくのウソではないが「話を盛っている」のだということは、知っておいてもよいだろう。
宗教やスピリチュアルも、そのようなものだと思う今日この頃。
すべて言葉で表現する「真理」や「法則」は、本当に「真理」でも「法則」でもない。当たっているケースもよくあるという程度のことで、いつ何時でも絶対なものなどない。
スピリチュアルメッセージは、すべてある状況下にいる者に語られるものである。決して「すべての人」に対応はしない。
この世界はすべてに二面性があるため(陰陽)、何かが成り立つとき、必ずその逆も成り立つ。「こう生きるべき」「こうすることで幸せになる」と説いても、必ずそれが「合わない」「その通りにしても成功者が言うような結果にならない」ことがまず間違いなくある。
人は自らの成功体験から、「こうするといい」を語るが、それはあくまでもその人自身限定の経験であり、一期一会。
他人が真似をしたから同じようにうまくいくとか、それは分からない。
発信者は、「私はこれで成功した。だからあなたにもできる」という考えで厚意から語るが、あなたと他人は違うのだ。そこを分かっていない。
もちろん、成功することもたまにあるので、スピリチュアル本でも引き寄せ本でも見てやってみたらいい。ただ、おおらかな気持ちでやってほしい。決して「絶対に正しい」「正しいんだから、仮にうまくいかなかったら悪いのは自分だ(だって法則は真理だから)」というのはやめよう。
すべての精神世界的教えは、映画の宣伝と同じである。
まったくのウソではなく、ある面の真実は突いてはいるが、どんな場合でも通用する、というほどの厳しい基準はクリアしてない。当たってることもあるよね、という程度のこと。
決して全米は泣かないが、「感動的な映画」ではある。本当にすべての面で過去の名作に勝っているわけでなくても、ある部分を抽出すれば勝っているとも言える。
スピリチュアルも、そのようなものであると知って、適切な距離感で付き合ってほしい。「真理」という笑える言葉は使わないでほしい。ホント笑えるから。
そういうことを言ってるものとは、距離を置かれることをオススメする。
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