春が来た


『春が来た』という唱歌を皆さん知っていると思う。

 調べたところ、この歌の著作権は切れているので、歌詞を掲載する。



●春が来た 春が来た どこに来た

 山に来た 里に来た 野にも来た



 皆さん、これ歌えますよね?

 小学校の音楽の授業で、それを「たぬきが歌ったら、どうなる?」という問題を先生が出したことがあった。先生は、茶目っ気たっぷりに「た」を抜いた歌い方を皆に歌わせた。



●春が来 春が来 どこに来

 山に来 里に来 野にも来



 本来「た~」と伸ばすところを寸止めで無言にするので、とてもおかしくて笑える。ただクラスにひとりくらいは、どんくさいやつ(またはウケ狙いのひょうきん者)がいて、皆、「来」で止めてるのに「た~」と一人だけちゃんと歌う奴がいて、大爆笑! 受け狙いなのか天然なのかはもはや個性である。

 一度なら笑って済ませられるが、でもこれ図に乗ってしつこく何度もやると嫌われる。(笑)こういうところで、子どもは「空気を読む勉強」をする。引き際を見誤ると、友達との関係どころか先生からの評価にまで悪影響がある。



 遊び心で、「た」を抜く歌い方をしてみるみたいに——

 スピリチュアル実践者の皆さん。「スピリチュアル用語抜き」生活を一週間、いや数日でもしてみませんか?

 使うのをやめることで、面白い発見があるかもしれませんよ。

 案外、使わないほうが世界がよく見えてくるかもしれません。

 友達が増えるかもしれません。(スピリチュアル関係でない、まともな)

 案外使わなくても生活できるな、と思うのではないでしょうか。いや、使わないほうがええな、くらい実感される人も出てくるかも。



【初級編】


 アセンション

 次元上昇

 高次元

 無条件の愛

 ブロック

 浄化

 潜在意識

 ハート

 マインド

 グラウンディング

 インナーチャイルド

 バシャールをはじめとする宇宙人の名前全般

 古代文明を表す固有名詞

 日本の神々の名前

 パラレルワールド

 左脳・右脳

 天使



 まぁ、無くても困らんでしょ。(初級でも、真剣にやってると困るものも?)

 では、次はちょっと人によってはないと苦しい中級編、使わないとスピ話にならない上級編!



【中級編】


 エネルギー

 ワンネス

 チャクラ

 波動

 引き寄せ

 投影

 オーラ

 中庸 (ニュートラル)

 男性性・女性性



 【上級編】


 神

 悟り

 空 (くう)

 つながる (例:高次元意識)

 スピリチュアル

 エゴ 

 チャネリング

 魂(たましい)

 愛



 ひとつ誤解していただきたくないのは、今挙げたこられの言葉の指す内容が誤りであるとか、価値がないと言っているわけではないことに注意。

 ただ、そんなに口にしたりしょちゅう考えてなくても、結構いけるっしょ? かえって身も心も軽くなるっしょ? ということをお伝えしたいのだ。

 スピリチュアル実践者は、ちとそういう内容を一日のうちで 「考え過ぎ」。

 たとえば筆者は日常、スピリチュアルなことをまったく考えていない。 

 普段の生活は、スピリチュアルを知らない一般人そのもののごとしである。普段考えることも振る舞いも。じゃあ、本書を書く時、動画配信をしている時だけ考えているのだろうか?

 いや、その時も考えていない。

 ということは、ある意味で私はスピリチュアルをまったくやっていない?



 私の文章やしゃべりは、ただの翻訳作業・書き写し(転写)作業に過ぎない。

 言葉を選ぶという意味では思考を使っているのだろうが、話しているその瞬間に内容そのものにはまったく思いが行かない。だから、しゃべった後で「僕、何言ってた?」ということはある。私は多分、スピリチュアル実践者の誰よりもスピリチュアルなことを考えていない。



 それで、いけるんっすよ。

 皆、スピリチュアルにちょっと気合い入り過ぎなんですよ。

 まず「たぬき」から初めて、「名無し」とか「消しゴム」とか、もっと条件付けてチャレンジしてみるのも面白いです。自分が、いかに無駄なワードに絡め取られているか、人間が勝手に作り上げてしまった概念(なのに真理だと思われてしまっているもの)に毒されているかが分かる。

 上記ワードのほとんどを、覚者や指導者以外は皆実感なく、そんなものかな程度に使い、どこか分かった気になっている。(実は覚者や指導者だって怪しい) 生活に必要な言葉だけで、スピリチュアルをやってない人に使う言葉だけで結構幸せにやれることに気付くと、それが目覚めである。

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