ババ抜きの下処理思考

 ある時筆者は、次のような質問を受けた。



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 筆者さんが 『宇宙で起こることに意味はない』と書いてある記事を読みました。

 でも、他の記事で『病気はあなたへのメッセージ』だと書いていたと記憶しています。え、すべてに意味はないのに……意味がある?

 この矛盾はどういうことなんでしょう? 教えてください。



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 私は、この質問者の考え方の特徴をこう呼ぼう。



●ババ抜きの下処理思考



 皆さんは、トランプの『ババ抜き』は知っているだろう。

 まず、それぞれの手札が配られたら、ゲーム開始までに自分ですべきことがありますよね?

 そう。『2と2、8と8とか二枚ある同じ数字のカードを場に捨てていく』という作業。

 その際、プレイヤーの中で働いている思考回路は、実に単純。

 同じと判別できるもの同士をマッチングする、という実に簡単な作業。

 神意識である人間が使う認識技法・思索技法としては初歩中の初歩。こればっかり日常で使っていたら、日々ショボくれたことしか考えられない。



 例えば、今回の質問の場合を考えてみよう。

 筆者が本書のある箇所で、「すべて起こることに意味がない」と言っている。

 ここで、単純平面思考しかできない人は、頭の中でこう変換する。



●どんな場合でも、例外なくすべてに「意味がない」。



 だから、そこにまた別のカード「病気はメッセージ」をもらった時に——

 2と2、を同じとして場に捨てるように、「同一の世界観」として同じテーブルにのせて考える。であるから、一方で意味が無いと言い、一方ではあると言っているわけだから、私は言ってることがおかしい・筋が通らない、となる。

 その人の中では、単純に「すべてのことには意味がある? Yes or No」という浅さでしか考えられないのだ。しかし、物事はそう単純ではない。



 例えば、ゲーム機があるとしよう。プレステでも任天堂switchでもいい。

 実は、「ゲーム機」などというものは宇宙に存在しない。このことは、多少悟り系スピリチュアルをかじった人になら容易に意味が分かるだろう。この意味が分からないなら、本書に手を出すのは十年早い。

 人間の自我が、頭の中だけで「ゲーム機」というものとして認識をしているだけで、ゲーム機、などという確固としたものとしては存在しない。宇宙的には、ただの金属とプラスチックの集まったかたまりである。ゲーム機という意味あるものとして捉えるのは人間の頭の中の都合だけである。

 でも、やっぱり我々人間側の視点としては、「ゲーム機」なわけだ。遊び道具としての意味が、そこにはある。

 本だって、宇宙視点ではだだの紙の集合体だ。印刷された文字も、インク成分の一定の分子配列だ。

 本そのものに本来の意味も何もないが、文字を読んで頭で理解できる人間が「本」 と認識してそこに独特の「価値」を創造する。本来はない価値を、人間だけに通用する価値として生みだすのだ。

 


●大きな宇宙視点では、「すべてに意味はない」。

 しかし、人間主観の視点では「意味がある」。



 ゲームは、単にモニターという機械上の画素の明滅パターンが複雑に繰り返されているだけ。

 でも、人間には「スーパーマリオブラザーズ」のゲームのように、意味ある世界観をそこに見ることができる。こういう認識の仕方を——



●ルービックキューブ的思考



 ……とでも名付けようか。

 つまり、ババ抜きの下処理のように、同じと判別できるものをくっつけるだけの単純思考ではなく、縦も横も斜めも奥行きも加味して考えられる思考だ。

 こちらを使う方が、洞察力が増す。気付きが増える。平面をなぞるだけでなく、そこに「奥行き」を読み取ることができる。この資質が、スピリチュアルに健全に取り組む上で必要な資質になってくる。

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