TRICK ~トリック~
一流のマジシャンが常に気を配っていることは何か?
それは、タネをばらさないことである。
美しい手品は、最後まで観客にタネを悟らせることなく「不思議だ!すごい!」と思わせて終わる。
古いお笑い芸人を引き合いに出して済まないが、ナポレオンズというコンビががウケ狙いでわざとタネがバレるようにする例もあるが、それはまた別の話。
では、マジシャンがタネに気付かれないようにするためのテクニックとは?
●観客の注目を、マジシャンが意図するところに集めておく。
実は、そこから離れた部分に、マジックのタネがある場合が多い。
派手なパフォーマンスや話術で、観客の注意をそらすのだ。
その裏には、「ここは注目されたくない」という意図がある。そこに気付かれたら、タネに気付かれる場合がある。
漫才チックなマジックショーとは違い、マジ(本気)のショーであれば、観客に気付かれたら「アハッ、バレちゃったかぁ」では済まない。プロとしてのマジシャンの敗北である。
人の人生は、エゴという手品師によって手品を見せられているようなものだ。
私たちは、自分の内を見るより、外側に重点を置いて見がちだ。
人を批判する。腹を立てる。どうして? なぜ? おかしい。理不尽だ。
自分のことは棚に上げ、自分の基準に合わないものを攻撃することに忙しい。そのくせに一方で 「どうやったら幸せになれるか」と悩んでいたり頑張っていたりする。それはまるで、穴の開いているボートにどんどん水を入れているようなものだ。
入れるそばから、どんどん漏れていく。それを見て「なぜいっぱいに溜まらないのだろう?」 と不思議がる。愚かとしか、言いようがない。
そのように、エゴという名のマジシャンに騙されている人が多い。
イリュージョンに見事に引っかかり、エゴの意図通りに、宇宙の主人公であるあなたの注意を「他人や外側の世界」に向けさせている。あなたは正しく、逆にそれらは「間違っている」と見える一流の奇術(イリュージョン)である。
●あなたが外側に見る一切のものは、あなた自身が何者であるかに関するヒントデータ集である。自分を認識するために存在してくれるものである。
間違っても、相手に誤ったイメージの命を吹き込むためのものではない。しかし、エゴは一流のマジシャンとして、必死にあなたをだましてくる。
なぜって? 面白いからである。
筆者には時々、ちょっと口の悪い批判コメントが寄せられる。
私は遠慮なく、そんなものは削除する。公開しない。
それすらきちんと載せるのが模範的な姿勢だと、誰が決めた? 自分がその立場でないから、要求できるのだ。
私は、最初から批判コメントは全部載せないと決めているわけではない。私の採用基準は、ズバリ「面白い」かどうかである。「ほぅ」と感心させてくれるかどうかである。
みじめったらしい恨み節や、「お前の母ちゃんデベソ」的な幼稚園児並みの遠吠えばかり。多分ここ数年以上、ホネのある批判に出会っていない。
正しいかどうかなんてことに価値はない。多くの人は「正しさ」を盾に、ゼンゼン面白くないことを言ってくる。
私はこの世界に罪というものは存在しないと思っているが、あえてあるとすれば「面白くないこと」だと思っている。ということは、正しいことを言っているという大義名分をかさに着て面白くない罵詈雑言を言う者は、宇宙一の罪人である。
同じ悪口でも、ウィットに富んだ、ハイセンスなものもあるのだ。残念ながら私のもとにくる悪口は、相手にする気もなくなるほど低レベルだ。
エゴの仕掛けたマジックの、本当の「タネ」はどこにある?
あなたが注目するように仕向けられている「外」にはない。
私を批判する人物ならば、「わたし(筆者)」 にはない。
●まさに、あなた自身の中に!
実は、そこに気付かれないために、エゴは必死に外を悪者にさせようとする。そして、大勢がこのマジックに引っかかっている。
こう言うからといって、私は皆がエゴの罠に引っかかっていることを指摘し、正したいわけではない。そのことを本書や動画配信で力説しまくり、世界を良くしようなどとは全然思わない。今起こっていることが最善なので、あえて他をコントロールしようとは思わない。
ただ「あんたそれで本当にいいの?」とお節介なことを言うくらいはいいだろう、と思っている。
あなたが全力で幸せを、生きている実感を感じるなら、楽しいなら批判もいいだろう。でも、やっぱり楽しくないや、と気付けた幼稚園児から卒園である。
私は、自分や他人がどうなろうと知ったこっちゃない。世界がどうなろうと、知ったこっちゃない。ただ、手品のトリックをそれとなく、教えてあげるだけである。
あとは、私のこのメッセージを無視するも意識して世界を見直してみるも、宇宙の主人公であるあなた次第なのだ。
健闘を、祈る。
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