自立と自律
『自立しなさい』なんてことがよく言われる。今回は、この自立ということについて「本当の自立とは何か」ということをお話していこう。
例にもれず、私の言う自立とは、世間で言う自立とは違う。だから、経済的・社会的に自立していると言える人物でも、筆者の定義に照らし合わせると「自立していない」となる場合がある。
逆に、お金を稼いでいなかったり学生だったり、社会的に自立していない人でも、筆者の定義に照らし合わせると「自立している」場合がある。
では、まず辞書的な意味合いから確認していこう。
【自立】
・他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助力を受けずに、存在すること。
世間では、自立というと「精神的自立」よりも自分で生きていく具体的力、己で稼いでメシ食っている、という側面の方が連想されやすい。
実は、これから筆者が述べる「本当の自立」からすると、自分で稼いでメシ食う、という側面は本来の意味の二の次三の次である。
もちろん、どうでもいいとか大事ではない、ということではない。ただ経済的自立はあったに越したことはないが、それは自立の絶対必須条件ではないということ。
経済的に自立していなければ自立ではない、というのは筆者の考えでは違う。ただ、自立した人間はかなりの確率で自分で身を立てるだろう、とは言える。
筆者の基準では子どもや学生も「自立」の基準に合格する場合がある。
私は、この「自立」という言葉だけでは不十分であると感じる。
もうひとつ。双子のように、自立という言葉とペアで登場させたい言葉がある。
【自律】
・他からの支配や制約などを受けずに、自分自身で立てた規範に従って行動すること。
私は、こちらの言葉の方が、より説明としては的確だと思う。
こちらの「自律」を、よく使う「自立」に置き換えてもいいくらい。
筆者はこれまでずいぶん沢山の方にお目にかかってきたが、次に挙げるような方が結構な数でいる。
●他人の方が自分より上で、正しい答えを知っていると思っている。
自分は宇宙の王などではなく、数十億人いる中の一人であると思っている。
他人を、自分とは完全別個の独立機構だと思い込んでいるので、うまく生きるために他人の顔色をうかがい、社会の常識や流行を追う。
世間で「偉い」とされている人物の発言を、抵抗なく鵜呑みにする。
そのくせ、自分の思い通りでない反応が他者から返ってくると、ふてくされる。ひどい場合は、逆恨みする。
他人のしたこと(外部の現象)が、宇宙の中心であるはずのその人をいとも簡単に不幸にする。
こんな方が、結構いる。
これは、「自立していない」人の特徴そのまま。
私はハッキリ言う。社長だろうが、大学教授だろうが、何々財閥の会長だろうが……上記のような例に当てはまるなら、自立していない。
これでは、自分でお金を稼いで経済的に自立してる事実が、虚しいお飾りになる。
では、次に筆者流の「自立」の定義。
●他人の意見、世間の情報(外部の現象)を、無視はしないし参考にはするが、生きる上での意思選択(最終的決断)において、本心(ハートの声)だけに頼れること。決して、自分が心からしたいことを、外部の幻想情報に妨げられない状態。
どうでしょう。これだったら、子どもでもできる子はできます。お金を稼ぐことが、一番の意味ではないから。
年齢的に大人でも、できてない人はできていません。
例えば、筆者にメールで質問や意見を送ったが、返信がないと心の平安がない人。そんなあなたは、自立していない。なぜなら、外の状況に王であるはずのあなたの心の在り方が揺さぶられているから。
私の文章がまずかったかしら? 何か気に障るようなことでも書いてしまったかしら? それとも自分に都合の悪いことを書かれたもんだから、あえて無視してる?
これは、「返信があるべき」という勝手な基準から、ものを考えている状態。
もっとエスカレートすると、「筆者さんは、こっちが一生懸命書いたメールに対して返信しない、失礼な人。スピリチュアルの発信者のくせに(覚醒したとか言ってるくせに)人格者じゃない。 (!) 誠実じゃない。」(じゃあ、誠実って何さ?)
これはもう、無茶苦茶ズレてるね。
とにかく、だ。
物事を考える基準が、自分の中にではなく他人の中にある人。一事が万事、他人の行動や反応によってあなたの幸せ度が決まる人。こういう人は、ぜひ筆者の基準で言う「自立」をしていただきたい。
確かに、相手に非がある場合もある。あなたが、立場的に間違っていないこともある。でも、申し訳ないがそんなこととあなたの自立問題とは、何の関係もないのだ。
外の世界の非を取り立ててギャーギャー騒いでも、あなたはちっとも幸せにはならない。ちなみに、あなたが糾弾しているその人は、あなたよりもっと快適に生きている場合が多い。だから、「批判」する人は自立してない。
※今言った「批判」とは、互いが良くなっていこうという意図でする建設的な批判ではなく、感情をつつかれてただ反応が引きずり出されただけの批判、相手を貶めたいという意図が背景にある批判のことを指す。
だから、大人の皆さん。
親のスネをかじらず、経済的に自立できているからって偉そうになってご油断召さるな。実は、本当の自立をできていないケースも多い、ということを覚えおかれよ。
自分の意識の在りようや選択を、最終的には自分の決断力で選べる力こそ、自立の力。その力を行使した結果、一時的に無職であってもそこは問わない。
もちろん、最初からパーフェクトにはいかない。少々気持ちが揺らぐこともあるだろうし、悩むこともあるだろう。それは仕方がない。
でも、最終決断においてあなたが王でいられればいいのだ。「終わりよければすべてよし」とは、こういう時のためのことわざだ。
被害者意識から抜け切らない人へ。
むごいようですが、あなたの外側は一切悪くありません。
あなたが変われば、いいだけなのです。
なのに、あなたが願っていることと言えば外が変わる事ばかり。
外があなたに謝ったり、反省したり、態度を改めたリとかそんなことを待っている間に、一生が終わります。
だから、待たずに「今」あなた自身が変わることに意識を向けてみましょう。すると、魔法のように、ウソのように気持ちが晴れていく体験をするでしょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます