今日は死ぬにはいい日和じゃなかった
今回の話題は、『自殺について』。
本書のはじめの頃に、一度扱った覚えがある。もちろん、そういうテーマの記事をきちんと書いたわけではなく、何かのお話の脱線でちょっと触れた程度だが。
今日、改めて整理してみようと思う。簡潔に、結論から。
●自殺自体に善悪はない。
私たちの世界では、自殺についてある程度メジャーな解釈が存在する。
ひとつめ、良くないことだという認識。
自分の力で生まれてきた者はいない。命は、与えられたもの。だから、与えられいただいたものを、自分勝手に扱ってはいけない。
命は大事。それを損することはフツーに考えて良いことだとはとても言えない。
たいがいの宗教では、自殺は「悪」になる。つぐなうのも大変な罪(大失敗)になるから、ゼッタイダメ! それくらいに、強い勢いで否定する。
しかし、考えても見てほしい。
●宇宙において起こるべきでないことなら、なぜ起こり得る?
なぜ、自殺という選択肢が選べるのか?
そういう可能性があえて用意されているのか?
つまり、自殺それ自体は「あってはならないひどいこと」ではない。
ただ、宇宙において起こりうることのバリエーションのひとつ、というだけ。
そこに、いい悪いは究極的にはない。
ただ、ゲーム世界で真剣にゲームをしている人間にとっては、その考えは現場にそぐわないので、もう少しこの幻想世界をうまく生きれるような考えに引き寄せてみたら、次のように言える。
●自殺は悪いことではないが、愚かな行為だとは言える。
TVゲームをやっていて、ちょっとマズい状況になったとする。これ以上やっていても、いいことなさそうだという時。
そんな時、二つの選択肢がある。
ひとつ。まずい状況ならまずいなりに、それでも最後までプレイしてみる。それなら、例えひどい状況が変わらないままゲームオーバーになっても『コンティニュー』 という選択肢があるのだ。
これを選ぶメリットは、それまでの成果が引き継げる、ということだ。途中までのゲーム実績を加算された上で、また始められる。これは、放棄せずに最後までゲームをプレイしてこそ、選べる選択肢である。
しかし。
煮詰まったゲームを続けるのがイヤになって、放棄したくなる場合がある。
もういいや!てんで、『リセットボタン』を押してしまう。リセットとは、そのゲーム自体を消去してしまうことだ。これが『自殺』に当たる。
コンティニューとの違いは明らか。コンティニューはとにかくゲームを最後までやる。リセットは、途中でなかったことにして消す。
自らの意志による自殺(リセット)のデメリットは、赤ちゃんから頑張って積み上げてきた成果まで一緒に消えてしまう、というところである。自殺するまでに得たゲーム上の成果すらも、引き継がれなくなる。リセットしてしまえばコンティニューは選べない。また、いちからやり直しだ。
そういう意味では、自殺は「いけないこと」というよりは「もったいないこと」とも言える。
あと、「もったいない」という観点でもうひとつ語れることがある。
自殺する人が共通してもつ、あるひとつの思い込みがある。
●もう、どうしようもない。
打つ手がない。八方塞がり。
この状況は、どうしたって変わらない。
なら、生きていても仕方がない。
だから、自殺する。
しかし。
自殺者は、ひとつ的を外している。
それは、「今ここ」というものについてのとらえ方だ。今こことは、本来は真っ白な画用紙と同じ。真っ白なキャンバスと同じ。宇宙の王たるあなたは、そこに好きに絵を描いていいし、好きな色を塗ってもいい。
新しい現在進行形の「今」には、無限の可能性が秘められているのである。
だから、過去からの状況の継続が今を縛る、ということは本来はない。
ないけれど、過去(これまで)がこうだったから、その連続性としての今がこうなのだ、と自分で決めつけてきた。つまり——
●原因と結果。ストーリーの連続性と整合性。
皆そういうものに縛られて、好きな絵を描くどころか強制的に絵を描かされてきたのだ。
もうだめだ。この状況はどうしようもない——。
そう思いつめて、人は自殺を図る。でも、ちょっと待って。
●その状況がもうどうしようもないって、誰が決めたの?
あなたでしょ。
じゃあ、あなたはすべて間違いなくお見通しの絶対神か何か?
だったら分かるけど、違うでしょ?
あなた程度のモンチッチの知恵で、よくも変われる可能性がゼロだなんて、傲慢なことが言えますね!
八方塞がりなんて、「今ここ」には絶対的なもとしては存在しないんです。
もう無理、なんて決めつけているのはあなたの自意識だけです。
皮肉なことに、宇宙の王が本気でそう信じるので、そのような思いを強化する現象をさらに引き起こします。
あまりにも、もったいない。
どうか、死ぬ前に少しだけ考えてみてください。おつらいのは、分かります。でも、コンティニューモードに出会うまでは、プレイしてみてください。
あなたがもうだめだ、という判断に囚われている時には見えてこなかったものが、見えるかもしれません。フォーカスするポイントを少しずらすだけで、同じ現象を違った角度で見れるかもしれません。
あなたが、その気にさえなれば、状況に関係なく、いつでも「これから」なのです。今こそ無限の可能性をもつ「今」を、確定してしまった過去以上に信じてあげませんか。
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