Q&Aのコーナー第三十二回「保険に入らなきゃ、という気持ちは宇宙を信頼しきれてない証拠でしょうか?」

 Q.


 保険や年金など、将来の不安事項に備えるためのお金について、質問があります。

 現在我が家はお金が厳しい状況で、保険などの保証が何もない状態です。

 小さい子がおりますので、家族に何かあったらと心配になります。

 ただ保険というものは先の悪いことを想定してお金を払うことであり、その不安からお金を払うという行為自体が、悪いことを招く要因になるのでは、という考えも湧いてきます。

 筆者さんの文章を読んでいると、そうだ! 豊かさは無限にある。必要な時に必要な豊かさが循環してくる宇宙なのだ。私は本気でそういう世界を体験したい!と歓びで胸が熱くなり力が湧いてきます。

 本当にこの通りの宇宙が私のものであるのなら、保険を掛けることや、老後や子供の教育資金の蓄えなど必要ないではないか!と思えてくるのです。が、すぐに恐怖が湧いてきます。お金は労働の対価だよ。今貯めておかないで、今のこんな状況で将来家族は大丈夫なの? と。

 生命保険や老後の年金など、将来の不安事項のためにお金を払う(貯蓄)することについて、筆者さんはどのようにお考えなのかお聞きしたいです。

 スピリチュアルで有名な方がたは、保険はどうされているのでしょうか?



 A. 良い悪い・正しい間違い、はありません。あなたはどうすれば安心ですか?



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



 Q&Aも回数を重ねていくと、「あれ、この質問の答えって、前に書いたやつが使えるなぁ」 というのがよく出てくるようになった。

 結局、無数の質問が来ても、すべて幾つかの真理の応用になるわけだ。

 この書を読み込んでマスタリークラスになった人は、「ああこの手の質問かよ!」 というふうに、答えが予想できるかもしれない。

 でも、この書では何度でも、同じような質問にも丁寧に答えていきたいと思う。



 本書で、ずっと言ってきたこと。

 善悪はない、ということ。

 世間一般の考え方は、こうである。



●自分の外に従うべき何かの基準があって、自分の思いがどうかに関係なく、その正しい基準に自分を合わせるのが良いことで、自分の気持ちが向いてもその基準に照らして良くないことならば、例えしたくてもするべきではない——。



 今まで、そういう常識的感覚が支配的だった。しかし、新時代は違う。古いものは過ぎ去り、新しいものが現われ出るこの時代。

 新しい、というのは正確ではないな。厳密には、「本来の真実が明らかになる」ということ。



 今回の質問を見てみよう。

 保険に加入することの是非が問われている。

 貯蓄や年金加入も含まれるだろうか。質問をさらに本質的に言い換えると——



●宇宙を信頼していないような、恐れを動機とした行動はやっぱりしないほうがいいのか?



 ……ということを聞きたいのではないだろうか。

 実は、これがスピリチュアルをやる上でのワナのひとつなのだ。



 私は確かに言った。宇宙を信頼せよ、と。宇宙は豊かなところなので、恐れから防御する必要は本来ないのだ、と。

 で、その話を聞いた人は、時としてこういうとらえ方をしてしまうことがある。



●そうか!

 もっと宇宙を信頼すべきなんだ!

 だから、将来を心配して保険なんかに加入してる場合じゃないんだ!



 なぜ、こういう思考になるのか。

 つまり、筆者の言うことを文字通り『正しい』と判断することから生まれる。そして、自分の気持ちはともかくとして、それには従うべきだ、という発想になる。

 でも、それでは何の意味もないのだ。

 一番大事なのは——



●あなたのホンネにとって、どうするのが一番安心なのか?



 それ以外に、大事なことなんてない。

 あなたのホンネを無視して、従うべき基準などない。



 例えば、あなたの魂が多くの気付きを通して、出会うべくして「宇宙を信頼する」「無防備に生きる」という真理に出会った場合。

 あなたの魂は、 「そうだったのか! 私が長いこと求めていたのは、これだ!」という喜びに震える。この場合。つまり本当にそうしたくて、この教えを守る場合——

 あなたは、幸せになる。もちろん、あなたがこの教えを守ることで、その効果は十分に発揮される。なぜなら、喜びが種となって実を結んでいるからである。

 


 しかし。逆のケースを考えてみよう。

 あなたの魂は、この教えを全面的に受け入れるほど成長を遂げていない。

(究極的にすべての人はあるがままで完全なのだが、この世界にはゲームをしに来ていますから)

 ゆえに、心の中に「そんなこと言われても……」という恐れがあるのだ。

 でも恐れがある一方で「やっぱりこの先生の言うことは正しいからなぁ」という思いも捨て難い。で、ここで二つのうちどちらかの道を選択することになる。



①恐れがあるけれど、正しいとされるほうに従う道を苦しみつつ選ぶ。

②恐れがあるので、正しいとされるほうを選ばない。でも、自分は正しいことをできなった、という罪悪感が残る。



 皆さん。

 この二つのどちらを選んでも、救われません。

 なぜか?



●どちらも、自分の気持ちを裏切っているからです。



 ホンネは、保険に入っておきたい! なのです。

 いくらスピリチュアル的な教えが入ってきても、まだそこまではホンネで思えないからです。だから、怖い気持ち、保険に入って安心しておきたい気持を無視してまで「正しいスピリチュアルの教え」に従うのは、自分にウソをつく行為です。

 宇宙の王たるあなたが、自分が本来もつ決定権を放棄し、自分の外のものに膝を屈する行為です。

 そして、自分の保険に入りたい、という願いに即した行動をとれたとしても、「でも、やっぱり教えの通りにするべきだったんじゃないか……」 と後悔するような思いを引きずった時。自分が正しい、と感じたことに従えなかった罪悪感があるなら、折角のホンネどおりの選択も、その価値を失うのです。



 なので、結論としては——



●保険・貯蓄自体にいい悪いの基準はない。

 心から必要ない、と思えるならしなければいい。

 ただ恐れがあるなら、ムリをしないほうがいい。

 今の自分が一番安心できるほうが、あなたのとるべき道である。



 ……と、こういうことになるでしょうか。

 人によっては、こうおっしゃるかもしれません。自分の気持がついていかなくても、ムリにすることで開ける世界もあるのではないでしょうか?

 確かに、一理ある。

 でも、その考え方では、救われるのは勇気がある人だけになってしまう。

 思い切れない弱さをもつ人には、酷な理屈である。

 


●すべてのことは、ベストタイミングで、起こるべくして起こる。



 宇宙は、豊かな場所だ。本来、限りなく命に優しい場所だ。

(私たちはゲームをしているので、そう思えない状況も生んでいるわけだが)

 ムリしなきゃいけない宇宙、自分の心を裏切ってでも頑張らないといけない宇宙なんて、矛盾している。

 そんなもの、おかしい。

 あなたがあなたらしく、心のままあれる場所こそ、あなたの真の宇宙。

 どうか、無理な背伸びをしないで。

 安心して、保険に入ってください。

 貯金もどうぞ。年金にもしっかり加入してください。



 最後に、筆者の場合。

 私自身の意志ではないが、親の方で勝手にかけた生命保険がある。

 覚醒したから、保険なんか入ってたらダメだ! 解約しないと宇宙への裏切り行為だ! ……なんてことは思わない。

 


●どうでもいい。



 それが、今の思いだ。だから、放っている。

 その程度のことなのだ。

 親も、それで安心を得ている部分もある。

 頑なに真理を押し通すことばかりが、愛じゃない。

 思いやりから他者に合わせてあげることも、大切なのだ。



 あなたの好きにするのが一番いいのです。 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る