Q&Aのコーナー第七回「幽体離脱ってなぜ起きる?」
Q.
ある日の昼間、夫と話していたら、夫の体が真珠色に包まれているのに気づきました。なんて綺麗なんだろうと思って見ていたら、私の体の内側で、ビー玉みたいなものが暴れ出して、透明な私がところてんのように体から押し出されました。
「え? これって体脱(幽体離脱)?」
と、びっくりしました。その他の日にも、体から抜け出る時があったのですが、自分のガイドにつながることにしか興味がなかったので特になにもツッコミませんでした。最近、プチ体脱みたいなことがあるまで忘れてました。なんでこんな現象が起こるのですか?
A.この世界では、あなたは見たいものを見ることになるのです。
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今回の質問の焦点は、幽体離脱(体外離脱)について、なぜ起こるのかとその是非についてです。
まず最初に、幽体離脱というものに関する私の個人的見解をハッキリさせておきましょう。
●どうでもいい。
これが、ひとつめ。
それともうひとつ。
●なんでわざわざ、そんなことしたがるの?
最近では、幽体離脱のセミナーまであるそうで。
スピリチュアル系のメルマガなどで、案内が来たりする。
私は、すべての物事に対しては、価値は中立だというスタンスである。
だから、幽体離脱を推奨する人たちを否定しないし、好きならドンドンやったらよろしい、と思っている。
ただ、個人的な素直な気持を言うことをゆるしていただけるなら——
『一歩間違えれば、かえって足もとをすくわれますよ』ということは言いたい。
これまで、いろんな記事で何度も言ってきたことだが。
この三次元宇宙には、『人間肉体を通しての経験』を求めてやってきたのだ。
全能で、形とか空間とかいう概念のない超意識は、この相対的世界ゲームをつくった。キャラを作って、自分の全能である自覚を封印して、そこに入りきった。
オンラインゲームをやったことのある人なら、あれを想像してもらえればいい。
モニター画面上の戦士なり魔法使いは、実はプレイしている人間。
この世界での私たちは、実はそのゲームキャラのほうなのだ。
大前提として。
この三次元宇宙に、私たちが肉体をもって生きている意義は、それを経験して楽しむためである。ということはですよ。
●どこに、肉体を脱いで体脱を経験する必要が?
過去記事でも書いたが、霊界 (死後の世界)を意識するあまり、この世界での行動がそれを意識したものばかりになったらどうなるか?
USJに来ていながら、この次に行くディズニーランドのことばかり考えている人と同じですよ、というようなことを言った。
せっかくUSJに来ているんだから、アトラクション楽しんだらいいでしょ? ディズニーランドに行くのが楽しみかもしれないけど、それはまた実際に行った時でいいんじゃない? と。
それと同じことが、この幽体離脱に関しても言えるのである。
そもそも、肉体をともなった経験、喜怒哀楽を味わうために来たのに、悟りを得て「うわ、これ幻想やん?」とか。幽体離脱をあえて体験して「あれ、肉体なんて本当の自分とちゃうやん?」とやる。
それやって三次元で遊ぶことに冷めても、自業自得ですよ!
そりゃ、自分が肉体じゃないことが分かったら、何か救われた気になるんでしょう。体外離脱できたら、死が怖くなくなる効果があるのかもしれません。
でも、そこには落とし穴がある。
皆が皆、そこにはまるとは限らないが、でもバカにできない可能性がある。
①幻想だと見切るので、この世界ですることに情熱が湧かない。
②肉体が本当の自分じゃないと分かるので、必死には大事にしなくなる。
③体外離脱できるかどうかで、価値判断が入り込む。
特に、③は気をつけていただきたい。
体外離脱できることが、『良いこと』『すごいこと』になってしまっている。
それができたら、何か達成感がある。それがちょっとズレたら、体外離脱したくてもできない人がいる中で自分ができたことに関して、優越感をもつようになる。
その逆で、頑張ってもそのような体験にいたらない自分は、ダメだと考える。
オレって才能(?)ないのかなぁ、なんて。
幽体離脱だろうが、悟ることだろうが——
●人を惨めな思いにさせたり、優劣を意識させたりするものは、すべて求める価値はない。
……と言うことだ。
誤解のないように言っておきたい。
悟ることが、価値のないことだと言っているのではない。
ただ、悟りたくても悟れない人が、悟れている人もいる中でじゃあ自分は人に比べて劣っているのか? という気分にさせるなら、悟りなんてゴミ箱行きだ。
悟りとは、それが喜びの対象となる時にのみ素晴らしい。悟らないとマズいとか、あの人ができているからじゃあ自分も、とかは的外れである。
すべてのことに言えることだが。
何かの価値というものは、固定して決まっているものではない。
●それを扱う人の意識によって決まる。
例えば、どんなに高価な九谷焼の陶器でも、骨董に興味のない人からしたら価値は違ってくる。
ボロ人形でも、それが死んだお母さんの形見だ、というその持ち主には最高の価値があるが、他人にはゴミ同然である。
同じように、悟り自体や幽体離脱そのものに価値があり、その価値は絶対だ、というのではない。
それが喜びである時に、価値あるものと言える。
人を苦しめる時は、逆に手放した方がよいものとなる。
学校でポータブルゲームをする生徒、教科書に隠れてマンガを読んでいる生徒がいる。そういう生徒に言うべきなのは、「あなた学校に何しに来てるの?」である。
学校とは、勉強するところであり、先生や仲間との関係の中で、有形無形の知恵や感情を学ぶためにある。
せっかく学校に来ているのだから、学校でしかできないことをやるほうがはるかに有益である。ゲームだったら、家でできる。だから、それは家でやったらいい。
家に帰ったっていい。どうしても勉強が面白くなくてイヤなら、学校に来なければいい。ただ、学校に来ておいて、コソコソゲームをするのは、人間として卑怯であり、低レベルである。
(価値判断はいけないが、この世界の話をするのに避けて通れないので、あえて言わせてもらう)
この世界に、目的があって肉体で来たのだから。
肉体ならでは、のことを楽しみましょうよ。
だから、ムリに悟ったり、幽体離脱しなくてもいいじゃないですか。
宇宙は自由なところですから、もちろん好きならやったらいいんですよ。
でも、それが世間的に『良いこと』だという認識が出来上がってしまって。
大勢が覚醒を目指したり、幽体離脱を試みたりする。
で、できる人できない人、個人差ができる。
で、そこに一喜一憂が生まれる。
●これが、スピリチュアルが世俗に落ちるメカニズムである。
見せかけのこの世界を超えたものを求めながら、結局は見せかけの世と同じレベルに逆戻り。これでは、浮世を笑えない。同じ事をしているのだから。
結論として、幽体離脱なんてせんでよろしい。できんでよろしい、ということ。
それが、当たり前なのだ。肉体で生きるために来たんだから。
それでも、やりたい!っていう人だけやってください。決して人にすすめたり、できない人やしようとしない人を価値判断しないでください。
もうひとつの質問に答えていなかった。
なぜ、幽体離脱という現象が起こるのか、ということ。
これもあまり論じる必要を見出さないが、聞かれているので答えてみる。
①望んで起きる場合。
心から望んだこと(強烈な思考)が現実をつくるので、当然起こってくる。
肉体で生きることが前提のこの世界でそういう裏ワザが可能なほど、宇宙は素敵に自由な場所なのだ。
でも、超意識がどんなゲームをしたがっているか、にも左右される。
よって、次の場合もある。
②望んでいるのに起こらない場合。
カルマによって、努力しても「できない」人がいる。そういう人は、その人生において幽体離脱が「人生のレッスンとしてふさわしくない」という理由でできない。もっと他に、すべきことがある、学ぶべきことがある、ということだ。
③望んでいないのに、起こる場合。
これも、カルマが関係する。プレイヤー側の超意識の、何らかの意図があるのかもしれない。その人は、その体験の中から必要なレッスンを学ぶように願われているのかもしれない。
今回の質問者も、この場合に相当すると思う。きっとあなたには、そこに自分と人を幸せするヒントが隠されているのかもしれない。
何らかの、ライフ・レッスンがあるのかもしれない。
人生のレッスンは皆段階が違う。
だから横並びにし比較することにまったく意味がない。
ある一時点において、誰が悟ったか悟らないかなど、本当にどうでもいい。
これだけ語っておきながら得た結論は、結局——
●幽体離脱なんて、できてもできなくてもどうでもいい
……ということだったわけである。
もっといえば、しない方がいいかもしれない。
ズルをしてゲームに勝っても、心からの楽しさが得られないように——
幽体離脱を経験してこの世界が怖くなくなっても、それは見せかけの強さでしかない。本当の強さとは、この三次元ゲームを真剣に楽しんだ結果得られるものなのだ。
そのことを、現世のことを軽んじて精神世界にばかり没頭する人にお伝えしたい。
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