第17話 その十七

 ちくしょう、いったいどこに行ったんだ。

 姫を取り戻さなければ。

 俺がしっかりしていれば。

 そばから離れなければこんなことには……

 宮殿の外に出てどっちに行ったか、全くわからなかった。

 くそ、どこに行ったんだ。

 こんな広い敷地じゃいくらでも逃げられてしまう。

 いったいどっちに。

 その時、猛獣のうなる声と姫の悲鳴が聞こえた氣がした。

 さっきの赤いライオンか。

 行ってみるしかない。






 




 宮殿の生け垣がある広場には、数人の黒ずくめの男たちが血だらけで、呻きながら倒れている。

 ライオンの目の前に少年がいて姫がその隣に立っていた。

 ライオンはピエロの臓物を喰らっている。

「姫様ご無事ですか!」

「従者!私は大丈夫、この子たちに助けられたから」

 姫は従者の胸にしがみついた。

 怖かったのであろう、震えている。

「あのピエロね……」


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