第49話「反撃開始ッ(後編)」

「こら、エエ武器やなぁぁ! 気に入ったで、アルガス! アタシの婿にしたるわッ」

『エエから、はよゴミを取り除けっつの!』


 一個小隊を殲滅しきると、上機嫌そうに笑ったシーリン。


 ガシャキ! と、機関銃を肩に担ぐと鼻歌交じりに、足で蹴り飛ばして破城槌の破片を除去し出した。


 そこに、

「──────ぐぬぬぬぬぬぬ!! 街を攻めれば、出てくるかと思いきや……! まさか、我が精鋭を殺戮するとは───韋駄天のシーリン!! 貴様は許しがたい悪だ!!」


「ひぇ?!」


 上機嫌に笑っていたシーリンが、男爵の怒りをまともにぶつけられて飛び上がる。


 なんだかんだ言ってシーリンは小物なのだ。ジェイスの名声に騙されたり、男爵に知名度にビビったりと、…………あれでよくA級も名乗れたものだ。


「あわわわわ……! 男爵さん怒らせてもうた……!? お、おっさん、アルガスのおっさん、どないしよ?!」


『知るかッ! 急げ──────!』


 もう少しで障害物が取り除ける。

 そうすりゃ、速度を生かして九七式中戦車の本領発揮だ!!


「あーもう! どうにでもなれ!!」


 シーリンがヤケクソ気味に、破城槌を引っこ抜く。


 さすがはドワーフ。

 女子供とは言え、怪力は種族由来らしい!


『よくやった、シーリン! ちょっとだけ褒めてやる!』

「アタシは泣きたいわッ!」


 本当にべそをかきつつ、どんよりした顔で戦車によじ登る。


「もう、ええわい……。どうせ、家に帰っても、男爵に手籠めにされる未来しか見えんわい……」


 鬱陶しいくらい、ブチブチと文句を垂れるシーリン。

 とはいえ、自業自得。

 アルガスにはアフターケアをしてやる義理などない!


 だが、それよりもシーリンは勘違いをしている。


『は……! シーリンよぉ? お前は間抜けか?───……俺が、ぶん殴ってきた男爵をそのまま返すと思ってるのか?』


 そう思われてるなら、とんだ甘ちゃんだ。

 貴族だろうが、王様だろうが───先に喧嘩を吹っかけてきたのは向こうだぞ?


 男爵は、確かに代官の仇として間接的に攻撃を仕掛けて来たかもしれん。

 だが、そもそも、奴の身内の代官が手を出してきたのが事の発端だ。


 それを、アルガスが極悪人の様に言われていること自体、お門違いもはなはだしい。


「え……? ちょ、ちょ、ま、まさか。アンタ───」

『何が、まさか・・・かは知らんが。逃げずに戦うと決めた以上──────俺はとことんまでやるぞ?』


 う、うそぉん……?!

 シーリンが顔面を青ざめさせる。


「ちょ、ちょま──────あ、あああ、アタシは関係な……」

『男爵がそう言ってくれると思うか?』


 ……チラリと振り返るシーリン。


 その視線の先に、顔面に青筋をたて、親の仇でも見るみたいな顔をした男爵がいる。


 その目はアルガスはもちろん、シーリンのこともその一味だと言わんばかりのそれだった。


「う、うそぉぉん……!?」

『いい加減、腹くくれ───ミィナを助けようと駆け付けた時に、もうお前は後戻りできないとこまで来たんだよ』


 そうだ。


 最後まで知らぬ存ぜぬ。

 もしくは、これ幸いと男爵に味方していれば、アルガスの仲間だとは思われずに済んだだろう。


 それどころか、アルガスに毒を盛ったことで、勲章の一つでも貰えたかもしれない。


 しかし、シーリンはそれらの「手柄」を全てかなぐり捨ててでもミィナを助けに来た。


 もちろん衝動的なものもあっただろうが、どこまでも非情になり切れない中途半端なソレが彼女の限界なのだろう。


 腕も悪くないし、男爵軍の一個小隊を殲滅したことからも、その強さにも適応力にも目を見るものがある。


 だが、どこまでいってもシーリンは中途半端だった。


 それが故に、今の破滅的状況に陥っているのだ。


『わかったら、覚悟を決めろッ。俺はお前がどっちの転んでも落とし前はつける・・・・・・・・。だが、それでも俺に乗るなら───守ってやる』


 少なくとも、今だけはな──────。


「うぐぐぐぐぐぐ…………」


 あーーーーもう!!


「わかったわかったわかったわ!! もう、こうなったらとことんまでやるでぇぇええ!!」


 シーリン・エンバニア!!

 やる時はやる女や!!


「───そうと決まったら、アルガスのおっさん!! アタシのいうとおりに走れッ!」


『はぁ? お前なに言って───』


 ガンッ! とシーリンがアルガスの装甲を叩く。


「黙って聞けやッ!……アンタはどう見ても、この戦車を使いこなしとらん」

『だから、何言ってんだお前?!』


 アルガスの抗議にも耳を貸さず、シーリンは砲塔によじ登ると、対空銃架に機関銃を乗せると───言った。


「傍から見てて思うてん。……アンタはなぁ、主砲撃つのとか戦車を走らすとか、一人で何役もやっとるせいで、戦車の性能を生かしきれとらへん」


 あ゛?!

 コイツ、マジで何言ってんだ?


「ええから、言うこと聞けッ! アタシがアンタを乗りこなしたるぅ! ドワーフの機械魂舐めんなやッ!」


 ガシャキン!! と、機関銃の初弾を送り込むと、シーリンが砲塔に納まり上半身だけを出してふんぞり返る。


 その様が妙にどうにいっており、説得力を感じさせた。


『ち……! しゃくだが、イイだろう───やってみろっ』

「任しとき───!」


 ガンガン!!


 シーリンが偉そうに、装甲を叩いて不敵に笑う。


「いくでぇぇぇえ! 男爵さん、覚悟せぃよ──────」


 ニィとシーリンが笑う。




 すぅぅ……。

「───戦車まいへッッ!!」





──────────────────

 日本軍戦車ゆえ、ドイツ語なし!

 残念!!!!!!


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