第1話 はいりたいけど

 私立コスモス学園は今年で創立百年になるらしい。

 校舎はレンガ造りですごくきれいなのに、百年って本当なのかな。なんてきらりが思っていたのは数分前。今はモノローグにひたる余裕もなく、ただ木の影で震えていた。


「ひ、人が減らない……」


 涙目の先にあるのは、部活勧誘の天文学部のブース。この学園で一、二を競う程人気な部活動なだけあり、先ほどから絶えず人が行き交っていた。


「おー、きらりー、こんなとこにいたのか~!」


 突然声がかかり、きらりは肩をびっくりさせる。


「わ、私が見えるの!?」

「いやそりゃ見えるだろー!?」

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