私はハルを待っていた。

場面が変わり、私はハル。


「えっと、トイレはどこだ。」


私は初めて入ったショッピングモールで迷っていた。


「地図は…なんか声が聞こえるなぁ。」


私はヒソヒソ声が聞こえたので、立ち入り禁止の鎖がある通路を覗いてみた。仕事の会話ならすみませんでしたって言えばいいだろう。


「ここでいいんですか。」

「あぁ、まさかショッピングモールで取引をしているとは誰も思わないだろ。」

「逆手にとってって感じですね。」

「そうだな。これが例の物、大麻二キロだ。」

「おお、これが。」


私は見ては行けないモノを見てしまった。まさか麻薬の取引現場に遭遇するとは。通路の角に隠れた私は心臓の鼓動が早くなっているのを感じた。


「どうしよう。警察に通報した方が…。」

「君、もしかして見ちゃったのかな。」


若い男性に話しかけられた。


「はい。えっ。」


私は若い男性にスプレーをかけられ気を失ってしまった。私は引きずられて立ち入り禁止の中に入った。


「おいおい声でかいぞ。見られてしまったんじゃねぇか。」

「すみません…。」

「貴方はいいんですよ。この男がいけないんです。」

「すいやせんでした。」

「もう二度と大きな声でやるんじゃねぇぞ。」


若い男性は取引をしていた男性の頭上を一発殴った。


「さて、この女どうする。」

「見られたら口封じって感じですかね。」

「それもそうなんだが、この女結構いいと思ってな。」


その頃私、サヤカは外で暇していた。


「暇だな。そう言えば朝会話してきた謎の声ってなんだったんだろう。あれから一度も声が聞こえなかったな。真実がどうのこうの言っていたような。」

「私をお呼びですか。」

「おお、びっくりした。」

「私の声は貴方様にしかきこえてないのでそんな驚き方されると周りから見たら不自然ですよ。」

「そうなの。」


私は恥ずかしくなって周囲をキョロキョロした。


「幸いな事に、誰もいなかったので見られてませんよ。」

「よかった。そんな事よりあなたって誰なの。」

「あなたの空間そのものですよ。私は貴方様に空間の使い方を教えるべく、話しかけてます。」

「そうなんだ。」

「今いるこの世界は昨日までいた世界と違い、あなたの空間にできた現実世界です。なのであなたの信じたことは全て現実になりますよ。」

「じゃあ100万円欲しいとか。」

「それだと願望ですね。願うのではなくそうだと信じるんです。それがこの空間の使い方でもあります。」

「信じる…。」

「例えば先程の100万円欲しいを、自分は100万円持っていると信じてみてください。」

「100万円持っている…何も起きないけど。」

「言葉ではなく、信じるんです。まぁ最初は慣れないと思いますし、私がアドバイスや手助けをしますから安心してください。」


信じると願う、何が違うのかいまいちピンと来ないな。そう言えばハル、トイレから戻ってくるの遅いな。さっきの三人組結構大きな荷物を袋に入れて台車で運んでいたな。まぁこのモールには電化製品も売っているから不思議ではないけど。掃除機かなにかだろう。私は外で暫く待っていた。だがハルは一時間経っても外に出てこなかった。


「流石に遅すぎない。買い物でもしているのかな。電話してみるか。」


私はハルに電話した。繋がったが留守電になってしまった。


「電話に出ない。明日も仕事だし、店に入ってハルを見つけしだいすぐ帰ることにしよう。」


私は店に入って案内図を見てトイレに向かった。流石にトイレにはいなかったので、夜食を買っている可能性を考えてモール内のスーパーに向かった。スーパーを見てもハルは見当たらなかった。

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