私だけの認識世界〜 Episode ×××〜

梨聖 輝瑠杜

私は事故を起こした。

私は今ある世界と別空間にいる。きっかけはとある事故。私は125ccバイクで何時も通勤をしていた。その日も通勤途中だった。


「やばい遅れる。」


その日少し寝過ごしてしまい、いつも50キロで走行していたが法定時速ギリギリの60キロで走行していた。


「この道はあんまり使わなかったけど、今日は通ってみるか。」


私は通勤途中にある山道をいつも避けて通っていた。その山道は野生動物との接触事故がおおく、避けて通った車などが転落する死亡事故も多発していた。この山道を使えば、私の通っている会社まで20分は短縮出来るのだが、事故が多いため使わなかった。しかし今日は使わないと会社の出勤時間に間に合いそうもない。私は山道を通るため左に曲がった。


「この道は初めて使うけど事故とか起きないよね。私の住んでいる街ってこんな感じなんだ。」


山道から右を見ると街が一望出来た。見る角度を変えると街ってこんなに綺麗に見えるんだなと思った。


「いけないいけない、運転に集中しないと。」


街に見蕩れて事故を起こしたりしたら大変だ。多分ここで事故が多いのは街に見蕩れて事故を起こす車が多いのだろう。上りから下りに変わり山道の終着点が見えてきた。


「そろそろ山道抜けるか。えっと時間は。」


私は腕時計を少し見た。


「よし、この調子だと時間に間に合…。」


前を見た瞬間目の前に小動物がいた。ブレーキかける隙も無く小動物に接触してしまった。私はバランスを崩し倒れてしまう。バイクはスピードが出ていたせいで倒れながらも前に進んだ。火花が結構出ていたが火事にはならなかった。バイクはガードレールにぶつかった。


「いった…ってあの小動物は。ってか何この空間。」


私は起き上がるとさっきいた山道とは違う場所にいた。周囲には何もなく、真っ白だった。


「私死んだのかな。」

「大丈夫生きてますよ。ただ肉体の貴方はバイクから転んで打った場所が悪く亡くなってしまいましたが。」

「えっ、誰。」


声はするが周囲を見ても誰もいなかった。


「私を探しても無駄ですよ。私はこの空間その物です。ここは死の世界とは違う別空間の世界。あなただけの世界です。」

「私だけの世界。」

「そう、ここではあなたしか認識されませんし、あなたの思うように改変することも可能です。」


どうやら普通なら死の世界に向かう所が、どこか別空間に迷ってしまったらしい。最近本の世界に多い異世界転生とは少し違った感じだ。


「私の思うように。」


私は言われた意味がよくわからなかったが、なんとなく着てみたかった赤いドレスを想像してみた。


「えっ。」


すると服が赤いドレスになっていた。


「この世界の使い方を直ぐにマスターされるとは。普通は少し動揺して慌ててしまうところですが、随分と落ち着いてますね。」

「落ち着いては無いけど、良く分からない世界だしモノは試しに色々としてみようかなって。」

「なるほど。使い方も分かったようなので早速ですが、貴方はどうしたいですか。」

「どうしたいって。」

「この世界、空間はあなたの思うがままです。貴方が生きたいと願う世界に改変することが出来ます。」


私の生きたい世界と言われても、私は幼い時は王女様になりたいとかあったけど、もう大人だから流石にきついよね。異世界とかにもあまり興味はないし、今までいた世界で普通に暮らしたいかな。そんなことを思ったら急に事故を起こした山道に周囲が変わった。バイクがガードレールにぶつかっていた。


「あれ、元いた場所。」

「流石ですね。私の説明がそんなに必要なさそうです。」


空間で聞こえていた声がまだしているということは、夢ではなかったらしい。


「いちおう言っておきますが、現実の世界の貴方は亡くなってます。この世界は貴方が望んだ世界です。そして貴方はこの世界で自分の認識を変えることが出来ます。幼い頃に願った女王様になる事だって出来ますよ。」

「私声に出ていたかな。」

「私はあなたの空間。あなたの思っていることは私には全てわかります。急いだ方が良いですよ。仕事の時間に遅れてしまいます。」

「えっ。」


時間を見ると事故を起こした時間だった。と言うことは流石に急がないと仕事に間に合わない。


「嘘でしょう…。そう言えば小動物は。」


バイクに駆け寄りバイクに故障がない事を確認して轢いてしまった小動物を気にした。


「これは言うべきか悩んだ事ですが先ほど轢いてしまった小動物は言うとするなら認識の世界への案内生物です。真実を話しますと…あれ。」


空間が言おうとしたが、私は気にせずバイクのエンジンをかけて仕事場に向かった。


「い、急がないと。」

「今はまだいう時では無さそうですね…。」


空間は話すのを止めた。私はなんとかギリギリに仕事場に到着した。自分のデスクにつき、椅子に座ると仲のいいハルが話しかけてきた。


「サヤカ、今日遅かったけどどうした?」

「寝坊しちゃって…。」

「お前が寝坊とか珍しいな。」

「なんか、変な夢を見て。」

「変な夢。」

「私の前から友人や家族が消えていく夢。」


私の今日寝坊した理由は変な夢を見たからだ。私の目の前から色んな人が消えていく謎の夢。その夢では次第に私一人にさせ、私は孤独の中で生きていくって内容。


「消えるね…私も消えたの。」

「うん、最初にね…。」

「最初って…まぁそんな夢の話より、早く仕事終わらせて帰りにレストランで食事しよう。」

「そうだね。」


私とハルはいつもなら定時ギリギリに終わる仕事を定時より30分早く終わらせて、一緒に帰った。レストランからの帰り道。


「あそこのレストランの料理、結構美味しいよね。」

「そうだね。特にあの鳥料理は絶品だった。」

「そう言えば…いや、なんでもない。」

「なんでもないって気になるじゃん。」

「いや、ちょっと夢のことが気になってね。」

「私の見た夢?そんなのただの夢だよ。」

「だよね。あ、ちょっとお花を積みに行ってもいいかな。」

ハルは近くにあったショッピングモールを指さして言った。

「いいよ、私店の外で待っているね。」

「ありがとう。」


私とハルは店の入口まで行き、ハルは店内に入り私は入口の近くで待つことにした。


「じゃあ言ってくるね。」

「行ってらっしゃい。」

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