第153話_タワーのトラブル、分かれる対応

 カミラ達によって陥落した隣国ゼッタロニカは現在、酷く貧窮した状態にあるという。それも当然のことだ。破壊されたあの大規模施設は、国全体の電力供給を担っていた。それをほぼ壊滅状態にしたのだ。かの国はもはや、生きることも困難なほどに資源不足に見舞われている。水を汲み上げる電力すらなく、人々は自らの手で川の水を運び、工業の無かった時代のような生活を強いられていた。

 ただ、施設の重要性を知るほどに、入り込んだ『後』の警備の薄さはあまりにも不自然なことだった。あの時モカはそれに疑問を感じてはいたものの、カミラに気を取られ、突き詰めて考えることが出来ていなかった。

 しかし侵入者である彼女らに対して一切の攻撃や妨害が無かったのは事実だ。結局、中央部にまであっさりと――とは言え、全ての機器を自由に稼働させられたテレシアの能力あってのものだったけれど、何にせよ全員が無傷で入り込むことに成功している。

 その不自然さの正体を今、諸々の事後処理を終えたデイヴィッドが、モカとフラヴィに説明していた。

「つまり、私達を阻む気が無かったわけではなく……」

「ああ。阻むことが『出来ない』と判断しただけだ。人的な戦闘力が備えられていなかった」

 施設を守っていたのは、まずは周囲の地雷原。そして全自動の対空兵器。最後に強固な防御壁だ。

 確かに、奇跡の子が居なければそう容易く突破できる守りではなかった。そんな堅牢な守りを破られることはないと自負していたのか、あの施設内に兵士はおらず、システムを管理する為だけの少数の非戦闘員だけが配備されていたらしい。

 しかし奇跡の子によってそれは崩された。モカの透視で地雷原をすり抜けられ、カミラの点火などによって対空システムは次々に破壊され。挙句の果てにはテレシアに自由に機械を操られてしまった。容易く失っていく防御力を前に管理者はもう防衛できないと判断し、カミラ達が入り込む頃、逃亡を始めていたとのことだ。

「当然、機密データを消去の上、大事なデータは持ち出したようだが、……流石にあの施設をあの規模で爆破されるとは想像もしていなかったようだな」

 施設から四キロほど離れた場所で、爆発に巻き込まれたと思われる一般車両が、半壊した状態で発見された。乗員は全員死亡。その車内から、いくつかのデータ端末が回収された。ただ、当然それも少し破損しており、内容は未だ確認できていない。

「僕らの目的は機密データじゃないし、可哀相だけどあんまり意味のない処理だったね」

 フラヴィは憐れむように静かに呟いた。非戦闘員が亡くなった事実を前には、敵の話だと言っても笑うことなど出来ない。

 そして彼女の言う通り、もしデータを此方の国に取られないことを願うなら、結果的には持ち出さない方が良かっただろう。壊滅状態の施設からはもうデータの抜き取りなどは絶望視されている。だが四キロ程度であれ、爆発の中心部から離れていた車内。更に丈夫なケースに入れられていたデータ端末は、まだ復元できる可能性が残されていた。デルカトルムからすれば不幸中の幸いで、貴重な隣国のデータを手に入れられる可能性を得ることになったのだ。

「だが、これも結局は『保険』程度でしかない。政府は元より、情報は直接吸い上げる気だったらしいな」

「と言うと?」

 モカが先を促すようにして尋ねると、デイヴィッドは苦笑交じりに続ける。

「ゼッタロニカに対し、今、電力を含め復興支援を申し出ている。その代わりに、国の持つ科学技術だけでなく、元同盟諸国に関する情報提供を――とのことだ」

「うぇ~、我が国ながら残酷なことするよ」

 唐突な進軍作戦を政府が承認した経緯も、そこにあったのだろう。

 ゼッタロニカを素早く落とせる明確な作戦があるというだけでなく、その後にゼッタロニカから他の敵国らの情報を吸い出せる手段まである。此方の軍にも、今回の作戦ではそれなりに大きな被害が出てしまったようだが。得たものは確かに大きかった。

「それで今回は、既に得たものの一つを――」

 デイヴィッドの言葉途中で、司令室の扉が開く。デイヴィッドは顔を上げ、扉を背にしていたモカとフラヴィが振り返った。

「悪い、遅れた」

「珍しいね、ウーシン」

 急ぎ足で入ってきたのはウーシン。普段は一番乗りであることの多い彼だが、今日は集合時間を二分ほど遅れている。少し汗までかいており、急いで向かってきたことが窺えた。

 気遣った職員がコーヒーと共に冷たい水を出してやると、やはりウーシンは先にそちらへと手を伸ばし、喉を潤している。

「どうかしたのか?」

 彼が呼吸を整えて落ち着いたのを見計らい、デイヴィッドが心配そうに尋ねた。すると一瞬だけウーシンは首を傾けてから答える。

「……エレベーターが止まっていた」

「は?」

 フラヴィが大きく口を開けて驚愕している。モカもコーヒー飲もうとしていた動作を止め、そのままカップをソーサーに戻した。

 モカとフラヴィは事前に別件で呼び出されていたこともあって、集合時間の三十分以上前から司令室に居た。五分前辺りを目指してウーシンが向かっていたとすれば、モカ達が移動したすぐ後にエレベーターは止まったことになる。

「おい、確認してくれ」

「はい」

「ウーシンは何か聞いているか?」

 側近に確認を指示したデイヴィッドは即座にまたウーシンに向き直り、引き続き状況を聞き出そうとした。しかしウーシンは首を横に振った。先程、答える前に首を傾けたのは、一体何が起こっているのかを把握できていない為だったのだろう。

「俺様がエレベーターホールに行くと、もう人だかりになっていた。職員らも何があったかは分かっていないようだったな」

 ウーシンが周囲の職員に状況を問い質しても、「エレベーターが止まっているみたいだ」と言われるだけ。いつ動くか見当も付かない様子だったので、此処には階段で向かってきたと言う。

「階段って、えっ、トレーニングルームから?」

「ああ」

「二十階近くあるじゃない……」

 幸か不幸か、トレーニングルームの方が司令室の階よりも上であり、約二十階分の階段を『下りる』だけだったからウーシンは問題ないと言うが、モカとフラヴィなら決してしない選択だ。

「待って。イルムガルドは?」

 まだ来ていないもう一人。イルムガルドはタワー外から来るのだから、階段を利用するとしたら、上ってくることになる。

「まさか上ろうとしてないよな!?」

 司令室のある階は、百を超えている。いくら丈夫なイルムガルドと言っても、体力が無尽蔵であるわけではない。彼女の不安定な体質を思えば、そんな無茶をさせれば動けなくなる可能性すらあった。デイヴィッドは大急ぎでイルムガルドへ通信をした。

『――ん、上った方が良いの?』

「いや、止めてくれ、そのまま待機だ。復旧を待て」

 呑気な声で応答したイルムガルドは、どうやら既にタワーには到着しており、一階ロビーでのんびり復旧を待っていたらしい。

「足止め食ってるならそもそも連絡しろよ……」

 間に合うように急いで向かっていたウーシンならまだしも、イルムガルドはロビーでただ待っているだけだったのだから、幾らでも通信またはメッセージ送信が出来たはずなのに。項垂れるフラヴィを慰めるように、モカは苦笑いでその小さな肩を撫でた。

「原因、判明しているようです。既に復旧作業に入っているという一斉通知が来ました。ですが完了時刻は未定になっています」

 側近が読み上げる内容を聞く限り、問い合わせに応えてもらったのではなく、担当部署から各部署への一斉通知であるらしい。現在はおそらく対応に追われ、個別対応が出来る状況ではないのだろう。

「タワーのエレベーターが止まるなんて、今まで無かったよね。一体何が……」

 不安そうにフラヴィが呟くと、デイヴィッドもいつになく険しい表情で頷いている。このタワーで最も長く過ごしているのはデイヴィッドだが、彼も今回のような騒動は経験が無かった。

「お前達はこのまま待機してくれ、何が起こっているか確認が済むまでは」

 勿論、当初の目的であるミーティングが始まってもいないので三名は移動する予定も無かったが、デイヴィッドが言うのはそういうことではない。原因が分かったと通知があっただけで、それが何であるかは知らされていない。何か危険が迫っている可能性もゼロではないのだ。

 デイヴィッドは急ぎ指示を出して、奇跡の子を含むWILLウィル所属者全員に向けて安否確認メッセージを送信させた。

 まずはエレベーター内に閉じ込められている者が居ないか。次に、移動が出来ないことで急を要する問題が生じている者は居ないか。無事な者は、極力その場から動くことなく、身の安全を確保するように。

「モカ姉、レベッカ大丈夫かな……連絡した?」

「いいえ。でも多分、まだ自室に居ると思うわ」

 今は昼を少し過ぎた時間。モカとフラヴィはいつもより早い昼食を取ってから此処に来ており、普通の子らなら今頃か、もう少し後に昼食を摂るはずだ。だが最近のレベッカは深夜から明け方に掛けて行動している。その為、この時間ならまだ寝ていることが多い。

 だからといって、モカも心配にならないわけではないが――と思ったところで、モカの端末が震えた。確認直後、ふっとモカが笑う。

「大丈夫みたい。メッセージが来たわ」

「何て?」

 モカの緩んだ表情を見てもまだ心配そうに彼女を見上げるフラヴィに、モカはそのままメッセージ画面を見せた。少し焦った様子で覗き込んだフラヴィも、一秒後には苦笑を浮かべている。

『なんか騒ぎがあったんだって? フツーに寝てた。モカは大丈夫?』

「呑気なやつ……」

 呆れたような声ではあったが、明らかに安堵を宿す。そんな愛らしいフラヴィの肩を撫でてから、モカは此処に居る全員、およびイルムガルドの現状を細かにレベッカに説明するメッセージを送った。するとレベッカからはまたすぐに返信があった。

『まだイルが一階に居る時で良かったね。アシュリーのところに帰れなかったら暴れそう』

「確かに……」

 モカがそれを読み上げながら顔を上げると、二人の方を振り返って同じく眉を顰めている司令と目が合う。考えていることは同じであるようだが、念の為、フラヴィはそれを口に出した。

「司令、帰りの安全を確保してから呼んだ方が良いよ」

「……ああ、確認する」

 イルムガルドに暴れられれば、何処をどう破壊されるか分かったものではない。エレベーターは軒並み交換する羽目になるだろう。少し慌てた様子で職員がイルムガルドに再度通信し、「エレベーターが動いても此方の指示があるまでは待機してくれ、安全確認をするから」と言い聞かせていた。

 そうして、十五分後。

「動き出したそうです。故障した回路を予備のものに切り替えたそうなので、再切り替えが行われるまでは安全です」

 側近がそう声を上げると、デイヴィッドが安堵した様子で息を吐き、イルムガルドに連絡するように指示をした。

「再切り替えはいつ?」

「そちらは未定とのことですが、予定が決まり次第ちゃんと通知があります。おそらく稼働率の低い早朝などでしょう」

 モカはその言葉にフラヴィと共に簡単に頷きつつも、レベッカには注意を促さなければならないだろうと考えていた。レベッカは今、その早朝に移動していることが多い。ちゃんと通知はあると言うが、見落としていないか、モカからも確認するに越したことは無いと――傍から見ればやや過保護な思考であるものの、本人は至って真剣だった。

 その後、イルムガルドが無事に司令室へと辿り着いたのは更に十数分が経過した頃。彼女が姿を現すと、一同はホッとしたように表情を緩めた。

「イルムガルド、何があった?」

「は?」

 しかし、直後のデイヴィッドの言葉に、「何言ってんだこいつ」という顔でフラヴィが声を上げる。ウーシンとモカも怪訝な顔を見せていた。エレベーターが止まったせいでイルムガルドが一階で足止めを食っていたのは、全員が知っているはずだ。デイヴィッドはみんなの反応に苦笑し、二度、頷いた。

「いや、すまん、言い方が悪かった。……右端のエレベーターに乗るのを拒んだそうだな。どうした、何か違和感があったか」

 聞きたかったのは、別のことだったらしい。

 エレベーターは一階に複数存在し、上層階へ向かうものは、下層・中層とはホールすら分けられて設置されていた。イルムガルドが居たのは当然、その上層階に向かうエレベーターホール。そして司令室に向かうのなら最も早いのが右端の二つだった。

 最初に一階へ到着したのは右端の方で、イルムガルドが奇跡の子であることから、職員らが優先で乗せようとした。だが、イルムガルドはそのエレベーターには乗りたくないと拒み、後から到着した右から二番目のエレベーターに乗ったらしい。

 その様子に違和感を抱いた職員の一人がデイヴィッドに通信で報告しており、それを受けて、「何があった」という質問だった。言葉が足りないにもほどがあるが、それだけイルムガルドを案じ、焦ってしまったことの表れだったのだろう。

 イルムガルドは微かに眉を寄せながら、促されるままソファに座り、小さく溜息を零す。

「あの光る兵器と、同じ気配がした」

「光る? ……電撃兵器のことか。『気配』というと」

「司令」

 デイヴィッドが更に詳しく聞こうとしたところ、側近が彼に近付いて端末を見せた。それを見て、彼は彫の深い顔立ちを更に強調するように、ぐっと眉間に力を入れる。

「続報だ。今回の騒動、軍があの電撃兵器のコアを運び込もうとして、エレベーターの電気回路に干渉させてしまったらしい」

「え、バカ?」

「フラヴィ」

 言いたいことは非常によく分かるが、モカは苦笑いでフラヴィを宥める。

 ちなみに運び入れたエレベーターはイルムガルドが乗り込んできた上層階用のエレベーターで、下層・中層階用のエレベーターは安全確認の為に一時的に止められたものの、回路が別である為に影響を受けず、既に復旧は完了済みだそうだ。

「勿論、何か対策はしていたのですよね」

「詳細はまだ分からないが、流石に、対策はしていたことだろう。しかし解析途中のものだ。想定外の影響があった、ということだろうな」

「いや尚更――」

「フラヴィ」

 またモカが宥める。言いたいことも、考えていることも全員一緒だ。言葉にするかどうかが違うだけで。

 解析途中で未知な部分が残るものをタワー内に運び込もうというのはあまりに軽率に思える。実際こうして事故を起こしてしまっているのだから、流石にお咎めは免れないだろう。軍部は今回のゼッタロニカ陥落によって功績を挙げ、WILLウィルと違って政府上層部から大いに評価されていたというのに、一体どうしてこのような無茶をしてしまったのか。

 回路が止まる程度であれば、安全機構があるからエレベーターが落ちるようなことは無いとはいえ。それは偶々だ。大きな災害に繋がらない保証も無かっただろうに。

「イルムガルドが『気配』と呼んだ何かが、干渉したと見て良いだろう。イルムガルド、具体的にはどのような気配か、少し言語化できないだろうか?」

 デイヴィッドがそう尋ねるのを聞きながら、モカは周りに気付かれぬようにそっとイルムガルドを窺う。言葉の拙いイルムガルドに『言語化』は少し酷な願いだと思える。今までなら、「もう少し説明して」とモカも言いたくなっていたのだろう。しかし今は彼女の事情をアシュリーから聞いて知っている。イルムガルドがそれに感じる困難さと苦痛がよく分かってしまうのだ。案の定、苦い顔でしばらくイルムガルドは黙り込んでいた。しかし拒むことは無く、微かに首を傾け、デイヴィッドに応じた。

「肌が少しピリッとする。匂いが、なんか違う。あと、耳鳴りに近いような、高い音がする」

「ふむ、音まであるのか……」

「エレベーターが止まってしまった後、コアはどちらへ?」

「現在は駐屯地に戻されているようです」

 モカの問いに答えたのは、職員だった。まだ何か端末を見つめている為、『続報』は第一報より内容が長く、他にも何か難しい情報が多く書かれているのかもしれない。

 さておき、首都のすぐ傍には大規模な軍事基地がある。その一部にWILLウィルも奇跡の子らを運搬する用の飛行機を置かせてもらっていた。元々ゼッタロニカなど敵軍から回収した武器は現地での確認を終えると最終的にはそこで保管されることになる為、今回のコアもそうして保存してあったはずだ。何故それをタワーの内部、しかも上層階へ持ち込みたかったのかは、まるで不明だが。

「すぐに回収されたとのことですので、イルムガルドが行った頃にはもう無かったのではないかと」

 職員がそう言いながらイルムガルドを窺うと、イルムガルドは「無かったと思う」と答えた。

「それなら、イルムガルドはコアそのものではなく、それが回収された後にも残っていた『気配』を感じた、ということになりますよね」

「確かに、そうなるな」

 少し項垂れたモカは、低く唸って額を押さえた。

「そのものが無くなっても、音が残るなんて……どのような仕組みなのか、私には見当も付きません。軍はどの程度、コアの仕組みを把握していて、解明しようと動いているのでしょうか」

 何度もフラヴィを宥めたモカも流石にこればかりは黙っていられなかったらしい。ここまで不可解なものをタワーに持ち込もうとして、更には事故まで起こしている軍部の考えがまるで分からなかった。

「不安は理解できるが、やはり兵器に関して言えば、軍部が専門だ」

 デイヴィッドは少し優しい声で、諭すように言った。だが、子らから不信感を減らして軍部との不和を生まぬようにという気遣いであったかと言えば、そうではなかった。

「ただ、奇跡の力は時に『知識』を上回る。……進軍作戦の際には、してやられたからな。少々、此方の能力で揶揄ってやるのも悪くない」

「……え。司令、何するつもり」

 誰が見ても『悪い顔』と言いたくなるような笑みを浮かべたデイヴィッドに、フラヴィは引き攣った表情で微かに仰け反った。

「音ならば、テレシアが聞けば明確に『何』なのか分かるだろう。当然、向こうの安全確認の後ではあるが、早い段階でコアに接触させてもらおう。上手く行けば軍より先に、コアを解明してやれるかもな」

 デイヴィッドは側近に軽く目配せをして、その調整に走らせている。本気で『揶揄う』つもりらしい。

 彼の言う通り兵器に関しては軍部が専門で、WILLウィルの出る幕など無いはずだ。しかし、此方にはテレシアが居る。彼女の能力は小さな音を聞くというだけではない。音からあらゆるものを『把握』し、『解析』できる能力だ。機械の音を聞いてセキュリティを潜れるのがその為だった。原因と言われるコアが音を発するのであれば、テレシアは人選として最適であるだろう。

「あー……、本当に危なくないようには、気を付けてよね」

 フラヴィはただそれだけを、少し言い辛そうに口にした。彼女が案じているのは『WILLウィルと軍部の不和』などという大きな話ではない。未知のコアに接触することになる、友人、テレシアのことだった。

「ああ。分かっている、勿論だ」

 デイヴィッドにもそれが伝わったのか、そう言った彼の目は先程のような悪意をまるで含まず、優しくて甘い、いつもの彼らの『司令』の顔をしていた。

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