第42話柴田勝家出陣

天正十一年(一五八三年)二月、織田信雄からの使者を受けた柴田勝家は、上杉景勝と同盟を結び、四万七千の軍勢を率いて出陣した。

 柴田軍は北国街道を進み、余呉湖の手前まで軍を侵攻させた。

 一方柴田勝家を誘い込んだ羽柴秀吉は、余呉湖を進んだところに重厚な陣地を築いていた。

北国街道を突破されないように、右側にある左禰山に堀秀政を配した。

北国街道の最前線には、堀尾吉晴と寝返った柴田勝豊の手勢がいた。

柴田軍を怒らせ、罠に誘い込むためである。

北国街道の左側にある堂木山には、木下利久と木下隼人正を配した。

第二陣は、少し街道が広くなっているところを空け、余呉湖を左に見る岩崎山に高山右近、大岩山に中川

清秀、更にその左後方に桑山重晴が配された。

 羽柴長秀は、北国街道の右側にある田上山に陣地を構えていた。

 羽柴秀吉は、羽柴秀勝、池田恒興等を率いて、後方に重厚な陣を敷いていた。

 丹羽長秀と細川藤孝は、水軍で柴田軍の後方を突こうと、若狭で待機していた。

 ただ筒井順慶だけは、紀伊の雑賀衆と根来衆が謀叛を起こしたため、それを討伐する為に別働していた。

「羽柴秀吉軍」

羽柴秀吉 :二万兵        :本軍

羽柴秀勝 :一万兵        :本軍

池田恒興 :八千兵        :本軍

細川藤孝 :四千兵:水軍を率いて後方迂回を画策

堀秀政  :三千兵(与力衆を付与):左禰山

柴田勝豊 :四千兵        :北国街道

堀尾吉晴 :三千兵(与力衆を付与):北国街道

木下利久 :三千兵(与力衆を付与):堂木山

木下隼人正:三千兵(与力衆を付与):堂木山

高山右近 :三千兵(与力衆を付与):岩崎山

中川清秀 :三千兵(与力衆を付与):大岩山

桑山重晴 :三千兵(丹羽長秀派遣):大岩山左後方

羽柴長秀 :五千兵        :田上山

宮部継潤 :三千兵(与力衆を付与):田上山

前野長康 :三千兵(与力衆を付与):田上山

黒田孝高 :三千兵(与力衆を付与):田上山

筒井順慶 :一万八千兵:紀伊雑賀衆討伐に

丹羽長秀 :七千兵(柴田勝家への備えで若狭に残る)

木下与一郎:五千兵(織田信雄に備えて岐阜城に残る)

仙石秀久 :三千兵(淡路で長宗我部に備える)

宇喜多秀家:二万五千兵(毛利への備えとして備前に残る)

蜂須賀正勝:宇喜多家の目付として備中にいる

木下将監 :七千兵(毛利への備えに出雲に残る)

南条元続 :四千兵(与力衆を付与・毛利への備えに伯耆に残る)

 秀吉は、勝家が一戦で決着を付けようして、野戦を挑んでくると考えていたのだが、案に反して勝家は砦を築きだした。

「柴田勝家軍」

柴田勝家 :一万兵

佐久間盛政:二万兵

佐々成政 :八千兵

前田利家 :五千兵

柴田勝政 :二千兵(与力衆を付与)

金森長近 :二千兵(与力衆を付与)

不破勝光 :二千兵(与力衆を付与)

原長頼  :二千兵(与力衆を付与)

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